NUC6CAYH

Solomonレビュー[redémarrage]

飛躍的な性能向上、Intel NUC Kit NUC6CAYH(追記)

 

Pocket

そろそろWindows 10 Creators Updateがリリースされるのでクリーンインストールするついでにパソコンも買い替えることにしました。

購入したのは日本でも販売が開始されたApollo Lake採用のIntel NUC Kit NUC6CAYHです。

CeleronにもかかわらずPentiumのNUC5PPYHよりCPU性能もグラフィック性能も大幅に向上しています。

NUCとは

一辺が11.5cmぐらいの四角い小型のデスクトップパソコンです。

ほとんどの人がノートパソコンやタブレットを買う状況でデスクトップパソコンなどと思うかもしれません。

私も昔はノートパソコンを使っていました。どこでも画面を開けば作業が始められるので便利に思えたのですが、いろいろ作業をしていると不便なことに気付きました。

資料を参照しながら作業を行う時、画面の前のキーボードが邪魔なのです。

キーボードを移動させると画面まで移動してしまい、非常に使い難いのです。

また、画面が小さいのも問題です。大きいものでも16インチ程度で、そうなると重すぎて持ち運ぶことなどできません。

 

これらの理由から今はNUCを使っています。

 

NUCは本体が小さいのでどこにでも置けます。そしてディスプレイは見やすいものを自由に選べます。

一番の問題だったキーボードもテンキー付きの無線キーボードを使うことで、快適な入力と配置の自由を手に入れることができました。

 

NUCはデスクトップパソコンですので移動はできません。

その代わりディスプレイやキーボードを自由に配置し、資料などと合わせて作業しやすい環境を作れることが最大のメリットです。

 

ここで説明するNUC6CAYHは一般的な事務作業やメール、インターネットサーフィンなどでは十分な性能ですが、Kaby LakeシリーズのCore iを積んだ強力なものも発売されています。作業の重さに合わせて選ぶのがよいでしょう。

Intel NUC Kit NUC6CAYHの概要

NUC6CAYHは新型のAtomコアにIntel HD Graphics 500を組み合わせたApollo Lake系列のCeleronを搭載したNUCキットです。

メモリーとストレージは別途購入して組み込む必要があります。

なお、2GBのRAMと32GBのeMMCとWindows 10 Home (x64)を搭載した、買ってすぐに使えるパソコンNUC6CAYSも同時に発売されています。

マニュアルなどはこちらに掲載されています。

ドライバーなどはダウンロードサイトからダウンロードできます。

なお、Intel NUCの場合はユーティリティを使ってまとめて更新することもできます。

ただし、一部のドライバーはバージョンを正しく検出できないためうまく更新できない場合もあるため、個別ダウンロードと併用する必要があります。

NUC6CAYHの外観

NUC6CAYHはデスクトップ用の4コア4スレッドのCeleronを搭載しています。

付属のACアダプター、各国の電源に対応したコネクターはNUC5PPYHと全く同じです。これらについてはNUC5PPYHの記事を参照願います。

 

左側がNUC6CAYHで、右側がNUC5PPYHです。以下の写真も同様です。大きさは同じです。

大きな違いはNUC6CAYHでは電源スイッチが前面に移動したことで上面には何もありません。

NUC6CAYH-review-01

NUC6CAYHは前面のUSB3.0ポートの並び方が横に変わりました。黄色いコネクターは充電ポートとして1.5Aまでの給電が可能です。BIOSでスリープ状態でも給電できるようにも設定可能です。

電源スイッチは前面に移動しました。赤外線受信機も従来と同様に付いています。

左右の小さな穴はデジタルマイクでRealtek Audioに接続されています。

NUC6CAYH-review-02

背面は配置が変わっただけでコネクターの増減はありません。

HDMIはVer.2.0対応となりました。

HDMI 2.0対応のファームのアップデートが配信されているのですが、HDMI 2.0機器を接続している状態でのみアップデート可能です。

HDMIは分岐が可能なようで、TVに繋ぐHDMI番号をBIOSで指定できます。

NUC6CAYH-review-05

左側面です。ケンジントンロックとSDXCカードスロットは同じです。

NUC6CAYH-review-03

右側面は放熱口のみです。

NUC6CAYH-review-04

NUC5PPYHでは底板に2.5インチドライブベイが付いていましたが、NUC6CAYHでは底板は外せます。

2.5インチドライブベイには4個のネジで止めるようになりました。ネジの予備は付いていません。

NUC6CAYH-review-07

2.5インチドライブベイを持ち上げSATAケーブルと電源ケーブルを外すとこのようになっています。メモリーを取り付けるだけならケーブルを外さなくても行えます。

M.2ソケットにはWi-Fi/Bluetoothカード(AC-3168)が実装されています。IEEE802.11a/b/g/n/ac Max 433Mbps、Bluetooth 4.2に対応しています。

メモリーはDDR3L-1600/1866MHz LowVoltage 1.35VタイプのSO-DIMMが2枚実装できます。

1枚だけ実装する場合は下側に取り付けます。

NUC6CAYH-review-08

BIOS

BIOSはNUC5PPYHと同様にIntel Visual BIOSです。

NUC6CAYH-BIOS-01

ドキュメントには2枚で8GBまで、CPUの仕様でも最大8GBまでとあるのですが、BIOSでは16GBまで認識しました。

NUC6CAYH-BIOS-02

Power Settingsの画面が大きく変わっています。

電源スイッチのLEDと前面のリングLEDの役割をパワーインジケーターかHDDアクセスかに個別に設定することができます。

またリングLEDの色はWhite/Cyan/Yellow/Green/Magenta/Red/Blueの7色から選択できます。明るさも変更できます。

既定ではリングLEDはHDDアクセスとなっていますのでストレージにアクセスがあると前面の四角い枠(リングLED)が青く点滅します。

NUC6CAYH-BIOS-11

OS SelectionはWindowsとLinuxのみでWindows 7の指定がありません。

Windows 7用のUSB3.0ドライバーがリリースされていないためUSBメディアを作成してもインストール途中でキーボードが使えなくなりWindows 7はインストールできません。

SkylakeまでのCPUに対応したUSB3.0ドライバーではApollo LakeのUSB3.0は動作しませんでした。

Windows 10専用のためか、起動時の画面に表示できる機能にF8 to Activate Windows Recovery Modeが追加されています。

NUC6CAYH-BIOS-13

BIOSの更新はダウンロードセンターから最新版の.bioファイルをダウンロードしてUSBメモリーにコピーして、NUC起動時に[F7]でUpdate BIOSモードに移行するのが簡単で安全です。

BIOS更新直後は必ず、[F2]でIntel Visual BIOSに入り[F9]の「Load defaults」で初期値を読み込ませます。BIOSの更新で項目が追加された場合に今までの設定との不整合を避けるためです。

その後、各設定を設定し直しますが「Load defaults」で今までの設定が変更された部分は「*」とオレンジの表示で分かるようになっています。

CPU性能

NUC6CAYH、NUC5PPYHの仕様は以下を参照してください。

CPUのスペックではJ3455はLPDDR4が使えるのですがNUC6CAYHではDDR3Lしか使えません。

スペックだけを見ると大きな違いは無いように見えます。

CPU-Z-NUC6CAYH-01

CPU-Z-NUC5PPYH-01

性能比較

比較はWindows 10 Pro (x64) バージョン1607 OSビルド 14393.693で行いました。

 

まず、WinSATで簡単な性能比較をしました。

WinSATは管理者権限でコマンドプロンプトを開き、

winsat formal

を実行します。終わったら、

C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore

の下に出来たファイルの

日付 時刻 Formal.Assessment (Initial).WinSAT.xml

または、

日付 時刻 Formal.Assessment (Recent).WinSAT.xml

に記録された数値を読み取ります。

 

NUC6CAYHは仮の組み立てなのでメモリーはDDR3L-1600MHz 4GB、ストレージは2.5インチ500GB HDDです。

NUC5PPYHはDDR3L-1600MHz 8GB、ストレージは2.5インチ120GB SSDです。

メモリーはDual Channel動作が前提とされているためかあまり伸びていません。

NUC NUC6CAYH NUC5PPYH
CPU J3455 N3700
一番低い
サブスコア
<SystemScore>
4.2 4.1
プロセッサ
<CpuScore>
7.1 6.8
メモリ(RAM)
<MemoryScore>
5.9 7.0
グラフィックス
<GraphicsScore>
4.2 4.1
ゲーム用
グラフィックス
<GamingScore>
9.9 9.9
プライマリ
ハードディスク
<DiskScore>
5.8 8.05
CPU
ベース周波数
1.5GHz 1.6GHz
バースト周波数 2.30GHz 2.4GHz
最大TDP 10W 6W
キャッシュ 2MB 2MB
コア数 4 4
スレッド数 4 4
メモリーの種類 DDR3L-1600
/1866
DDR3L-1600
最大サイズ 8GB(16GB) 8GB
グラフィックス
ベース周波数
250MHz 400MHz
バースト周波数 750MHz 700MHz
実行ユニット 12 16

 

別の比較として、CPU-Zに実装されたベンチマークを実行してみました。

こちらが、CPU-Z Ver.1.78.3でのNUC5PPYHのBench結果です。

CPU-Z-NUC5PPYH-02

こちらが、同じCPU-ZでのNUC6CAYHのBench結果です。

バースト周波数はNUC5PPYHより低いにもかかわらずCPU Single Thread、CPU Multi Threadそれぞれで約2倍の性能向上です。

コア数はともに4コアですのでSingle/Multiの差はありません。

CPU-Z-NUC6CAYH-02

 

もう一つ、CINEBENCH R15の結果も掲載しておきます。

CINEBENCH-R15-NUC6CAYH-02

こちらがNUC5PPYHの結果です。

  • OpenGL:13.17 fps
  • CPU:127 cb

CINEBENCH-R15-NUC5PPYH-01

そしてこちらがNUC6CAYHの結果です。

  • OpenGL:17.59 fps
  • CPU:180 cb

CINEBENCH-R15-NUC6CAYH-01

OpenGLに関しては33%、CPUに関しては42%の性能向上が確認できます

これらの測定はDDR3L-1600MHz 4GBのメモリーをSingle Channelで利用した場合の結果です。

NUC6CAYHではDual Channelが可能ですのでDDR3L-1866MHzのメモリーをDual Channelで利用すれば更に性能が向上するでしょう。

Core iシリーズが世代が変わっても数パーセントから十数パーセントしか性能が向上しない昨今、50%近くの性能向上は珍しいです。

上位モデルとの比較

速くなったのは分かるけどCore i7などの一般的なパソコンと比べるとどうなのか気になると思います。

上位モデルはまだ販売されていませんがおおよそのCPUパワーの比較はできます。

 

これはThis ProcessorがCore i7-6700K、ReferenseがCore i7-7700Kです。ともに4コア、8スレッドです。

現状で一番速い第6世代Core iのSkylake、第7世代Core iのKaby LakeですがNUC6CAYHの実に3倍の性能です。

その代わりこれらのCPUを組み込んだパソコンは安いものでも値段は約3倍、消費電力は約10倍に増えることになります。

本当にそれだけのパワーが必要なのかよく検討してみた方がよいでしょう。

CPU-Z-Z170X-UD5-TH-F20-09

ファンの音

従来のNUCはファンの音が気になることがありました。

NUC6CAYHもファンが搭載されておりLIVA Zのようなファンレスではありません。しかし、通常はとても静かです。

BIOSでファンの回転数を見たら0rpmなので故障しているのかといろいろ設定を変えてみたら回り始めました。結局、温度が低くて止まっていたのです。

Apollo LakeにはEnhanced Intel SpeedStep Technologyが搭載されておりクロック周波数をダイナミックに変えることで従来のCPUより発熱を抑えています。その結果、ファンで冷やすほど温度が上がることが減少しファンの音が気になることも少なくなりました。

ただし回り始めれば従来と同程度の音はします。

NUC6CAYH-BIOS-11

メモリー

NUC6CAYHではDDR3L-1600/1866MHzを2枚搭載できます。1.35VのLow Voltageタイプですので買う時に注意してください。

メモリーはパソコンパーツの中でも比較的故障し難いものですので流用が可能です。

1枚しか必要無くとも安い時に2枚組で買っておけば後々Dual Channelに対応できます。

ではDDR3L-1866MHzの8GB×2を買っておいた方がよいかと言うと現状ではそうとは言えません。

現在LPDDR4の価格がDDR3Lとほぼ同じ水準まで下がってきており今後DDR4に移行することは確実です。

そのため高価なDDR3Lを買っても流用できなくなる可能性が高いのです。

メモリーの値上がりが始まっていますので比較的安価なDDR3L-1600MHzの必要な容量の2枚組(2GB×2、4GB×2など)を買っておくのが得策でしょう。

DDR3L-1866MHzは周波数の差以上の性能への貢献はありませんので16.6%の性能向上と価格差を考えて購入してください。

注意点

IGD設定

BIOSのVideoにIGDの設定があります。Windows 10における推奨値は、

  • IGD Minimum Memory : 64MB
  • IGD Aperture Size : 256MB

とのことです。この値はデフォルトの値なので変更しなければ問題ありません。

グラフィックやマルチ画面を多用する場合は大きめにしておいた方がよいため、今までのNUCでは両方とも設定可能な最大値で使っていました。

しかし、NUC6CAYHではIGD Aperture Sizeを最大値に設定しているとIntel HD Graphics 500ドライバーを読み込むとマウスカーソルが表示されなくなってしまいます。この問題でハマってしまい原因を突き止めるのに苦労しました。

IGD Aperture Sizeは128MBにするとWindowsが立ち上がらなくなり、512MBにするとマウスカーソルが表示されなくなります。

IGD Minimum Memoryは512MBに設定しても問題ありません。

NUC6CAYH-BIOS-05

Bluetoothマウスの問題

Bluetoothマウスが突然使えなくなる問題はNUC6CAYHでも同様です。

Windowsが勝手にBluetoothの電源を切るため使えなくなります。

Bluetoothマウスを使う場合はBluetoothマウスの不具合対策を実施しておいてください。

入手方法

まだ、Amazonと中小パソコンショップでしか売られていません。

ソフマップやヨドバシなど量販店で販売が開始されるまでには時間がかかるでしょう。

値段はAmazonもやっと一般水準まで下がり、平均して2万円(税別)ぐらいです。

最初からWindows 10 Homeを使うつもりならプリインストール版のNUC6CAYSの方が割安です。約1万円の差額で2GB RAM+32GB eMMC+Windows 10 Homeが付いています。

まとめ

発売から2年が経ち4コアPentiumを搭載したNUC5PPYHも安くなりました。

しかし、Celeronモデルにもかかわらず、CPUで1.4倍から2倍、グラフィックで1.3倍の性能向上です。

価格差を考えればNUC6CAYHの方が断然お得なのは言うまでもありません。

また、Windows 10リリース前に発売されたNUC5PPYHとリリース後2年で発売されたNUC6CAYHではWindows 10との互換性でも有利なのは確かです。

CPU 4コア、RAM 16GBということでHyper-Vサーバーでの利用にも向いているでしょう。

なお、Windows 7はインストールできませんので注意してください。

(2017/3/15 Windows 7について確認できたので修正しました)

NUCレビュー記事:

Amazonで見る
Pocket

 

   NUC    コメント 0

コメントフォーム

名前

 

メールアドレス

 

URL

 

 

コメント

*

トラックバックURL: 
おすすめの記事
購読

RSS Feed RSS - 投稿

サイト内検索
人気の投稿
最近のコメント




Intel NUC Celeron搭載 小型PCベアボーン 2.5インチ SSD/HDD対応 BOXNUC6CAYH

[レビューはこちら]
カテゴリー
アーカイブ
Twitter でフォロー