iPad Proでケーブルの長さが足りず100円ショップのUSB延長ケーブルを使ったところ、充電より放電が早くなる状態になりました。
iPad Proは従来のiPadと違い、ケーブルを選ぶようです。
ケーブルをつないでいるのにバッテリー不足の警告が
iPad Proの充電には必要な長さに調節できるサードパーティの巻取りケーブルを使っています。
使い始める前にiPad Proの放電より充電の方が早いことは確認していました。この時は、充電速度の違いはMFi認証の有無とかLightningコネクター内のLSIによるものと思っていました。
最近、このケーブルを伸ばしても届かなくなり、USB側なら何だろうと関係ないと思い100円ショップでUSB延長ケーブルを購入し使っていました。
暫くすると充電しているにも関わらずバッテリー不足の警告が表示されました。
電流を調べてみると1A以下しか流れていませんでした。
パソコンのUSB2.0ポートでも充電可能
また、おかしな現象を確認しています。
iTunesとの同期のためにiPad Proをパソコンに接続する場合、USB2.0のポートに接続しています。今までのiPadシリーズの場合、電流不足のため「充電していません」との表示が出ていたのですが、iPad Proでは充電マークが表示されます。
どうも、iPad Proはケーブルに流せる電流だけでなく、機器との接続状態で充電方法を変えているようです。
ケーブルやアダプターによる充電電流の違い
では、ケーブルによりどの程度変わるのか実際に調べてみました。比較のためにiPhone 6 Plusでも調べました。
使ったのは以下の機器、ケーブルです。
iPad Pro付属のUSB-LightningケーブルとUSB充電器
iPhone 6 Plus付属のUSB-LightningケーブルとUSB充電器(今回は大容量充電器での比較は行いません)
左上から
- 100円ショップの急速充電MicroUSBケーブル
- PanasonicのUSB延長ケーブル
右上から
- サンワサプライの巻取りMicroUSBケーブル
- サンワサプライのMFi認証の無いLightningケーブル
- 100円ショップのMicroUSBケーブル
- 100円ショップのUSB延長ケーブル
中央の上から
- Appleの純正MicroUSB-Lightning変換コネクター
- サンワサプライのMFi認証品MicroUSB-Lightning変換コネクター
です。
100円ショップの急速充電MicroUSBケーブルとはこのようなものです。
測定はiPad Proはバッテリー残量が8%ぐらいの状態で、
iPhone 6 Plusはバッテリー残量が20%ぐらいの状態で測定しました。
測定結果
iPad Proはバッテリーの残容量により充電電流が変わるため、値ではなく相対的な違いを見てください。
USB充電器はiPad Pro、iPhone 6 Plusともに付属品を使っています。iPhone 6 Plusを大容量の充電器につないだ場合は今回測定していません。
項目 | ケーブル | 延長ケーブル | 変換コネクター | iPad Pro | iPhone 6 Plus |
---|---|---|---|---|---|
1 | Apple純正 Lightning |
- | - | 2.29 | 0.95 |
2 | MFi認証無し Lightning |
- | - | 1.77 | 0.96 |
3 | サンワサプライ MicroUSB |
- | Apple純正 ⇒Lightning |
2.01 | 0.96 |
4 | サンワサプライ MicroUSB |
- | MFi認証品 ⇒Lightning |
1.97 | 0.95 |
5 | 100円ショップ MicroUSB |
- | Apple純正 ⇒Lightning |
1.37 | 0.96 |
6 | 100円ショップ 急速充電 MicroUSB |
- | Apple純正 ⇒Lightning |
0.95 | 0.95 |
7 | Apple純正 Lightning |
100円ショップ | - | 1.42 | 0.96 |
8 | Apple純正 Lightning |
Panasonic | - | 2.04 | 0.96 |
この結果から、iPad Proについては以下のことが分かります。
- 付属品のUSB-Lightningケーブルが一番電流が大きい (項目 1)
- 変換コネクターはMFi認証を得ていても純正品に劣る (項目 3、4)
- MicroUSBケーブルについて100円ショップ製品はサプライメーカー製より劣る (項目 3、5)
- MicroUSB急速充電ケーブルは普通のMicroUSBケーブルより劣る (項目 3、5、6)
- USB延長ケーブルについて100円ショップ製品はサプライメーカー製より劣る (項目 7、8)
また、iPhone 6 Plusについては以下のことが分かります。
- 添付充電器ではケーブルによる充電電流の違いは無い
(2016/5/25 追記)
このテスト後、iPad Pro添付のLightningケーブルは長くて邪魔なので巻取りケーブルを使っていたのですが、やはり充電時間が長いので別の巻取りケーブルを買いました。
- OWL-CBRJD(W) T-IP8/U2 (Owltech)
急速充電対応という製品でパッケージに2.4Aと書かれているので他の製品との違いはすぐにわかります。
実際に使ってみると、2.1Aの充電器で2.0A流れましたので表記通りの性能がでています。他にも2.4A対応の製品はいくつか出ていますので急速充電を行いたい場合は探してみるとよいでしょう。大電流を保証するためかケーブルが少し太くて使い辛い面もあります。
ちなみに、このケーブルでiPhone 6 Plusを充電すると急速充電できました。iPhone程度の容量なら急速充電は必要ないかもしれませんが、充電器と対応ケーブルを揃えればiPhoneも急速充電は可能です。
iPad Proの高速充電モード
GIZMODOの記事によるとiPad Proには高速充電モードというものがあるようです。iPad Pro付属品のLightningケーブルで充電電流が大きいのはそのためのようです。
ここで紹介されているのはUSB Type-CのLightningケーブルですのでiPad Proなどに添付されているUSBコネクターとは違います。ただ、今後MicroUSBはUSB Type-Cに移行しますのでUSB Type-CのLightningケーブルとUSB Type-CのACアダプターを揃えておくのもよいかもしれません。
まとめ
ケーブル、変換コネクターについては非常に多くの製品が出ていますので、どれが良いかは使ってみないとわかりません。しかし、今回の結果から言えることは、iPad Proを短時間で充電したいならApple純正USB-Lightningケーブルを使うべきでしょう。
また、安くても100円ショップの製品は使わない方がよいようです。
また、iPhone 6 Plusの結果からiPhone 6/6 PlusおよびiPad Air 2/mini 3以前のiOS製品はケーブルによる違いは無いと思われます。
iPad Proの結果からiPhone 6s/6s PlusおよびiPad mini 4も同じ傾向と考えられますが測定していないので分かりません。
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