Windows 10 Creators UpdateのWindows Updateでの配信が始まりました。
Windows 10 Proでは延期設定さえしておけば安全ですが、Windows 10 Homeでは回避不可能です。
ただし、アップデート手順さえ理解しておけば防ぐ方法はあります。
最新の対処法
「Windows 10 更新アシスタント」という新手の強制アップデートが始まっています。詳しくはこちらの記事を参照してください。
最近の状況について(2017/10/26 追記)
ここで説明している事前のプライバシー設定の回答の仕方によるブロックは現状では使えません。
プライバシー設定の更新プログラムが変更され、更にバージョン1703への更新の優先度が上がり配信の順番が変更されたためです。
現状でWindows 10 Creators Updateを適用したくない場合は、こちらの記事を参照願います。
少々面倒ですが現状で確実にアップデートしないための方法です。
概要
ここではWindows 10 Creators UpdateへのWindows Updateによる強制アップデートの手順を説明しています。
ただし、アップデートしたくない場合は、最後まで読んでプライバシー設定の質問に回答しないようにします。
(注意)
基本的には手順は変わっていないのですが、Windows 10 Creators Updateのリリースから3か月以上経ったことでCBBを選択していてもアップデートを延期できなくなりました。
Windows 10 Creators UpdateがCBBに値する安定度に達したためです。
また状況によってはプライバシー設定を聞いてくることなくアップデートが始まる場合もあるようです。
どうすべきか検討してみましたのでこちらの記事も参考にしてみてください。
Windows 10 Creators UpdateのWindows Updateでの配信がスタート
予告どおりWindows 10 Creators Updateが日本では2017年4月12日未明からWindows Updateでも配信が始まりました。
配信が始まったと言っても、すべてのパソコンが対象ではありません。
現状ではSkylakeを搭載したような比較的新しいパソコンが対象ですので、Windows 7からアップグレードしたパソコンなどはまだ大丈夫です。
Windows UpdateでアップデートされないためにはWindows 10 Proが必要
一般の人々が使えるWindows 10にはCBとCBBという2つのブランチがあります。
Microsoftのサイトの説明を見るとその目的の違いがハッキリします。
- Windows 10 のサービス オプション(Microsoft)
この中からCBとCBBに関する部分を引用すると、
- Current Branch。 初期導入者、IT チーム、およびその他のより広範なパイロット グループで、さらにアプリケーションの互換性と新しくリリースされた機能を検証するために、Current Branch (CB) を使用できます。
- Current Branch for Business。 組織内の大半のユーザーについては、Current Branch for Business (CBB) によって、長い時間をかけて、段階的に心機能を展開できます。
CBは説明にあるように「検証」するためのブランチです。すなわち安定性に欠き、CBBのための「贄」としての存在です。
CBBはCBの犠牲のもと、バグ取りされて安定したブランチです。
Windows 10 HomeはCBだけとなり、Windows 10 ProはCBとCBBを選択できます。
Windows 10 Proには「設定」アプリに「機能の更新を延期する」という項目があり、これにチェックを入れることでCBBとなります。
Windows 10 HomeとWindows 10 Proの大きな違いは、CBとして「贄」となるかCBBとして安定したものを使えるかの違いと言えます。
年に2回アップデートで悩まされるWindows 10 Homeですが、パッケージ版で6,000円ほどの価格差でこの扱いの違いは割に合わないのではないでしょうか。DSP版に至ってはAmazonでは殆ど価格差がありません。
この理不尽な扱いを逃れるためにもWindows 10 Proへの変更を強くお勧めします。
なお、現時点でのプリインストール版Windows 10 HomeからProへのMicrosoft Store経由のアップグレード価格は13,824円です。Microsoft Store経由でなくとも別途購入したWindows 10 Proのプロダクトキーを直接入力してもアップグレードは可能です。
いまだにWindows 7/8/8.1のプロダクトキーをWindows 10のプロダクトキーの代わりに使えます。しかし、いつ使えなくなるか分からずリスクが高いので購入はお勧めできません。手持ちがあるなら試してみるとよいでしょう。
Windows UpdateでのWindows 10 Creators Updateへのアップデート手順
Windows UpdateによるWindows 10 Creators Updateへの強制アップデートを避けるためには、そのプロセスを知ることが重要です。
ここではWindows Updateでのアップデート対象となるSkylake搭載パソコンで「機能の更新を延期する」のチェックを外して試してみました。
1. KB4013214の配信
アップデート対象のパソコンには、まず「Windows 10 Creators Updateのプライバシー設定(KB4013214)」が配信されます。
これはWindows 10 Creators Updateへのアップデートプロセスでの不具合を収集できるようにプライバシー設定を変更させることが目的です。
こういう部分が「贄」である所以です。
2. プライバシー設定の変更
再起動など、あるタイミングで、この画面が表示されます。
最前面に表示され、他の作業ができなくなります。
「設定の確認」をクリックします。
ちなみに左下の「後で通知する」をクリックすると、表示が消えて「アクションセンター」に残り、設定するまで何度でも通知されます。
Windows 10 バージョン1607でのプライバシー設定が表示されます。
現在の設定状況が反映されるためパソコンによって「オン/オフ」の状況は違います。
「詳細を見る」をクリックすると、
このような画面となり各項目について詳細な説明を見ることができます。詳しくはアップデート時のプライバシー設定を参照願います。
読んだら「了解しました」をクリックして戻ります。
設定は、必ずスイッチをすべて左側(オフ、オフ、基本、オフ、オフ)にしてください。
アプリなどで必要な場合はアップデート完了後に再設定してください。
ここでの設定は、あなたのパソコンがアップデートに失敗する、その詳細なデータの収集が目的であることを忘れないでください。
アップデートに成功しても何のデータも得られません。Microsoftはアップデートに失敗することを期待しているのです。
そんな情報をMicrosoftに提供する義理はありません。
設定したら「承諾する」をクリックします。
これでアップデートの準備が整いました。「OK」をクリックして終了します。
3. Windows 10 Creators Updateのダウンロードとインストール準備
更新プログラムのチェックのタイミングでWindows 10 Creators Update本体のダウンロードが始まります。
正式名称は「Windows 10 バージョン 1703の機能更新プログラム」となっています。
4. 再起動とインストールのタイミング設定
インストール準備が整うとまたしても作業を邪魔するようにこの画面が表示されます。
ここでは3つの選択肢が示されます。
「今すぐ再起動」をクリックするとアップデートが始まります。
「再通知」をクリックすると、あるタイミングでこの画面が再度表示されます。アクションセンターには残りません。
「時刻を選択」をクリックすると、
この画面が表示され、再起動のスケジュールを変更できます。
指定は当日を含めて7日以内で、指定した日時に再起動されアップデートが始まります。
この日時は「設定」アプリの「更新とセキュリティ」の「Windows Update」の「再起動のスケジュール」で変更が可能です。
Windows 7からの強制アップグレードの時と違い、この段階では「スタートメニュー」の「電源」には更新しないで「再起動」や「シャットダウン」を行える選択肢が表示されます。
「電源」の選択以外での「今すぐ再起動」は「更新して再起動」を意味しますのです注意が必要です。
ここまで進むと7日以内に必ずWindows 10 Creators Updateにアップデートされます。
Windows 10 Creators Updateへのアップデートを回避する手順
アップデートのプロセスを理解したところで、幾つかの盲点があることに気付きます。
それを使って強制アップデートを回避します。
Windows 10 Proの場合
Windows 10 Proの場合はCBBに変更することで回避可能です。
詳しくは、延期設定の方法を参照してください。
ただし、延期設定を行う前に「今すぐ再起動」が表示されてしまった場合は下記の方法で対処してください。
Windows 10 Homeの場合
Windows 10 HomeではCBBに変更できません。
しかし、アップデートはプライバシー設定の変更が完了しなければ始まりません。
したがって、プライバシー設定の画面が表示されたら、「後で通知する」をクリックして設定を完了させないようにします。
何度も聞いてくるので面倒ですが、設定を完了させない間はアップデートを回避できます。
「今すぐ再起動」が表示された場合
知らずにプライバシー設定を行ってしまい、気付いたら「今すぐ再起動」が表示されてしまった場合は、アップデートを強制的に失敗させます。
Windows 10 Proでもこの画面が表示されてしまったら延期設定を行っても効きません。
まず、「時刻を選択」をクリックして、できるだけ後の日時を指定します。
次にシステムドライブ直下の「$WINDOWS.~BT」フォルダーを削除します。
表示されていない場合は、「隠しファイル」や「保護されたオペレーティングシステムファイル」を表示するように設定してみてください。
削除中に管理者権限が必要と表示されても構わず削除してください。
完全に削除する必要はありません。削除できないファイルが残っても、インストールに必要なファイルを削除できれば良いのです。
この状態ではWindows 10はアップデートに必要なファイルのダウンロードは完了したと認識しているため、再度ダウンロードされることはありません。
再起動すると、アップデートに失敗して今まで通りのWindows 10が立ち上がります。
この状態で、もしもシステムの保護が有効で復元ポイントが残っていればプライバシー設定を行う前に戻してください。
Windows 10 Proの場合は延期設定を行ってください。
まとめ
Windows 10 Creators Updateでは、Microsoftが欲を出してアップデートに失敗するデータを収集しようとしたことが仇となりました。
プライバシー設定を完了させなければアップデートは始まりません。
この仕組みを使えばWindows 10 Homeでもアップデートを遅らせることは可能です。
ただし、何度も表示されるためWindows 10 Proへの変更も検討してみてください。
コメント
管理人さんこんにちは。お世話になります。パソコンはwindows10プリインストールのノートパソコンです。先日createors updateのプライバシー設定KB4013214が配信され翌日に「設定の確認」画面が表示されました。アップデートには1,2時間程度かかるとの情報から時間がある時に作業を行うため「後で通知する」ボタンで画面を閉じました。この画面は「プライバシーの設定」が完了するまで何度でも通知されるとの記述がありますが2日経過しても「設定の確認」画面は表示されません。この表示はどのようなタイミング(頻度など)で表示されるのでしようか。アドバイス頂けると幸いです。
アップデートはwindows10アップグレードアシスタント(経験あります)ではなくwindows updateから行いたいと思っています。
コメントを頂きありがとうございます。
「設定の確認」が再度表示されるタイミングは確認できていません。
もしも通知領域に残っていれば、クリックすれば「設定の確認」が表示されます。
残っていないとなるとインストールするタイミングを調整するのは難しいかもしれません。
管理人様
Creator Updateのアップデートを強制的に失敗させる手順を行いました。
復元ポイントは残っておりませんでしたので、プライバシー設定を行う前には戻せておりません。
これにより、「x64 ベース システム用Windows 10 Creators Update のプライバシー設定 (KB4013214)」のインストールに失敗しました が永続している状態です。
これを元に戻す=アップデートできるように戻す事は可能でしょうか。
「$WINDOWS.~BT」は削除しましたが、その後で新しく作成されているようです。
よろしくお願い致します。
(Windows 8.1 から Windows 10 にアップグレードしたパソコンです)
コメントを頂きありがとうございます。
Windows 10は大型アップデートの更新対象となるパソコンに対して、ユーザーが了承するかどうかにかかわらず、大型アップデートのインストールプログラムをダウンロードします。
そのダウンロードされる場所が「$WINDOWS.~BT」です。
Windows 10 Creators Updateではプライバシー設定が完了すれば、このインストールプログラムを使ってアップデートが自動で行われます。
「x64 ベース システム用Windows 10 Creators Update のプライバシー設定 (KB4013214)」のインストールに失敗しました
と表示されるということは、Windows 10 Creators Updateへのアップデート対象となり、インストールプログラムは「$WINDOWS.~BT」にダウンロードされたが、プライバシー設定が完了していないため、アップデートできないのでしょう。
この状態からWindows 10 Creators Updateにアップデートしたい場合は、次の3つの方法があります。
1.「Windows 10のダウンロード」サイトから「今すぐアップデート」でアップグレードアシスタントを起動してアップデートを行う
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
2.同じサイトの「ツールを今すぐダウンロード」からツールをダウンロードしてインストール用USBメモリーを作りUSBメモリーからアップデートを行う
3.通常手順でKB4013214に回答して自動アップデートに任せる
3番目の方法を行いたい場合は、こちらの方法でKB4013214をインストールしてみてください。
Windows Updateに失敗する場合の対処策
http://solomon-review.net/windows10-patch-error/
これで正常にKB4013214をインストールできてプライバシー設定を行えばWindows 10 Creators Updateにアップデートできるはずです。
それでもKB4013214インストールできない場合は、1番目、2番目の方法も試してみてください。
管理人様
早速のご回答ありがとうございます。
3.通常手順でKB4013214に回答して自動アップデートに任せる を先に試しましたが、うまく行かなかったため、1.「Windows 10のダウンロード」サイトから「今すぐアップデート」を行い、うまくアップデートすることが出来ました。
ありがとうございます。
特に問題なく作動しておりますが、リカバリーディスク(USB)は新しく作っておくべきなのでしょうか。
それとも、もし、行う時は前バージョンのものでリカバリーを実行し、その後、Creators Updateを実行する形なのでしょうか。
コメントを頂きありがとうございます。
うまくKB4013214が適用されるようにできず申し訳ございません。
KB4013214はMicrosoft Upadteカタログからもダウンロードできず対処方法を詳細にテストすることができておりません。
http://catalog.update.microsoft.com/v7/site/Home.aspx
リカバリーはこの状態に戻したいという状態にしてから回復ドライブを作成するのがWindows 10の標準的なバックアップ方法です。
Creators Update適用後に戻したい場合はアップデート後に作成します。
Cortanaで「回復ドライブ」を検索して起動します。
ただし、この方法ではWindows 10システム以外のアプリはすべてインストールし直しになりますので、MS以外のバックアップツールを使ってバックアップする方がよいでしょう。
Todo Backup Free
http://jp.easeus.com/backup-software/free.html
AOMEI Backupper Standard
http://www.backup-utility.com/jp/
これらのどちらかでドライブごとバックアップするのがお勧めです。
私はスケジュールバックアップができるAOMEI Backupper Standardを使っていますが、日本語がおかしいので戸惑うかもしれません。性能は問題ありません。リストアも問題無くできることを確認しています。
追伸:去年末からカーネル41に悩まされてましたが、Creators Updateの後、症状が改善された模様です!
やっと、スリープや休止状態を再度利用できるようになった模様!
コメントを頂きありがとうございます。
確かに大型アップデートで多くのバグが改善されますので、パソコンによっては状況が改善される場合もあり、大型アップデートを適用するメリットはあります。
ただ、パソコンによっては状況が悪化することもあり、アップデートしてみないと分からないという状況は変わりません。
管理人様
色々アドバイス頂きましてありがとうございます。
管理人様がご利用中で、リカバリーの確認もされているというAOMEI Backupper Standardの方を使用したいと思います。
今回のアップデートでのバグ改善は、ただラッキーだったんですね。
今後も色々と参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。
コメントを頂きありがとうございます。
MS以外のバックアップソフトはWindows以外もバックアップできるので急いでいる場合は復旧が楽です。
ただし、USBメモリーには収まらない可能性もありますので、状況に合わせて選択してください。
多くの場合でアップデートしてバグが改善していると思います。
いつまでも古いバージョンを使っているわけにはいきませんので、早めにアップデートして不具合が無いか確認する方がよいでしょう。
記事がご参考になれば幸いです。