iPadシリーズはiPadOS 13.4以上にアップデートすることにより、正式にマウスが使えるようになりました。ここでは使えるマウスについて調べてみました。
iPadOS 13.4
2020年3月24日、日本時間で3月25日早朝にiPadOS 13.4の配信が始まりました。
これはiPad Proでアップデートですが、890.4MBと大きなアップデートサイズです。
説明にあるようにマウスやトラックパッドに対応したことが大きな特徴です。
Appleはこれまで、iPadはタッチとペンで操作するタブレット端末、MacBookはキーボードとトラックパッドで操作するパソコンとして明確に分けていました。
そのため、iPadではマウスが使えず、MacBookではタッチ操作が行えない状況でした。
この境界がiPadOS 13.4で崩された形です。
これで5月に発売になるトラックパッドが付いたMagic Keyboardが使えるようになります。
なお、iPadはMacBookに使い勝手が近づきましたが、いよいよMacBookはCPUがIntel x86系からARMに変わるようです。
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最終的にはiPadとMacBookは統合されるのかもしれません。
使えるマウスは?
実はマウスはiPadOS 13がリリースされた当初から使えました。
使えると言ってもアクセシビリティのためのデバイスとして追加されたため、AssistiveTouchを有効にしなければなりません。また、私が確認したかぎりではBluetooth 4.0以上に対応したマウスしか使えませんでした。
iPadOS 13.4からはマウスを接続するだけでマウスカーソルが表示されて使えるようになります。
今回は、Bluetooth 2.1のMicrosoft Wedge Touch Mouse、
Bluetooth 3.0のELECOM 静音Bluetoothマウス(IR LED 3ボタン)(M-BT15BRSWH)、
Bluetooth 4.0のMicrosoft Surface Precision Mouseを接続して確認しました。
結果としてはBluetooth 2.1、3.0、4.0のどのBluetoothバージョンのマウスでも使用できました。すべて「接続済み」となっているように3種類のマウスは同時に使用できます。
左上に表示されているグレーの「●」がマウスカーソルです。半透明ではなくグレーのため、正確にポイントを合わせるには不向きです。アプリが対応していれば、状況に合わせてマウスカーソルの形状が変わるそうです。
現状ではリモートデスクトップアプリは対応していないようで、クリック部分が隠れてしまうため多少使い難いと感じました。また、アプリが対応していないと右クリックが使えません。
BluetoothマウスはWi-Fi 2.4GHzや他のBluetooth機器に影響する可能性があると注意が表示されます。
使えるマウスは他にもUSB経由で接続できれば使用できます。USB有線マウスやUSBドングルを使用する無線マウスなどです。
注意点はBluetoothマウスに相性があるということです。
Bluetoothマウスは使用していないと休止状態となりiPadとの接続が切れてしまいます。この時、iPad上のマウスカーソルは消えますが、マウスを動かし休止状態から復帰させれば元通りに接続されます。この再接続がうまくいかないマウスがあります。
今回確認に使用した3種類では、ELECOM 静音Bluetoothマウスはすぐに再接続し、Microsoft Wedge Touch Mouseも多少時間がかかりますが再接続できました。しかし、Microsoft Surface Precision Mouseは一度接続が切れてしまうと再接続できませんでした。
Bluetoothのバージョンの問題では無いようなので、うまく再接続できないようならマウスを変えてみてください。
使えるタッチパッドは?
Apple純正のMagic Trackpad 2は正式にサポートされているため使えるのですが、高価なのに加えて問題があります。
MacBookなどMac製品のインターフェースは、ほぼUSB Type-Cに統一されました。
iPadもその流れに乗っているようでiPad ProはUSB Type-Cに変更されました。廉価版iPadはLightningコネクターのままでiPhoneも同様ですが、以前からUSB Type-Cに変更されるとの噂があります。
問題というのはMagic Trackpad 2はMac製品なのにLightningコネクターで充電する製品だという点です。Magic Trackpad 2は2015年10月14日の発売ですので、そろそろUSB Type-C版が出るのではないかとも思えるわけです。
今回は他の安価なものが使えないか試してみました。
試してみたのは、ARCHISSのPrecisionTouch BT(AS-PTBT01-SW)というBluetooth 5.0に対応した製品です。Bluetooth接続で安価なものはこれしか見つからなかったためです。
結果としてはBluetooth接続では使えませんでした。ペアリングはできるのですが、マウスとして認識されずマウスカーソルが表示されません。
Windows 10に接続してみるとアイコンがキーボードになっているため、マウスとして認識されないのだと思われます。
もともとWindows専用でMacはサポートされていないので使えないのは仕方ないでしょう。
Bluetooth接続では使えませんが、USB接続ならばタッチパッドとして使えます。その場合でも2本指、3本指、4本指のジェスチャーは使えません。
どうしてもタッチパッドで使いたいなら純正品を使うか、iPad ProならMagic Keyboardを、iPad、iPad miniならサードパーティキーボードを使うしかないようです。
サンワダイレクトからMacにも対応したタッチパッドが発売されていますが、USB接続のため今回は確認していません。
まとめ
マウスに関しては、古いマウスでもBluetoothに対応している物なら使えるようです。
タッチパッドについては、Bluetooth接続で使えるものは純正品しかありませんが、USB Type-Cの製品が出てくる可能性を承知の上なら購入してもよいでしょう。
何にせよマウスが使用できるようになったことで、パソコンのような使い方もできるようになり、iPadがより便利になったことは確かです。
コメント
M-XPT1MRBK というブルートゥース対応のトラックボールがos14,4ipadで使えないいんですが、なんとかなりませんか?
コメントを頂きありがとうございます。
こちらで確認した限りでは、以前から使えていたマウスでiPadOS 14.4にアップデートすることで使えなくなってはいません。
M-XPT1MRBKはBluetooth以外に2.4GHz無線と有線での接続に対応しているようですので、それらの接続方法で使えるか試してみるのも手だと思います。
どの方法でも使えない場合は、マウスとは別のデバイスとして認識されている可能性があるため諦めるしかないと思います。
返信ありがとうございます、今後osのアップデートで対応されることは期待できますか?
コメントを頂きありがとうございます。
iPadではiPadOS 13.4以前からマウスに対応していましたが、理由はアクセシビリティのためでした。
iPadOS 13.4でのマウス対応はiPadの扱いをiPhone寄りからMac寄りに変更したためです。
したがってMacでのトラックボールの扱いが変わらなければ、今後もサポートされる見込みは低いと思われます。