小型で必要な部品が全部付いているのに低価格で人気のLIVA MINI PC KITですが、Windows 7はインストール出来ません。主な原因はBIOSのOS設定がWindows 8.Xに固定されていることですが、以前に確認したIntel NUCでの動作から、腑に落ちないこともあるため、再度確認してみました。
LIVA MINI PC KITでのWindows 7の動作
拠点間接続のSoftEther VPN Server用にLIVA MINI PC KIT(LIVA-C0-2G-64G-W)を購入したのですが、出来ればライセンスが余っているWindows 7で使いたいので、試してみました。もちろんサポートされていないことも、インストール出来ないと言われていることも承知しています。
Windows 7(x64)を直接インストール
LIVA MINI PC KITはBIOSでUEFI BOOT固定なので、UEFI対応のWindows 7(x64)をUEFI DVDから起動してインストールしようとしましたが、ブートの途中でハングアップしてしまいました。この症状は、Intel NUCのDN2820FYKHやDE3815TYKHEにWindows Home Server 2011をインストールしようとした時の症状に似ていました。
他のPCにインストールしたWindows 7(x64)をeMMCにコピー
インストーラーのブートシーケンスだけの問題なら、他のPCにインストールしたWindows 7(x64)をそのままコピーすれば動作するかもしれないと考えました。LIVA MINI PC KITと似たような構成のIntel NUCのDN2820FYKHにWindows 7(x64)をインストールし、HD革命 Copy Drive Ver.6を使ってLIVA MINI PC KITのeMMCにコピーして起動してみました。結果はWindows 7(x64)の起動中に暴走して再起動を繰り返しました。
この結果から、インストーラーではなくWindows 7(x64)のブートシーケンスの問題であると考えられ、LIVA MINI PC KITでWindows 7(x64)を動作させることは不可能ということになります。
UEFI BIOSの設定について
Intel NUCのDN2820FYKHは当初、UEFI BOOTしかサポートされておらず、アップデートを繰り返し、徐々に動作が安定してきました。私は、その途中段階で使用を始めて、BIOSの設定に関係なくWindows 7はインストール出来たので、BIOSの設定はあまり意味が無いと考えていました。そのため、LIVA MINI PC KITにもWindows 7を動作させる方法はあるだろうと試したのですが、だめでした。ならば前提としているBIOS設定に関する認識が間違っていると考え、DN2820FYKHで再度確認してみました。BIOSのバージョンは0047です。
「UEFI BOOT」、「Legacy BOOT」は、有効にするか無効にするかをBIOSで設定します。Windows 7(x64)インストール結果の「ブルースクリーン」はブルースクリーン状態でハングアップ、「ハングアップ」はブート途中でハングアップしました。Windows Server 2008 R2が元になっているWindows Home Server 2011も全く同じ動作となります。
BIOS設定 | Windows 7(x64)インストール | |||
UEFI BOOT | Legacy BOOT | OS Selection | UEFIインストール | 通常インストール |
ON | ON | Windows 8.X | ブルースクリーン | ブルースクリーン |
OFF | ON | Windows 8.X | 不可 | ブルースクリーン |
ON | OFF | Windows 8.X | ハングアップ | 不可 |
ON | ON固定 | Windows 7 | インストール可能 | インストール可能 |
OFF | ON固定 | Windows 7 | 不可 | インストール可能 |
結果を見れば当然なのですが、OS Selectionを「Windows 7」に設定しない限りWindows 7はインストール出来ません。LIVA MINI PC KITはOS SelectionがWindows 8.X固定ですのでWindows 7はインストール出来ないことになります。
OS Selection設定について
Windows 7時代のP8Z77VやWindows 8時代のSZ87R6のBIOSには、OS Selectionなどという項目はありませんでした。それでもWindows 7やWindows 8.1は問題無く動作します。ただ、P8Z77Vでは外付けUSB HDDを使っていますが、Windows 8.1の「電源オプション」「システム設定」「シャットダウン設定」にある「高速スタートアップを有効にする」をONにしていると、Windows 8.1起動時にハングアップしてOSを起動できません。
Windows 8.XではOSの起動がWindows 7より格段に速くなっています。速く起動するためにハードウエアの初期化や応答を待つことを省略していると考えられます。このWindows 8.Xの動作に合わせてハードウエアの初期化や応答を省略する設定がOS Selectionだと考えられます。OS SelectionをWindows 8.Xとした場合は、Windows 7は期待したハードウエアからの応答が得られないことにより動作がおかしくなっているのかもしれません。
まとめ
DN2820FYKHのBIOSの動作を見ていると、UEFI BIOSでのOS Selectionに関する動作は、ほぼ安定したと考えられます。そのため、今後、Windows 7をインストールしようと考えているベアボーンやマザーボードを買う場合は、BIOSのOS Selectionで「Windows 7」が選択出来ることを確認しておく必要があるでしょう。