ドコモがVoLTE対応の端末とサービスを発表しました。誰がつけたのか、VoLTEは「ボルテ」と呼ぶことになったようです。VoLTEとは、Voice over LTEの略称です。PPPoE(PPP over Ethernet)とか、VoIP(Voice over IP)とか、XXX over XXXという名称は沢山ありますが、こんな呼称をつけるのは珍しいのではないでしょうか。
しかし、発表されたVoLTEサービスの内容を見て驚きました。
- 音質向上、通話しながらサクサク通信「VoLTE」、ドコモが6月末に(ケータイWatch)
音声ですので、話す側と聞く側で、時間の圧縮などの違いは無いので、VoLTE通話と3G通話の変換は、当然、基地局で行うものと思っていました。しかし、この記事によると、VoLTE通話は、VoLTE対応端末同士でないと行えないとのことです。ハード的な問題なので、2014年夏モデル以前に発売されたすべての端末は、VoLTE対応にはなりません。
こちらの記事には、更に詳しく説明されています。記事を読むと、今後VoLTEサービスを始めるソフトバンク、AUなど他キャリアとは互換性が無く、従来端末はもちろん、他キャリアのVoLTE端末への通話も、すべて3G通話となるとのことです。
VoLTE通話をするには、通話相手がVoLTE対応端末を持っている必要がありますので、自分が買うより、まず、通話相手に買わせる必要があります。それもドコモのVoLTE対応端末を。ドコモは、アーリーアダプターを拡販員にするつもりなのでしょうか。
VoLTEサービスは、データ通信のように当人がLTE対応端末を買えば、すぐにでも、そのメリットを受けられるものとは異なります。周りの人が買い替え、更にキャリア間の接続装置の切り替えが終わるまで、VoLTEサービスのメリットを享受出来ません。家族で一度にVoLTE対応端末に買い替えるなど、自分でコントロール出来る範囲に限られるのです。
このようなことを説明せず、当人がVoLTE対応端末を買えば、すぐにでもVoLTEサービスのメリットを享受出来るように報道することには、問題があると思います。
何にせよ、普通にVoLTEサービスの恩恵を受けられるのは、5年か10年先になりそうです。
ドコモのVoLTEサービスが利用できる状態になったため、テストレポートが掲載されました。
音声品質は改善されるようで、音質が良いからとPHSを使っている人には、朗報かもしれません。
ただ、記事にもあるとおり、普通に誰とでも使えるようになるのは、ずーーーーーっと、先のことです。
b-mobileの日本通信が音声通話サービスでの新たな展開を目論んでいるようです。
現時点では、何も変わりません。ただ、格安スマホが騒がれ、どこのMVNOも大差無い状況で、VoLTEによる通話サービスへの一番の早道を選択した日本通信のアドバンテージは大きいと思います。
いよいよauからもVoLTEが利用できる端末が発売されますが、やはり機種限定/キャリア限定の状況は変わらないようです。
- 「au VoLTE」12月開始、スマホの画面共有など多彩な機能を用意(ケータイWatch)
- au「isai VL」「URBANO」12月12日発売、au VoLTEもスタートへ(ケータイWatch)
特定の機種でしか使えないこと、キャリア間では使えないことについては、キャリアの宣伝はもちろん、ニュースサイトでも殆ど告知されていない状況は問題だと思います。