リモートデスクトップサーバー(2) TeamViewer

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(1)に続いてTeamViewerでのリモートデスクトップサーバーの構築について説明します。

概要

TeamViewerは、下記の記事で説明したように、リモートサポートや遠隔地間で同じ画面を見ながらの会議などでの利用を目的として販売されているソフトです。

個人使用なら無料で利用できることから、リモートデスクトップサーバーの構築に使うことにします。

 

OS標準機能とTeamViewerの違い

OS標準機能を使う場合、リモートデスクトップサーバーのネットワーク上のアドレスを管理するのは、ネットワーク上で一番長く稼働しているパソコンとなります。家庭においてパソコンは常に使うものではないため、必要のない場合は電源を切ります。そのため、ネットワーク上のアドレスは頻繁に変わり、そのアドレスを管理するパソコンも頻繁に変わります。そのためコンピューター名でのアクセスには問題が発生し易く、固定アドレスに変更しました。

リモートデスクトップサーバーのネットワーク上のアドレスを管理しているのが、家庭内のネットワーク上のパソコンであるので、自宅の外、インターネットからはリモートデスクトップサーバーのアドレスを知ることが出来ずアクセス出来ません。

TeamViewerの場合は、リモートデスクトップサーバーのインターネット上のアドレスに加えて家庭内ネットワーク上のアドレスも合わせて、インターネット上のTeamViewerのサーバーが管理します。そのため、自宅の外、インターネットからもアクセスすることが出来ます。

 

TermViewerでのリモートデスクトップサーバーの構築

TeamViewerでリモートデスクトップサーバーを構築する場合は2つの方法があります。こちらのダウンロードページにはWindows版のソフトがいろいろあります。

この中の、「TeamViewer QuickSupport」または「TeamViewer Host」を使用します。「TeamViewerフルバージョン」はすべての機能が含まれますが、クライアント機能も含まれるため、ここでは使用しません。

TeamViewer QuickSupportは、インストールは不要で、実行している間だけ、クライアントから接続することが出来ます。インターネットからアクセス出来るということは、その口はセキュリティホールと成り得るので、心配ならば、外出時だけTeamViewer QuickSupportを実行するようにすればよいでしょう。

TeamViewer Hostはインストールが必要ですが、パソコンの起動と同時に立ち上がり、常に外部からのアクセスを待っています。リモートデスクトップサーバーではこちらをインストールした方がよいでしょう。

なお、自動でルーターにインターネットからのアクセスを許可する穴をあけるため、ルーターはUPnP対応である必要があります。

 

TeamViewer QuickSupportでの構築

TeamViewer QuickSupportをダウンロードしたら、適当なフォルダーに保存してから実行します。やることはこれだけですが、パソコンを起動する度に毎回行う必要があります。

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数字9桁の「使用中のID」がリモートデスクトップサーバーにアクセスするためのIDとなります。スペースで3桁毎に区切られていますが、9桁の数字として扱います。4桁の数字のパスワードは、数字の左横をクリックすると表示されるメニューから変更出来ます。IDは同じパソコンであれば、OSを再インストールしない限り変わりません。

クライアントからのアクセス待ちを終了するには、TeamViewer QuickSupportを終了させます。終了と同時に、広告ウィンドウが表示されますが、無料で利用しているので仕方ありません。

 

TeamViewer Hostでの構築

TeamViewer Hostをダウンロードしたら、実行してインストールを開始します。

「詳細設定の表示」のチェックボックスはチェックせず、「次へ」をクリックします。

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「個人/商用以外」を選択して、「次へ」をクリックします。

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「利用規約」を読んで同意する場合は、チェックボックスの2ヶ所をチェックし、「次へ」をクリックします。

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最初の画面で「詳細設定の表示」をチェックした場合は、

  • TeamViewerリモート印刷の使用
  • TeamViewer VPNの使用
  • インストール先フォルダーの選択
  • スタートメニューフォルダーの選択

が指定できます。

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インストールが始まります。

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インストールが完了すると、この画面が表示されます。「使用中のID」がリモートデスクトップサーバーのIDなのでメモしておきます。「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。

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続けて、「無人アクセス」のセットアップが自動で始まりますので「次へ」をクリックします。

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パソコン名には、リモートデスクトップサーバーとするパソコンに設定したコンピューター名が表示されます。変えることも出来ますが、これは自分が区別できるようにする識別名でしかありません。パスワードは「TeamViewer QuickSupport」のように自動では設定されませんので、自分でパスワードを決めて設定します。

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TeamViewerでアクセスするパソコンが複数ある場合、TeamViewerアカウントを登録することで、9桁の数字のIDではなく、上記で設定したパソコン名で管理できるリストを作成できます。ここではIDでアクセスすることとし、TeamViewerアカウントは作りません。「今はTeamViewerアカウントを作成しない」をクリックします。

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表示が変わったら、「次へ」をクリックします。

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最後にIDが表示されますので、「完了」をクリックします。ここで表示されるIDはインストール時に表示された「使用中のID」と同じ数字です。

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TeamViewer Hostはすぐに開始され常駐します。サービスとして実行されていますが、通知領域のアイコンから設定を変えたり、終了させることも出来ます。アンインストールする場合は、通知領域のアイコンからTeamViewer Hostを終了させてから、アンインストールする必要があります。

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TeamViewerクライアントからのアクセス方法

TeamViewerのクライアントは、各プラットフォーム用のものが用意されていますが、ここでは、iPad用のもので説明します。

ユーザーインターフェースは日本語化されており、使い易そうに見えますが、設定項目がMSのリモートデスクトップクライアントよりも多く、設定に迷うかもしれません。

起動すると、最初だけチュートリアルが表示された後、この画面が表示されます。以後は、起動するとこの画面になります。

IDの入力欄は、アプリをタスクマネージャーで消してしまうと、空欄で起動されます。

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下にメニューがあり「接続」がこの画面、「コンピューターとパートナー」はTeamViewerアカウントを作成した場合に使用します。「ファイル」はリモートデスクトップサーバーとの間でファイルを転送する場合に使用します。

右端のギアのマークをタッチすると設定画面になります。

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設定画面では、「はじめに」「管理」「セキュリティ」に分かれています。「セキュリティ」の部分は、通常はデフォルトのままで問題ありません。

設定する必要があるのは、「管理」の部分です。

まず、入力方法ですが、「マウスインタラクション」と「タッチインタラクション」の2方式があります。

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入力方法で指定した方法による操作が、「はじめに」の「使い方」に表示されます。

これが、「マウスインタラクション」、

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そして、「タッチインタラクション」です。

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次に「画質」ですが、通常は「自動画質選択」でよいのですが、3G回線など遅いネットワークの場合は、画質を落として反応速度を上げようとします。画像は一定時間間隔の差分で送られてくるので、知りたい部分の画面が更新されないことなどが起きます。接続中でも変更できますので、適宜変更して下さい。

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「画面解像度」は、通常は「最適」にしておきます。

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「リモートカーソル」は、リモートデスクトップサーバー上のマウスカーソルをクライアントからの指示に追従させて移動させるものです。これはリモートサポートを行う場合に、サポートされる側にサポートする側のマウス操作を見せるための機能ですので、今回は「OFF」のままにしておきます。

以上で接続準備は完了です。

IDにTeamViewer QuickSupportまたは、TeamViewer Hostで表示されたIDを入力し、「リモートコントロール」をタッチします。

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暫く待って、リモートデスクトップサーバーに接続できるとパスワードを聞いてきます。TeamViewer QuickSupportでIDと同時で表示されたパスワード、または、TeamViewer Hostをインストールしたときに指定したパスワードを入力し、「OK」をタッチします。

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接続が完了すると、ログオン画面になります。MSのリモートデスクトップのように、事前にWindowsアカウントを登録しておいて、接続と同時にログオンすることは出来ません。ここではWindows Home Server 2011の画面で説明します。

右下のキーボードのマークをタッチします。

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画面が上下に縮小されメニューが表示されます。

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右端の下矢印をタッチするとメニューを隠して、キーボードのマークの表示に戻ります。

右から2番目のギアのマークをタッチすると、最初の画面で設定した項目の一部を変更出来ます。また、接続中のいろいろな情報を確認することが出来ます。

ここでは、真ん中のスパナのマークまたは、左から2番目の人のマークをタッチして「CTRL+ALT+DEL」を入力します。

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ログオン画面が表示されるので、右から3番目のキーボードのマークをタッチして、キーボードを表示し、パスワードを入力します。

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キーボードは2種類あり、上部右端のキーボードのマークをタッチして切り替えます。上部のctrl、alt、Windowsなどのキーは一度タッチすると押したままの状態となります。その場合、文字が太く表示されます。この機能によって、alt+printなどが入力できます。

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接続すると、右下にツールが表示されるので、「>」をクリックして最小化しておきます。

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画面右下のキーボードのマークをタッチして表示されるメニューは人のマークが表示されない以外は、ログオン時と同じです。

左から2番目のマークをタッチすることで「マウスインタラクション」と「タッチインタラクション」を切り替えることが出来ます。MSのリモートデスクトップと違い、マークは、タッチして切り替わった後のモードを示しています。

この表示の時は、タッチすると「マウスインタラクション」変わります。

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この表示の時は、タッチすると「タッチインタラクション」変わります。

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変更されると画面中央に、変更後のモードが表示されます。

リモートデスクトップサーバーとの接続を終了する場合は、左端のマークをタッチし、「終了」にタッチします。この場合、接続上は「切断」となり、リモートデスクトップサーバーにはログオンしたままの状態で切断されます。必要に応じて、ログオフしてから終了して下さい。

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終了後、「スポンサーセッション」と表示されるので、内容を確認して「OK」をタッチして終了します。

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まとめ

TeamViewerとリモートデスクトップサーバーを用いることで、iPadなどのタブレットを持っているなら、8インチWindowsタブレットを買わなくとも、ブラウザーゲームなどは行えます。ただし、アニメーションの多いものだと差分データが大きくなり、通信量が多くなります。それでも起動時の読み込みはリモートデスクトップサーバー側の回線で行われるので、3艦隊の遠征結果の確認、補給、再遠征、2艦の建造の確認、再建造などを行った場合での比較では、リモートデスクトップサーバーとiPadの組み合わせで実行した場合と、Venue 8 Proで直接実行した場合で、60MBの通信量であまり違いはありませんでした。4月のアップデート前の数字なので、今はVenue 8 Proの方が有利かもしれませんが、操作感覚ではあまり大きな違いを感じませんでした。

iPadでネイティブに動作するFlash対応のブラウザーはありません。Puffinなどはここで構築したような海外のFlashサーバーをリモートで利用しているようなものです。違いは、アプリでは回線が切れると、表示しているFlashを閉じてしまうので、ブラウザーを強制終了させた時のようにペナルティを食らいます。ここで構築したリモートデスクトップサーバーは自分専用なので、画面が切れても接続を待っている状態なので、再接続すれば続けることが出来ます。

既にiPadやAndroidタブレットを持っているなら、8インチWindowsタブレットを検討する前に、今使っているパソコンとTeamViewerで接続して試してみるのもよいと思います。特にOSが無償化され、新しいCPUが発表された後ですので、次の安価で高性能な機種が出ることは想定されます。Venue 8 ProやThinkPad 8などオーダーを受けてから製造するものは、入手までに3週間程度かかるようです。

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