Windows Phone 8、Windows RT と Windows 8

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とうとう、日本のWindows Phone公式サイトから、Windows Phone 8が消されたそうです。

※SKS Telecomの問題が発生したため、輸入業者のリンクを削除

12月初旬にWindows Phone 8の日本語の情報が掲載され、発売を期待しているニュースサイトがそのことを伝えていましたが、キャリアからの圧力が強まったのでしょう。キャリアが邪魔するなら、輸入品を使うという手もあります。

これらの価格を見る限り、月々サポートなどの還元が無いだけで、価格面では国内スマートホンと大して変わりありませんし、2年縛りなどという制約もありません。ただし、SKS Telecomの問題もあるためリスクはあります。これにb-mobile SIMなどを使えば使えるわけですが、組み合わせて使うOffice 2013やWindows 8 Surfaceなど関連製品が揃っていませんので、もう少し状況をみたいと思います。


2012年10月26日にWindows 8は発売されましたが、私個人としては、10月29日のWindows Phone 8のリリース発表の方が気になっていました。

しかし、そこで発表されたことは、Windows Phone 8は日本では発売されないとのことでした。

私は、この日本の端末メーカーやキャリアの選択が第2のガラパゴス携帯を生み出す結果になりかねないと危惧しています。

ユーザーインターフェースの進化

Windows 8、Windows RT、Windows Phone 8に採用された、昔はMetro UIと呼ばれていたModern UIを最初に見た時、MSは何で、Windows 1.0のような昔のUIに戻してしまったのか不思議に思いました。

しかし、テストマシンにWindows 8をインストールして使っているうちに、これはこれでよいのではないかと思えてきました。

AppleがMacintoshを発売して以降、MSは常に、Appleを追うようにOSの機能性やユーザーインターフェース(以下UI)を向上させてきました。

Mac OS Xで採用されたAQUAというUIは、ウインドウが立体的で影が表示され、また、水のように透き通るボタンなどは、非常に綺麗で、Windows XPなどの従来のウインドウシステムとは異なりました。

MSはWindows VistaでAeroという透き通るウインドウと、ウインドウの影を表示するUIを採用し、Windows 7でも同様に採用していました。

Windows 8で、MSはAeroを捨てました。これは良く考えると大きな転換ではないかと考えられます。Appleは、iOSやMac OS Xで引き続きAQUAを発展させたUIを採用していますが、MSはWindows 8でAppleを追うことを止めたことになります。

AeroはWindows XP対応のPCでは表示出来ませんでした。Aeroを表示するためには高いグラフィック性能が必須だったためです。

ウインドウに影が無くても、ウインドウが透き通ってなくても、表示される情報に変わりはありません。ただ、綺麗に表示するために高いグラフィック性能を使うことは無駄に思えます。

ここで、主流のモバイルOSのUIについて個々に考えてみます。

iOS(iPhone、iPad、iPod touch)

iPhoneに代表されるiOSのUIは、初期のiPhoneから全く変わっていません。iPhone4Sまで4段だったアイコンの並びがiPhone5で5段になったぐらいです。そのため、このようなネタになるぐらいUIの変更がありません。

アイコンは静止画で何も情報を伝えることは出来ません。何かを利用者に通知したい場合は、アイコン右上に知らせたい件数をバッジという数字で表示するか、ダイアログを表示するか、通知センターを利用してまとめて表示するしか、方法が提供されていません。

Android(GALAXYなどのスマートホン/タブレット)

Androidは、バージョンが頻繁に変わり、その度にUIも変化しています。変わらないのは、メインの画面がホーム画面の左右に各2画面、全体で5画面あり、この画面にはアイコンやガジェットが自由に配置でき、自動的に並べ替えられることもありません。

アイコンは静止画ですが、ガジェットを使うことでアプリを起動せずに、ユーザーにいろいろな形で情報を伝えることが出来ます。しかし、ガジェットのデザインに統一性はありません。

Windows Phone 8、Windows 8、Windows RT

スタート画面には、正方形、またはその2倍の長方形のアイコンとして、アプリが並びます。アイコンは、視認性の高い単色でカラフルな統一されたデザインであり、アイコンとアイコンの隙間は詰められ、大きく表示されます。

スタート画面は、画面という区切りは無く、右にどこまでも続く巻物のように表示されます。

スタート画面に配置されるアイコンには、ライブタイルという機能で、ユーザーに文字やグラフィックで情報を伝えることが出来ます。

スマートホンのスリープ解除後の画面

まず、ポケットからスマートホンを取り出し、スリープを解除して、最初に見る画面は、

iOSの場合は、アイコンは何も通知できないので、バッジの付いているアプリを起動して情報を確認します。

Androidでは、ホーム画面でガジェットからの情報で次にすべきことを判断することが出来ます。

Windows Phone 8では、ライブタイルにより、各アプリの状態をより詳細に、短時間で知ることが出来ます。

iOSはクールですが、旧態依然で互換性と操作感を重視するあまり進化が止まってしまっています。発売当時は便利だと思ったUIも今となっては時代遅れと言わざるを得ません。

Androidは積極的に新しい機能を追加し、便利になって来ているのですが、その度に操作方法が変わり、沢山のアップデートできないマシンを置き去りにして進化を続けています。

Windows Phone 8では、Windows Vista以降のAeroというUIを捨て、ユーザーの利便性や作業効率を最優先させた結果が、Modern UIということなのでしょう。

人の好みもありますが、次のアクションに最短で繋ぐことが出来るのは、視認性の高い単色でカラフルな統一されたデザインのライブタイルで、情報を伝えることの出来るWindows Phone 8だと思います。

日本で発売されないWindows Phone 8

こちらの記事に、日本でWindows Phone 8が発売されない理由が検討されています。

また、こちらの記事は、Windows Phone 8の発売を検討していると言っていますが、これはiPhoneの発売を検討していると言っている時のニュアンスと非常に似ており、発売するつもりなど無いと思われます。

iPhoneを発売せず、Android一辺倒に突き進み、GREEやDeNAに対抗しようとソーシャルメディア参入を決めたドコモにとって、Windows Phone 8は開発・サポートリソースの分断となり邪魔な存在でしかないでしょう。

また、Windows 8を単に、Windows 7の後継OSとしか認識出来ない日本のメーカーはキーボードの付いたパソコンにWindows 8を入れて売っていますが、単なるパソコンとしての使い方ならWindows 7のデスクトップで十分なのです。結局Windows 8パソコンは全く売れていません。

販売の方向性の誤り

先に記したように、Windows Phone 8は使い始めれば、iPhoneなどより、よほど使いやすくなるでしょう。

iPhoneはiCloudと連携し、Macとデータの同期が行えます。しかし、Windows版のiCloudは写真、連絡先、お気に入りなどしか対応しておらず、肝心のドキュメントの同期には対応していません。そのため、Evernoteなど、いろいろなアプリを組み合わせて作業をすることになります。iPhoneに合わせて作業環境を選ぶ必要があるのです。

しかし、Windows Phone 8はSkyDrive経由で日常的に使う多くのドキュメントをPCと同期を取ることが出来ます。

外出先ではWindows Phone 8を使い、少し大きな画面で作業したいときはWindows RTでと、スマートホンやタブレットでの操作に慣れた時に、デスクトップの画面もWindows 8なら、操作性が一貫して、非常に使いやすい環境を構築できるはずです。Windows 8にはアイコンの並びまでWindows Phone 8と同期させる機能があります。

Windows 8は単体で売るものではなく、Windows Phone 8、Windows RTとセットで売らなければ意味の無いものです。それが、各社の思惑で分断され、発売が中止され、その結果、Windows 8パソコンが売れない事態となってしまいました。

ドコモが傾倒しているAndroidスマートホンの多くを作っているのはSamsungですが、Samsungは同時にWindows Phone 8も作っています。MSがWindows Phone 8で猛攻をかけ、Androidが主流で無くなっても、Samsungは、すぐに方針変更が可能なのです。

あれだけ普及したiモード携帯が、iPhoneとGALAXYにあっという間に食われてしまったように、Windows Phone 8が世界の主流となり、気が付いたら、日本だけがAndroidを使っていた、ということも、ありえると思います。

まとめ

SoftBankがiPhoneを日本国内で販売したおかげで、世界の流れに大きく遅れることにはなりませんでしたが、iPhoneを売らず、6000万人の顧客を持つドコモの判断ミスは、第二のガラパゴス携帯を生み出しかねません。

Androidを採用した時点では有力なモバイルOSが無かったことは確かですが、準備を整えたMSは強力でしょう。その波に乗り遅れることは、結局、利用者の不利益にしかなりません。

Androidは所詮、Linuxと同様に一時的な流行りのような気がします。

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