昨年は強制アップデートが行われて環境を壊された方も居たかと思いますが、今年は比較的落ち着いています。
必要な対処法を実施していればアップデートされることはありません。
最近のWindows 10 大型アップデートの動向
昨年(2018年)の2月ごろから配信された「Windows 10 更新アシスタント」には本当に困らせられました。
日本では多くの企業が決算時期で一番忙しいにも関わらず、Windows 10 Homeは仕方ないとしてもWindows 10 Proまでを強制アップデートの対象としていました。
私のパソコンもWindows 10 Proでアップデート延期設定をしていたにも関わらず、いきなりアップデートが始まったのには驚きました。
Windows 10 バージョン1803の配信が始まり、強制アップデートは終了したのですが、8月には更に改良された「Windows 10 更新アシスタント」が配信されました。
新しい「Windows 10 更新アシスタント」は非常に巧妙にバックグランドでインストール作業を行い、気付いた時にはもう手遅れと思わせるものでした。
その後、Windows 10 バージョン1809が配信され、「Windows 10 更新アシスタント」による強制アップデートは行われていません。
「Windows 10 バージョン1809の機能更新プログラム」の特殊性
「Windows 10 更新アシスタント」が配信されないのは、べつにMicrosoftが最新バージョンにアップデートさせることを諦めたからではありません。
現在、64ビット版のWindows 10 Homeには「Windows 10、バージョン1809の機能更新プログラム amd64 2019-03」、
32ビット版のWindows 10 Homeには「Windows 10、バージョン1809の機能更新プログラム x86 2019-03」が配信されています。
これらの更新プログラムは「2019-03」とあるように毎月変更され、更に、こちらのMicrosoftのサイトで配布されているトラブルシューティングツールパッケージには表示されなくなっています。
そのため、これまでの大型アップデートの回避方法では回避できなくなりました。
こちらで回避方法は説明していますが、パソコンの状況によっては簡単には行えず断念する方も多いと思われます。
その結果、従来より「Windows 10、バージョン1809の機能更新プログラム」の適用率が高くなり、それなりの効果が確認できたため「Windows 10 更新アシスタント」の配信を行っていないと思われます。
Windows 10 Proに関しては、アップデートの延期設定が正しく機能しており、設定さえ正しく行われていればアップデートされることはありません。
これは、Windows 10 Proを使用している企業などから苦情が多かったためか、Windows 10 Homeも合わせた全体としてアップデートさせるべき目標台数を超えているためかは分かりません。
現状ですべきこと
Windows 10 バージョン1809にアップデートしたくない場合は、以下の対策を行ってください。
Windows 10 Home
こちらの方法でブロックしてください。
ブロックにあたり、作業フォルダーを削除する必要がありますが、削除できない場合は、こちらの手順で削除する必要があります。
この手順は難しいため、自分または知り合いに頼んでも実施できそうにない場合は、Windows 10 Proにアップグレードするか、諦めてWindows 10 バージョン1809にアップデートしてください。
リリース当初問題となったバグについては、現状で修正されていますのでアップデートしても問題とはなりません。
ブロックが成功して、このようにエラーが出ても無視してください。
Windows 10 Pro
Windows 10 Proには機能更新プログラムの適用を延期する設定が存在します。
この設定は現状では無視されず正常に機能します。
こちらの手順で延期させてください。
ただし、最大でも365日のためWindows 10 Pro バージョン1709以前で延期できない場合は上記のWindows 10 Homeのブロック方法を実施してください。
KB4023057
「KB4023057」は大型アップデートを適用できない原因を除去するための調査を行う「スパイウェア」です。最新バージョンのWindows 10には配信されないことから、それは明らかです。
この更新プログラムはシステムに無駄な負荷をかけることがあるため要らないと思う場合は、こちらの方法でブロックしてください。
今後の動向
Windows 10 バージョン1903は、ほぼ完成しました。最終ビルドは18362.59になりそうです。
- Releasing the May 2019 Update to the Release Preview ring(Microsoft)
- Announcing Windows 10 Insider Preview Build 18362(Microsoft)
当初、Build 18356.16からアップデートできないという不具合が発生していましたが、それも修正され、4月8日にRelease Preview ringに配信され始めました。
Release Preview ringまたはSlow ringのInsider Programに参加することで今すぐにでもアップデートは可能です。
Insider Previewと正式リリース版は同じBuildなら違いはありません。
Build 18362.30で「設定」アプリから「更新とセキュリティ」「回復」「このPCを初期状態に戻す」を実行するとInsider Programに参加していないWindows 10 バージョン1809が立ち上がります。
この画面はWindows 10 Pro バージョン1809の「設定」アプリの「Windows Update」の「詳細オプション」です。
「更新の一時停止」はバージョン1903からWindows 10 Homeにも存在する項目で、これを使えばWindows 10 Homeでも最大35日(7日を5回まで)延期できるようになります。
Windows 10 Proでは従来通り「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」で「機能更新プログラム」は最大365日、「品質更新プログラム」は最大30日、インストールを延期させることができます。
しかし、この画面をよく見ると従来と違う点に気付くと思います。
こちら画面はWindows 10 Pro バージョン1809のもので「半期チャネル」「半期チャネル(対象指定)」を指定する部分がありますが、Windows 10 Pro バージョン1903にはありません。
「半期チャネル」と「半期チャネル(対象指定)」は「企業向け高品質」と「一般ユーザー向けの低品質」に対応します。詳しくはこちらで説明しました。
この指定が無くなった理由は企業で展開する場合など「半期チャネル」と「半期チャネル(対象指定)」の区別が分かり難かったことなどが理由のようです。
詳しくはこちらで説明されています。
- Windows Update for Business and the retirement of SAC-T(Microsoft)
- 完成が迫るWindows 10「19H1」でのもう1つの変更点(ITmedia)
今後はリリース日は一本化され、延期設定も、その日から起算されます。
説明には30日、60日などという延期日数がでてきますが、これらは企業などでパソコンを集中管理する場合の話で、System CenterやWSUSなどを使っていなければ関係のない話です。
「半期チャネル」と「半期チャネル(対象指定)」の区別が無くなったことで分かりやすくなった半面、企業でも使えるレベルの品質になったというタイミングを自分で判断する必要がでてきました。
Windows 10 バージョン1809で大きなバグを発生させてしまった反省から最初から従来の「半期チャネル」品質でリリースするつもりとも考えられますが、4月、10月という期日を固定している限り「高品質」でリリースすることは難しいと思われます。
ただし、今回は品質を優先した結果、5月にずれ込みました。
まとめ
現状では、昨年のような強制アップデートは行われていません。
適切に対処することでWindows 10 バージョン1809へのアップデートは回避できます。
コメント
はじめまして。
先日、Windows 10を最適なパーティション構成でクリーンインストールする方法(改訂版)をブログ記事中で紹介させていただきました。
というのはおいておいて、1903なのですが実際にどの程度の割合で自動配信され終わったのでしょうね?どうも資料を見つけられません。ちねみに私のところではまだ一台のPCにも自動配信はされていません。
solomonさんのところではどうですか?
コメントを頂きありがとうございます。
また、記事をご紹介頂きありがとうございます。
アップデートの進捗状況について記事を掲載させて頂きました。
Windows 10 バージョン1903へのアップデート、メリットとデメリット
https://solomon-review.net/windows10-update-to-v1903/
6月までで6.3%だそうです。
私のところは1803と1809ですが、すべて来ました。