ウィークマンAシリーズはハイレゾ対応になってタッチパネルからボタン式に戻ってしまいました。
今回、発売される新しいWALKMAN NW-A30シリーズはスマートフォンのような大画面となりタッチパネルが復活しました。
ただし、著作権保護された楽曲の再生ができなくなりました。
ウォークマン NW-A30
WALKMAN NW-A30シリーズは、2016年9月にドイツで開催されたIFA 2016で発表されました。
- ソニー、DSD対応、タッチパネルになった新ウォークマン「A30」(AV Watch)
日本で発売されるのは分かっていたのですが、今回10月29日(土)に発売されるとの発表がありました。
- 出力向上、DSD対応、タッチパネルになった新ウォークマン「A30」。22,000円~(AV Watch)
- 新型ウォークマン「NW-A30」シリーズ10月29日発売。タッチパネル採用しハイレゾ高音質機能を強化(engadget)
- 2万円台ウォークマンやノイキャンヘッドフォンなど、ソニーがオーディオ製品を一斉発表(ASCII.jp)
- 製品情報 NW-A30シリーズ(Sony)
NW-A10シリーズはハイレゾ対応なのにハイレゾヘッドホンが付いていなかったり、NW-A20シリーズはハイレゾ対応ノイズキャンセリングヘッドホンが付くモデルとノーマルノイズキャンセリングヘッドホンが付くモデルが混在したりと変な構成でした。
NW-A30シリーズは、
- ヘッドホンが付属しないモデル
- NW-A35 16GBモデル 21,880円(税別)
- ハイレゾ対応ノイズキャンセリングヘッドホンが付属するモデル
- NW-A35HN 16GBモデル 28,880円(税別)
- NW-A36HN 32GBモデル 33,880円(税別)
- NW-A37HN 64GBモデル 43,880円(税別)
と構成がスッキリしました。(価格はソニーストアでの価格)
どのモデルも、
- (R) シナバーレッド
- (L) ビリジアンブルー
- (B) チャコールブラック
- (Y) ライムイエロー
- (P) ボルドーピンク
の5色から選べます。
ヘッドホンを付属しないモデルを発売したのは、より高価なハイレゾヘッドホンを買ってもらいたいからでしょう。
付属するヘッドホンはNW-A20シリーズに付属するものと同じMDR-NW750Nですが、単体で購入できるのはブラックとホワイトのみです。NW-A30本体と同色のMDR-NW750Nはヘッドホン付属モデルでしか入手できません。
- MDR-NW750N(Sony)
どのモデルも128GBまでのmicroSDXCカードが使えますので16GBモデルでも問題無いでしょう。
NW-A10/A20シリーズとの違い
まず、見て分かるのが、ディスプレイです。NW-A10/A20シリーズの2.2インチから3.1インチに大きくなり、前面ボタンが無くなった代わりにタッチパネルになっています。
物理ボタンは、NW-A10/A20では側面はボリュームボタンとHOLDスイッチしかありませんでしたが、再生、曲送り、曲戻し、電源ボタンが増えました。
見た目はNW-A10/20の方が操作し易そうですが、デザイン重視なボタンのため指の腹で触っただけでは再生ボタン以外は位置が分からず、ポケットに入れたままでは操作し辛いものでした。昔のタッチパネル式WALKMAN NW-A860シリーズを使っていた経験では、側面ボタンの方が操作し易いです。
他にはDSD対応(PCMへの変換再生)や細かい点で改善されています。
ヘッドホン出力が10mWから35mWに強化されているためインピーダンスの高いヘッドホンも使えるようになるそうです。
ただ、iPhone 7のヘッドホン端子廃止の影響でBluetoothヘッドホン市場が活性化しており、今後は無線ヘッドホンへの移行が急速に進むと思われるので将来的にはあまり意味が無いかもしれません。S-Master HXなどのデジタルアンプもBluetooth接続時には使われません。
LDACなどという偽ハイレゾ規格など作るよりaptX HDなど正当な規格に対応してもらいたいです。LDACはソニー製品でしか使えない独自規格です。
- aptX HD
- LGエレ、最新コーデック「aptX HD」にも対応したハイエンドBluetoothヘッドセット(ITmedia)
- AK70とAK300シリーズがaptX HDに対応。TIDAL音楽配信の利用も(AV Watch)
- aptX HD対応でバランス駆動も可能なBluetoothアンプをAKとソフトバンクが共同開発(AV Watch)
内蔵のOSも上位モデルと同じものになっています。
- 銅製で4.4mmバランス、DSDネイティブ再生で30万円の「WM1Z」など、最上位ウォークマン(AV Watch)
- 製品情報 NW-WM1Z(Sony)
- 製品情報 NW-WM1A(Sony)
感覚的には、NW-A20シリーズとNW-WM1Zシリーズの中間というところですが、上位モデルは10倍も値段が違いますので限りなくNW-A20に近い上位モデル風のハイレゾウォークマンというところです。
なお、既に量販店にはモックが置いてあります。写真で見た印象より結構大きいです。NW-A20を縦に10mm縮めて、横に10mm伸ばした感じなのですが、厚さが10.7mmもあるので最近のスマホに慣れていると厚く感じます。体積比でNW-A20の4割増しです。
毎日持ち歩くものですので予約する前にモックだけでも見た方がよいでしょう。
レビュー記事
まだ購入して間もないですがNW-A30シリーズのレビュー記事を掲載しました。
音質についてはハイレゾが聴き分けられる人のレビューの方がよいかもしれません。
- よりパワフルに! タッチ操作やDSD対応した新ウォークマン「NW-A30」(AV Watch)
AV Watchの記事ではSpotifyやApple Musicなどが使えた方が良いと言っていますが、私は不要と考えます。
WALKMANは従来から独自OSを搭載しています。
しかし一時期Androidを搭載した時期がありました。Fシリーズなどです。汎用OSなのでSpotifyなどに対応することは簡単なのですが、Androidは頻繁にバージョンアップするため、販売終了となったWALKMANはバージョンアップされずセキュリティホールとともに放置されます。
汎用性を求めるならスマートフォンで聴けばよいでしょう。WALKMANは純粋に音楽を楽しむプレーヤーとして独自OSの方がよいと考えます。
制限事項
注意点として大画面となっても、画像の表示と動画の再生機能は削除されているので、ジャケット画像以外で大画面の恩恵は受けられません。壁紙という概念すらありません。
まず、iTunes Storeで販売されていた著作権保護(fairPlay)がかかった楽曲はiPodなどApple製品でしか再生できませんので、従来のWALKMANでも再生できません。
ここで対象としているのは2012年9月30日までmoraで販売されていた楽曲です。こちらのサイトに説明があります。
引用すると、
以下のライブラリーは、x-アプリからMedia Goへ移行できません
- 2012/9/30 以前にmoraから購入した楽曲などの、著作権保護された楽曲ファイル
- 著作権保護された動画
そして、NW-A30シリーズの仕様を見ると、いたるところに「著作権保護された音楽ファイルは再生できません」とあります。
- NW-A30シリーズ 主な仕様(Sony)
例えば、信号圧縮形式(音声圧縮形式)の部分を見ると、
MP3 *1/WMA *2/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/
リニアPCM(WAV) *3/AAC *4/HE-AAC *5/FLAC *6/
Apple Lossless *6/AIFF *3/DSD(DSF, DSDIFFフォーマット対応) *7※ 著作権保護された音楽ファイル(ダウンロード購入した楽曲など)は再生できません
とあります。ページの下の方の注釈にもあります。
したがって、Media Goを使う時点で著作権保護された楽曲は管理できません。
また、x-アプリを使ってNW-A30シリーズに転送してもNW-A30シリーズ自体が著作権保護された楽曲を再生できないのです。
NW-A20とNW-A30のどちらを買うべきか
Apple製品と違いソニー製品は値崩れが激しいので、NW-A30の発表によりNW-A20の在庫処分が始まります。それでも、WALKMAN/iPodの2強時代と違い、殆どの人がスマートフォンで音楽を聴くようになりましたので在庫は潤沢です。
操作性をとるならば、NW-A30でしょう。スマートフォンのような直感的な操作が可能です。
安価なWALKMANが欲しいなら、NW-A20が値下がりするのを待った方がよいでしょう。まだ、NW-A20シリーズは購入可能ですが在庫状況と販売価格の推移を見て買い時を見つけてください。
問題は著作権保護が掛かった楽曲を持っている場合です。moraで購入した著作権保護の掛かった楽曲は今後、再生環境が急速に収束します。そのため、あるタイミングで楽曲を買い直すか著作権保護の掛かっていないデータに変換する必要があります。
著作権保護の掛かった楽曲は一度CDに焼いて音楽CDと同様にリッピングし直すことで著作権保護の掛かっていないデータに変換することができます。
まとめ
待望のタッチパネルが復活した普及型WALKMAN NW-A30シリーズが発売されます。タッチパネルなのでスマホと同様に感覚的な操作が可能です。また、側面ボタンも大きくポケットに入れたままでの操作も簡単です。
NW-A30シリーズは回路的にも改善されており、既にハイレゾを聴いているならNW-A20シリーズよりいい音で聴けるでしょう。
逆にハイレゾ入門で考えるなら在庫処分となるNW-A20シリーズで従来音源との違いを堪能したうえで、ハイレゾが気に入ったならNW-A30シリーズではなく更に上を考えた方がよいでしょう。
ウィークマンAシリーズは、あくまでハイレゾ入門という位置付けです。
コメント
moraで購入したものは問題なく使えるとSONYストアの店員が言ってました、それとmoraはたしか2012年の10月以降はdrmフリーでのサービス提供をしていたと思います
コメントを頂き、ありがとうございます。
言われるように2012年10月以降にmoraで購入した楽曲なら問題ありません。そのため、著作権保護された楽曲の説明を追記させて頂きました。
NW-A30シリーズをハイレゾを聴くために買うなら、moraでのハイレゾ配信は2013年10月17日からなので著作権保護を気にする必要はありません。