快適な操作性、タッチパネルのウォークマンA30シリーズ

ウォークマン
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WALKMANの新型Aシリーズが発売になりました。

タッチパネルに変更されるとともにユーザーインターフェースも一新され操作性が向上しています。

Media Goとx-アプリとの組み合わせについても説明します。

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新型ウォークマンA30シリーズ発売

低価格ハイレゾ対応WALKMANであるA30シリーズが2016年10月27日に発売されました。不具合が見つかり一時発売延期になったことから10月29日が発売日となっている販売店もあります。

簡単に言うと、30万円もする上位機種NW-WMシリーズ用に開発されたユーザーインターフェースを踏襲し、内部的には価格相応に性能を抑えたハイレゾ入門機です。

旧機種NW-A20シリーズの発売から1年が経過していることもあり、同価格帯でも回路の改善で音質面では向上しています。

しかし、何と言っても、旧来のウォークマンの操作性から大画面のスマートフォンのような直感的な操作が可能になったことが大きいです。

製品形態についてはこちらの記事を参照願います。

初期出荷のごく一部の製品で開封後、最初に電源を入れると英語の画面になる不具合があったようですので、該当する場合はコールセンターに連絡してください。

外観

旧機種と比較します。写真はA10シリーズのNW-A16ですが、外観および性能はA20シリーズとほぼ同じなのでA20シリーズとの比較として見てください。

外形寸法で見ると、高さがA20シリーズの109mmから97.3mmと約10mm短くなっています。

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幅はA20シリーズの43.6mmから54.8mmと約10mm大きくなっています。

スティック状のA20シリーズからずんぐりした安定した形になっています。

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厚さはA20シリーズの8.7mmから10.7mmと2mm厚くなっていますが、見た感じでは殆ど違いは分かりません。

重さはA20シリーズの66gから98gと1.5倍になっています。単3アルカリ電池4本分ぐらいの重さです。

A20シリーズと違い、デザインに金をかけていないことは一目瞭然ですが、単純な形だからこそ持ちやすくなっています。

大き過ぎず、小さ過ぎず、側面も丸くなっており、すんなり手のひらに収まる大きさです。手の小さい方にも持ちやすい大きさです。

底面はこのように左からノイズキャンセリングヘッドホン対応ヘッドホン端子、WM-PORT、ストラップホールとなっています。

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右側面はホールドスイッチ、戻し、再生、送り、ボリューム、電源の各ボタンが並びます。

電源ボタンはスマートフォンのスリープボタンと同じ機能です。

再生とボリュームの[+]に突起があり、手探りでの操作が可能です。

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MicroSDXCスロットは左側面にあります。対応MicroSDXCについては現状128GBまでとなっています。

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画面の明るさは両方とも中間にしているのですが色調が違うことが分かります。

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解像度はA20シリーズの320×240ドットから800×480ドットと約4倍の解像度となっています。

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性能比較

NW-A30シリーズとNW-A20シリーズのスペックの違いを見てみます。

追加/強化されたもの

  • 信号圧縮方式(音声圧縮形式)でのDSD(DSF、DSDIFFフォーマット対応)対応
  • タッチパネル搭載
  • Bluetooth標準規格がVer.3.0からVer.4.2に変更
  • 語学学習機能(再生スピードコントロール、A-Bリピート、クイックプレイ)
  • DCフェーズリニアライザー
  • ヘッドホン実用最大出力が10mmW+10mmWから35mmW+35mmWに変更

再生スピードコントロールはDPCとしてA20シリーズでも搭載されています。

削除されたもの

  • ビデオ、写真、ポッドキャストの再生機能
  • 著作権保護された楽曲の再生機能
  • 対応BluetoothプロファイルからOPP(Object Push Profile)を削除
  • Bluetooth対応コーデックからaptXを削除
  • 壁紙機能
  • 50音順並び替え(全曲/アルバム/アーティスト)
  • ジャケットサーチ
  • クリアステレオ
  • クリアベース
  • アラーム機能
  • 時計機能

イコライザーは仕様では抜けていますがA30シリーズにもプリセットはあります。

アラーム機能は削除されましたので、ウォークマンを目覚まし時計には使えなくなります。スリープタイマーは使えます。

最初に日付と時刻を設定する必要がありますが、以後、画面に表示されることはありませんのでスマートフォンのように時刻を知ることはできません。日付と時刻を設定するのは録音時のタイムスタンプで使用されるためと思われます。

著作権保護された楽曲の再生ができませんが、関係するのは古くからウォークマンを使っている方のみです。ハイレゾに関しては著作権保護された形での販売は当初から行われていませんので問題無く再生できます。

わざわざaptX対応をやめたのはLDAC推しのためと思われます。したがって、今後のSony製品でのaptX/aptX HD対応は消えたと考えてよいでしょう。

変更の無いもの

  • WM-PORT

WM-PORTとはウォークマンポートと呼ばれる本体下部の拡張端子の名称です。充電、パソコンからの転送、録音ケーブルでの録音、専用マイクを使っての録音、外部スピーカーへの接続などに使われます。

MicroUSBに変えるべきとの意見もありますが、AppleがLightningコネクターを標準とすることで周辺機器が揃っているように、WM-PORTも専用の周辺機器があります。今まで使っていた充電台やスピーカーなどはそのまま使えます。

また、USB Type-Cポートは、USB 3.1、Display Port、HDMI、Thunderbolt 3など同じ形状でいろいろな機器が使えるため利用者が何が使えるのか見極めが難しい状況です。更に、非適合の製品で装置が破壊される事象も発生しており、現状ではウォークマンなどカジュアルユーザー向けの製品に使う規格ではありません。非適合の周辺機器は普通にAmazonで販売されています。

PS VitaもMicroUSBになり、残るはウォークマンだけとなった特殊ケーブル(WM-PORT)です。最終的にはUSB Type-Cになると思われますが、まだ時間がかかりそうです。

操作性

取扱説明書はダウンロードできるようになりました。詳細な説明は「使い方(ヘルプガイド)」にあります。

ウォークマンには従来からの独自OSを搭載したモデルとAndroidにアプリとしてのWALKMANを載せたモデルがあります。

NW-A30シリーズはNW-WMシリーズ用に新たに開発されたOSを搭載しています。操作性は従来の独自OSのものに似ていますが、画面の解像度が上がったためユーザーインターフェースが若干変わっています。

従来の独自OSでは、OPTIONボタンでメニューを開き、十字ボタンで選択して再生ボタンで決定、BACKボタンでキャンセルでした。

新しいOSでは画面下部に常に4個のボタンが表示されており、その時に有効なボタンが明るく表示されます。

ボタンは左から、「バック」、「再生画面」、「ライブラリ」、「オプション/設定」となっています。

再生中に「オプション/設定」をタッチするとオーバーラップでメニューが表示されます。メニューを消すにはメニューの外をタッチするか「バック」をタッチします。

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また、再生画面の上下左右に画面が配置されておりフリックで切り替えます。

下にフリックすると上にある「ライブラリトップ」画面が、上にフリックすると下にある「各種音質設定」画面が、左にフリックすると右にある「ブックマークリスト」画面が表示されます。

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そして、右にフリックすると左にある「再生リスト」画面が表示されます。再生リストはA20シリーズと違いAAC、FLACなどの圧縮フォーマットが表示されるので通常音源とハイレゾ音源を区別し易くなっています。右端の「・・・」からブックマークまたはプレイリストへの登録が可能です。

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Bluetoothの項目に「リモコン設定」というものがあります。これは専用のリモコンRMT-NWS20を使うためのものです。

有線接続でハイレゾヘッドホンをつないだ場合、Bluetoothヘッドホンと違い再生/停止、音量調節などは本体でしか行えないため、手元で行えるようにするものです。クリップタイプやヘッドホンケーブルに付けるタイプのアタッチメントが付属しています。難点は基本的なコントロールしかできないのに約5,000円と高価なことです。

Bluetoothヘッドホンは「オーディオ機器接続/登録」で登録すればBluetoothヘッドホンで再生や送り、戻しの操作は可能です。

Bluetoothリモコンはそれとは別にリモコンを登録できるようです。

MDの時代はヘッドホンとリモコンが一体になっていましたが、ヘッドホンの種類が増えたことで予算と性能のバランスを考えてヘッドホンを自由に選べるようになりました。その一方で有線接続の場合はリモコンが使えなくなり本体で操作することになりました。

BluetoothリモコンはBluetoothヘッドホンのように単に再生/停止などをコントロールするだけではなく、楽曲情報なども見れるものを考えているのかもしれません。

現状では対応製品が出るのを待つしかありません。

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画面上部に「050」とありますが、これは音量で0~120までで細かく設定できるようになりました。

Bluetoothヘッドホンを接続している場合は+/-だけが表示されますが、Bluetoothヘッドホンの音量をA30シリーズのボタンでコントロールできます。

設定画面を開いた時に上部に表示される4個のボタンは「クイック設定ボタン」と言い、左から「明るさ」、「ノイズキャンセル」、「Bluetoothオーディオ」、「Bluetoothリモコン」のオン/オフを設定できます。

スマートフォンのような一括でオフにするフライトモードはありません。

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基本操作は従来の独自OSを拡張したものになっています。

昔からウォークマンを使っている人は戸惑うと思いますが、慣れれば直感で操作できます。

なお、リセットボタンは無くなっています。暴走した場合は電源ボタンを8秒以上押し続けて再起動させます。

音質

音質はNW-A10でハイレゾに対応したことで既に完成の域に達しています。

ハイレゾとは通常、人の耳では聴こえない音をデジタルで再現する技術なので、本当に違いが判る人にしか分かりません。

S-MASTER HXやDSEE HXなど高音質化技術が満載ですが、A30シリーズはもっとカジュアルに音楽を楽しむ製品です。

EXTRA BASSシリーズのヘッドホンを買ってみたのですが何か物足りないのです。確かに重低音は他のヘッドホンより良くなっているのですが全体的に平坦な感じです。

最近のヘッドホンの特性を見てみると忠実に再現することを目指しているようで低域から広域までフラットに伸びています。

人によって心地よい音の帯域は違うため、本当に必要なのは忠実な再現ではなく、その人に合った特性での再生です。

A30シリーズは再生画面を上にフリックすると5種類の音質調整パネルが現れます。

  • イコライザー
  • DSEE HX
  • DCフェーズリニアライザー
  • VPT(サラウンド)
  • ダイナミックノーマライザー

特にイコライザーはプリセットの他に60Hz、400Hz、1KHz、2.5KHz、6.3KHz、16KHzの各帯域で+/-10段階で調整できます。それもタッチパネルが使えるので直感的な操作が可能です。

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これらの設定で自分にとって心地よい音質に調整するのがA30シリーズの聴き方でしょう。

なお、A20シリーズではハイレゾ楽曲で音質設定をするとダウンサンプリングされてノーマル音声になっていたのですが、こちらのページを見るとA30シリーズではそのようなことは無いようです。

その代償として音質設定を使うと消費電力が大幅に増加し、約70%持続時間が短くなるとのことです。

語学学習機能

語学学習機能はライブラリトップ画面の上部にある「ABC」とあるボタンから移動します。なお、左のボタンはFMラジオ、右のボタンは録音です。

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語学学習機能が楽曲と違うのは、再生画面を見ると一目瞭然です。

再生速度は「遅く」は0.05倍刻みで0.5倍まで、「速く」は0.1倍刻みで2.0倍まで調整可能です。

資格試験などの通信講座は何十枚ものCDを何回も繰り返し聞く必要があります。そのため再生速度を上げて聞くのですが、講師の発声状態が良ければ再生速度を更に上げられるため、0.1倍刻みで設定できるのは便利です。

あとは、A-B間リピート、10秒戻り、3秒戻り、5秒スキップです。

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ソフトウェアからの転送

A30シリーズは単体では楽曲を追加することはできません。A30シリーズには通信機能がありませんのでmoraから直接購入してダウンロードすることなどはできません。必ずパソコンから転送する必要があります。

転送用のソフトとしてはMedia Goが推奨されています。

x-アプリも利用は可能ですが制限があります。

x-アプリにA30シリーズを接続すると著作権保護機能の無い機種として認識され、「そのまま転送」モードとなります。

x-アプリからA30シリーズに楽曲を転送すると、CDから録音したATRACやAACフォーマットの楽曲やmoraから購入したAACやFLACの楽曲はファイルとしてそのまま転送されます。

プレイリストからも転送できるのですが、転送しているのは楽曲だけでプレイリスト自体は転送されません。したがって、プレイリストを使いたい場合はMedia Goへの移行が必要です。

移行方法はこちらに説明があります。

x-アプリとMedia Goを両方ともインストールしてライブラリーを共有しながら運用することも可能です。ただし、両方のアプリから転送すると2重に転送されます。

理由は、トラック番号をMedia Goは3桁、x-アプリは2桁で管理しているため、転送先のフォルダーが同じでも転送時の楽曲ファイル名が異なってしまうためです。やはりどちらか一方を使うべきでしょう。

また、A30シリーズから語学学習機能が分離されました。これはMedia Goでのライブラリとしての管理も分離されています。

A30シリーズでは楽曲は「MUSIC」フォルダーに、語学学習は「LEARNING」フォルダーに保存されます。

通信教育などのCDを録音したものは、今後は楽曲ではなく語学学習として管理した方が便利です。

おまけ機能

従来の機種では初期化するとサンプル楽曲なども含めてすべて初期化されてしまうため、元に戻すにはバックアップを取っておく必要がありました。

A30シリーズには「工場出荷時の状態に戻す」という機能が搭載されました。これはサンプルコンテンツやパソコンソフトなども含めて工場出荷状態に復元できる機能です。処分するときは役に立つでしょう。

残念な点

残念ながらA30シリーズは満点とは言えない部分もあります。

タッチパネルの反応が若干遅い

これは新しいOSであるため、まだ最適化ができていないことと、Xperiaを作っているSonyであることからAndroidと同じ感度のタッチパネルを使っていることが原因と考えられます。

上位機種と共通のOSであるため今後最適化が進めば改善される可能性はあります。

(2017/3/1 追記)

ファームウェア・バージョン1.10への更新で改善されました。

実際に更新してみると若干改善しているようなのですがiPhoneと比べるとまだまだに思えます。

Bluetoothオーディオ機器の音量調節

BluetoothヘッドホンやBluetoothスピーカーは殆どが電子ボリュームとなっていますが、最低音量でも大きく感じるときがあります。iPhoneなどはBluetooth機器への出力を調節できるので最低音量以下に調節できます。

A30シリーズのボリュームはBluetooth機器のボリュームを直接コントロールするタイプのためBluetooth機器の最低音量以下には下げることができません。

そのため環境音楽として流している場合に五月蠅く感じることがありました。

ケースの成型にやや難あり

A30シリーズはA20シリーズのように押し出し成型された金属ケースではありません。

前面と左右で1枚、裏面と上下で1枚、それぞれの金属板をコの字型に曲げて組み合わせた構造です。ネジは1箇所も無く接着での組み立てです。

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これは右上の電源ボタン付近の裏面ですが、若干、尖った部分があります。ケガをするほどではないのですが、何かにぶつけると、ぶつけられた方が傷付くレベルです。

店頭で展示品を確認したところ、本体色によって全く問題のないものもあるのでロットによる違いのようです。写真と同じ色のものは展示品も尖っていました。

毎日使うものですから、入手したものの成型が悪くて気になるようなら交換してもらった方がよいでしょう。

ケースを着けて使えば問題無いのですが、現状ではSonyの純正品しかありません。液晶画面以外はキズが目立たない加工なので、ケースが出揃うのを待ってもよいでしょう。

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また、表面のWマークとSONYのメーカー名はこの部分だけ残してエッチングしたものですが、角が鋭利になっています。

液晶保護シートを貼るためにアルコールで拭くシートが、この部分で裂けて拭くどころか繊維を画面に付けてしまいます。この部分に触らないようにして拭く必要があります。

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まとめ

A30シリーズは非常によくまとまった製品です。

旧機種では画面にタッチしても動作せず、十字キーで操作する機種だったとやり直すことがありましたが、A30シリーズではスマートフォンと同じ感覚で操作できます。

大きさも、ちょうど手のひらに収まり、これからの季節、ポケットに入れたままでも側面ボタンを使って操作可能です。

タッチパネルの反応が若干遅い点は残念ですが、慣れと今後の改善に期待しましょう。

音質については店頭のデモ機を使って自分の耳で確かめてください。

投げているように思えるかもしれませんが、ハイレゾに関しては聴こえ方ではなく、そもそも人によって聴こえる聴こえないの問題があるのです。そのためどんなに言葉で飾っても聴こえない人には嘘にしか聞こえません。したがって自分の耳で確認してもらうしかないのです。

実際に聴いてみて物足りないようなら、既に上位機種のNW-WMシリーズも展示されているので聴き比べてみるとよいでしょう。

 

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