旧タイプのWALKMAN A860シリーズを使っていましたが容量が心もとなくなったので、ハイレゾは聴きませんが新しいWALKMAN A10に移行しました。
AAC 320Kbpsの楽曲でも音が良くなっているのは実感できますので、新しいNW-A20シリーズが出た今こそ、型落ち品がお買い得です。
製品仕様
製品についてはこちらのサイトに詳しく掲載されています。
- NW-A10シリーズ(SONY)
従来のNW-A860シリーズと異なりタッチパネルからボタン操作に変わりました。大きな違いはハイレゾ対応の回路が搭載され、ハイレゾ楽曲が聴けるようになったことです。
ただし、付属のヘッドホンがハイレゾ対応ではないので、別途ハイレゾヘッドホンを用意しないとハイレゾの音質では聴けません。
この点がNW-A10シリーズのコンセプト的な失敗です。今年発表になったNW-A20HNシリーズはハイレゾヘッドホンが添付されていますので、別途購入しなくてもすぐにハイレゾ楽曲が聴けます。
ハイレゾ楽曲のフォーマットはいろいろありますが、DSDには対応していないとのことです。詳細は製品仕様で確認してください。
外観
以下、NW-A860シリーズとNW-A10シリーズを写真で比較していきます。
タッチパネルからボタン操作に変わったことで画面が小さくなっても、ボタンのエリアが増えた分縦長になっています。
再生/停止、早送り、巻き戻りのボタンは表面だけで側面にはありません。HOLDスイッチの横はMicroSDXCカードのソケットです。
背面は新たにNFCでのBluetoothヘッドホンとのペアリングに対応しています。
底面はストラップホール、WALKMAN PORT、NC対応ヘッドホンジャックと変わっていません。WALKMAN PORTは従来の周辺機器が使えます。
時刻設定は、従来はPCと接続することで自動調整されましたが、その機能は省かれました。
日時時刻設定画面ですが、殆ど同じです。
この画面で「年」を選択して「上」ボタンを押すと、2016になります。タッチ操作なら上にフリックするので2016になるのは分かるのですが、ボタン操作では2014になるのが普通です。どうもソフトの改修が中途半端なようです。
BACK/HOME、OPTION/PWR OFFボタンは、前面の画面直下にあります。
そのためボタンを押すときに指の爪が画面に当たって画面を傷付けてしまいます。タッチパネルではありませんが液晶画面保護シートは貼っておいた方がよいでしょう。
これらのボタンと上下左右ボタン、再生/停止ボタンすべてがデザインを優先するため殆ど出っ張っていませんので指の腹で識別し難くなっています。
ポケットに入れたまま左右のボタンを押すのは難しいです。
音質
私はハイレゾと従来音源の違いが聴き分けられませんのでAAC 320Kbpsでの話となります。
NW-A860シリーズで聴いている楽曲をx-アプリでNW-A10シリーズに転送してデフォルトの設定のまま聴いてみました。
確かに高音がよく出ているのですが、何となくざらついた感じがしました。
ハイレゾ相当にアップスケーリングするというDSEE HXをオンにしたところ格段に音質が良くなり、ざらついた感じが無くなりました。
- DSEE HX(SONY)
では、NW-A860シリーズと比較するとどうなのかと聴き比べてみました。
イコライザーやDSEE HXなどすべての音質効果を切って比較すると、NW-A10シリーズの方が音が悪いのです。正確には高音は出ているのですがざらついて耳障りな音なのです。
DSEE HXだけオンにして比較すると、ほぼ同じような音質に聴こえました。
ハイレゾWALKMANで従来音源を聴いてはいけない
理由を考えてみました。
AAC 320Kbpsが(1)の青い波形だとすると、ヘッドホンに出力する段階で滑らかな波形にするためフィルターを通して赤い波形にします。
ハイレゾの場合、より高い周波数で変化する波形ですので(2)の青い波形だとすると、(1)と同じフィルターでは応答速度が遅いのでより高速に対応するフィルターを通して(2)の赤い波形で出力します。
そのため、AAC 320Kbpsをハイレゾ対応のフィルターを通すと(3)の赤い波形となってしまいます。これは(1)の赤い波形とは明らかに異なり音質の違いとなります。
AAC 320KbpsをDSEE HXを使ってアップスケーリングすることで(4)の青い波形となり、これをハイレゾ用のフィルターを通すことで赤い波形となります。これは(1)に近い波形となります。
このことから、従来のAAC 320Kbpsなどの圧縮音源とハイレゾ音源の違いを聴き比べるには、ハイレゾWALKMANで聴き比べてはならないことが分かります。
DSEE HXは強力な機能ですが、これを使わないと従来の音源は、ハイレゾ非対応WALKMANより音が悪くなってしまうことになります。
(1)の波形と(4)の波形の違いだけなら、従来の圧縮音源しか聞かない場合は買い替える必要は無いように思えます。
ただし、失われた情報をフィルターで誤魔化すのと、DSEE HXで推測して再現するのとでは、DSEE HXの方が音質が良くなっていることが私でも分かります。
新機種
NW-A10シリーズは2014年10月発売です。そして2015年10月には後継機が発売されます。
- ソニー、ハイレゾ+NC併用できるウォークマン「NW-A20HN」(AV Watch)
- おしゃれなハイレゾ、始めました――ソニーから新ウォークマン「A20シリーズ」と新ヘッドフォンシリーズ「h.ear」登場(ITmedia)
改良された点はハイレゾ再生にもNC(ノイズキャンセリング)が使えるようになった点です。それに伴い8,000円の価格アップでNC対応ハイレゾヘッドホンが付属したモデルNW-A25/26/27HNが発売になりました。このヘッドホンは単品で12,000円ですのでセットで買うと少し割安になります。
従来のハイレゾに対応しないNCヘッドホンが付属したモデルNW-A25も併売されます。
NCは外部のノイズをマイクで拾って反対の位相で音楽に合成することでノイズを打ち消す技術です。それでもノイズが鼓膜の届くまでの遅延や強さの違いを正確に合わせることはできず、完全に打ち消すことはできません。
NCとは音楽にわざとノイズを混ぜ込む技術なので、より良い音を聴くというハイレゾの趣旨とは合わない気がします。また、NCを有効にするとバッテリーの消耗が早くなります。
他に変わった点は部品を洗練することで音質がアップしたとのことです。外観は全く変わっていません。
(2015/10/14追記)
ファームVer.1.20でハイレゾNCが使えるようになりました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
バッテリー内蔵のモバイル機器はどうしても3年ぐらいで寿命となります。
また、Apple製品と違い、SONY製品の型落ち品は大きく値段が下がります。
ヨドバシカメラで見たところNW-A10シリーズとNW-A20シリーズの差は15,000円ほどでした。
古いWALKMANを使っていて、NW-A20シリーズの機能を必要としないなら、NW-A10シリーズは新機種が出る今こそ型落ち品として買い時でしょう。
なお、x-アプリがバージョンアップされWindows 10に対応しました。
- ソニー、「x-アプリ」がウォークマンZX100/A20やWindows 10に対応(AV Watch)
- x-アプリ(SONY)
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