サイトを移転させたことにより、元のサイトに向かうトラフィックを新しいサイトに向ける必要があるわけですが、その参考になりそうな本がもう1冊あるので紹介します。
ブログ運営の一般的な参考書とは少し違う
まず、ブログ運営で参考にするとすれば、プロブロガーが書いた本でしょう。
私は技術屋ですので、営業が取って来る注文に合った製品を設計し期日までにスペックを満たすES(エンジニアリングサンプル)を納品し、問題が無ければ量産の手続きを行うということをしていました。技術者とはモノ作りのプロですが、顧客を獲得できなければ仕事ができないことになります。
サイトを運営するということは、営業のやっていた顧客を探すことに近く、プロブロガーの本も読んでいるうちにマーケティングに近いことがわかってきました。
一般的にビジネス書籍は成功体験が多く、それも試行錯誤の結果によるため、ほとんどの場合読み手の状況や社会環境と合わず、同じ結果とならないことが多々あります。
そんな中でこの書籍は、もっと基本的な部分からサイト運営というものについて解説されているのでとても参考になります。
- 現場のプロがやさしく書いた Webサイト運営・プロデュースの教科書(マイナビBOOKS)
著者の一人の松尾 茂起 氏は有名な「賢威」の作者です。
構成
本書の構成は以下のようになっています。ブログではなく企業サイトの運営について書かれたものですがブログにも当てはまる項目があります。
- Chapter1 コンテンツ編
- Chapter2 デザイン編
- Chapter3 SEO編
- Chapter4 Web広告編
- Chapter5 ソーシャルメディア編
- Chapter6 効果測定編
- Chapter7 クラウド編
- Chapter8 ジャンル選定編
- Chapter9 コンテンツの中立性公平性編
Chapter1 コンテンツ編ではネットにおける集客についての基本概念について知ることができます。情報がどのように拡散するか、時間の経過とともに拡散経路がどのように変化するかなどについて解説されています。
Chapter2 デザイン編では集客とデザインについて述べられていますが、企業のサイトのように専門家がデザインするような方法について述べられており、WordPressのように、配布されているテンプレートから選んで使うような用途ではあまり参考にならないようです。
Chapter3 SEO編ではSEOという手段ではなく、どのようなコンテンツを作成し、結果としてSEOに結び付けるか、また公開や告知についての簡単なさわりの部分が書かれています。
Chapter4 Web広告編では広告を出す側の話なのでブログなどでは関係のない話です。
Chapter5 ソーシャルメディア編ではソーシャルメディアを使ったマーケティングについて述べられています。ソーシャルメディアを使ってユーザーと良好な関係を築くことで集客につなげるということですが、掲示板やコメント機能で活発にユーザーと係わっているサイトでは参考になるでしょう。
Chapter6 効果測定編ではGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleでの効果測定について簡単に述べられています。
Chapter7 クラウド編ではクラウドサービスの導入について書かれていますが、サイト運営に直接は関係ありません。
Chapter8 ジャンル選定編ではGoogleやYahooのキーワードツールの使い方とマーケットの分析方法について述べられています。キーワード選定はサイト運営でも使えるかもしれませんが、商売をするのでなければマーケット分析は関係ないでしょう。
Chapter9 コンテンツの中立性公平性編では良い点だけを書くことの問題点について述べられています。
参考になった点
全体的にマーケティングということで技術屋から見ると新鮮なのですが、記事を書く上で念頭に置いておかなければならない点など勉強になりました。
- Chapter1 コンテンツ編
- Chapter3 SEO編
- Chapter5 ソーシャルメディア編
- Chapter9 コンテンツの中立性公平性編
これらのChapterは役に立ちました。
キュレーションサービスは表面だけ引用されて内容が誤認されてまとめられたことがあり、あまりよい印象がありませんでしたが、インフルエンサーとともに情報の拡散では強力な助っ人となることが理解できました。
ある本ではタイトルを変更することはSEO的によくないと書かれていたため、そのままにしていましたが、タイトルは時間の経過とともにSEO的な意味合いから内容に合ったわかりやすいものに変えていく方がよいこともわかりました。実際タイトルを変えても検索順位が大きく下がるようなことはありませんでした。
Chapter5 ソーシャルメディア編には
「いいね!」は内容が気に入ったのではなく、関係を築くための社会的なシグナル
という記述があり、アクセスが多い記事でも「いいね!」してもらえない理由がなんとなくわかりました。
その他にも沢山参考になることが書かれています。
この書籍はサイトを運営しながら納得するまで読み返してみる方がよいかもしれません。
- 現場のプロがやさしく書いた Webサイト運営・プロデュースの教科書(BOOK☆WALKER)
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