ブルースクリーンの発生により、リリースが4月30日まで遅れたWindows 10 バージョン1803ですが、Build 17134.5ではChromeに関するバグが、Build 17134.48でも起動しなくなるバグが発生しています。
急いでないなら、アップデートは検討した方が良いかもしれません。
Windows 10 バージョン17134.1
Windows 10 バージョン1803はBuild 17133.1が「Windows 10 Spring Creators Update」として4月中旬にはリリースされる予定でした。
ところが、BSOD(Blue Screen of Death)が特定の条件で発生することが分かり、累積更新プログラムでは対応できず、急遽、Build 17134.1を再ビルドして、これをWindows 10 バージョン1803としてリリースすることとしました。
再ビルドは4月9日ですので検証などを考えるとリリースは5月にずれ込むことは明白でした。しかし、どうしても4月中にリリースする必要があったのです。
それは、このようにWindows 10 バージョン1803は「Spring Creators Update」ではなく、「4月の更新プログラム」すなわち「April 2018 Update」という名前に決まっていたからです。
結果的に、4月30日のリリースに間に合わせ、名前も「April 2018 Update」と発表することができました。
Build 17134.5、Build 17134.48
Windows 10 Build 17134.1にも、バグが残っており、4月16日にFast ringにリリースされた後、KB4135051という累積更新プログラムがWindows Insider Program向けに配信されていました。
ところが、4月30日に一般向けにリリースされたWindows 10 バージョン1803向けにはKB4135051は配信されませんでした。
理由は、Choromeがフリーズするなどのバグが発覚していたためです。
一方、既に利用が確認されている脆弱性の修正も必要なため、5月8日にKB4103721が配信されました。
しかし、この更新プログラムでは新たなバグの発生が確認されました。
- Windows 10“April Update 2018”の修正パッチで起動不能問題発生か(PC Watch)
- 「Windows 10」春のアップデート後のChrome不具合対応「KB4103721」に不具合か(ITmedia)
不具合は有っても、既に悪用されている脆弱性の修正も必要なため、KB4103721をアンインストールするのは得策ではありません。
特定のIntel SSDでの問題
更にIntel SSDの特定の機種でクラッシュする問題も発覚したようです。
これは更新プログラムではなく、Windows 10 バージョン1803にアップデートすると、特定のSSD(M.2タイプのIntel SSD 600p/SSD Pro 6000p)を搭載したシステムではクラッシュするとのことです。
現在はこのSSDを搭載したシステムには「Windows 10 バージョン1803の機能更新プログラム」の配信を止めているそうです。
既にアップデートしてしまった場合はWindows 10 バージョン1709に戻すようにとのことですが、配信から10日以上経っていますので場合によってはクリーンインストールが必要でしょう。
(2018/5/28 追記)
KB4100403でこの問題が修正され、OSビルドは17134.81になるそうです。
- Windows 10 April Update 2018で発生していたIntel製SSDの不具合向けアップデートが提供(PC Watch)
- May 23, 2018—KB4100403 (OS Build 17134.81)(Microsoft)
ただ、KB4100403は私の環境には配信されていないので、問題がある環境だけの配信なのかもしれません。
どうすべきか
Windows 10は新機能の追加、既存機能の改善/改悪、バグの修正を常に行っていますので、安定することはありません。
ただし、新しいバージョンは非常に不安定で、直前のバージョンは非常に安定していることは確かです。
したがって、まだ、アップデートしていないなら「試しに」などと考えずアップデートを待ってください。
一般リリースとは上図のように「半期チャネル(ターゲット指定)」の基準にしか達していない安定度です。
この「半期チャネル(ターゲット指定)」の「ターゲット」とはWindows 10 Homeを使うユーザー、および、設定を切り変えられることを知らないWindows 10 Proユーザーです。
そして「半期チャネル」の安定度とは、企業での利用が可能な安定度です。
したがって「半期チャネル(ターゲット指定)」の安定度から「半期チャネル」の安定度に達するまでに行われているのは「ターゲット」を使った品質改善テストです。
そのため、今回のような不具合が発生しなくとも、リリース直後はアップデートすべきではないのです。品質改善テストの人柱に成りたくなければ。
いつまで待てばよいかというと、品質改善テストが終わる4か月後、8月下旬あたりが良いでしょう。
既にアップデートして、KB4103721がインストールされた場合は、そのまま様子を見てください。
KB4103721をアンインストールしても、Microsoftが配信を停止していませんのでブロックしない限り、またインストールされてしまいます。そして既に悪用されている脆弱性による危険にさらされることにもなります。
その他の症状
Windows 10が起動できない問題ではありませんが、KB4103721を適用した私の環境で起きた問題と対策を記しておきます。
Bluetoothの異常
突然、Bluetoothマウスが使えなくなりました。
デバイスマネージャーを見ると、Bluetooth関連のドライバーが表示されたり消えたりを繰り返していました。
対策としては、ネットワークから切断してBluetoothドライバーをすべてアンインストールして再インストールしたところ直りました。
有線LANの異常
突然、ネットワークにアクセスできなくなりました。
デバイスマネージャーを見ると有線LANが消えていました。再検索させても表示されません。デバイス自体が消える場合はドライバーの問題ではありません。
有線LANコネクターを見るとLEDは点滅しているので壊れているわけでは無いようです。
シャットダウンして、少し時間をおいて再度起動させましたが直りません。デバイスがおかしくなった場合は電源を切るとリセットされて直る場合があります。
有線LANはシャットダウンでは電源が切れないためのようなので、ACケーブルを外して、少し時間をおいてから再度起動させたところ直りました。
まとめ
Windows 10 バージョン1803は、やはり無理して4月に間に合わせた影響が出ているようです。
まだ、アップデートしていないなら、アップデートは待った方がよいでしょう。
既にアップデートしたなら、最新の更新プログラムを適用してください。そして、アプリケーションを使う場合は、いつ問題が発生しても対処できるように、細目にセーブしてください。
コメント
先日、『Windows 10 更新プログラム「KB4023057」の対処法(改訂版) 』を行いました。
その後、『「Windows 10 バージョン1809の機能更新プログラム」をブロックする方法(更新)』、
『Windows 10 バージョン1607以降で自動再起動を止める方法(一般向け)』と立て続けに参考にさせていただきました。
この記事を読んでふと思ったのですが、現在はPro(x64)1803ですが1809に上げたほうがいいのでしょうか?
コメントを頂きありがとうございます。
Windows 10のサポート期間は18か月ですので、それを踏まえてアップデートは計画的に行った方がよいと思います。
実際のところは18か月以降も更新プログラムは提供されていますので、いつまでアップデートしなくても使い続けられるのかは分かりません。
アップデートするならお勧めは秋のアップデートが安定した今の時期です。すなわち1809へのアップデートです。
Windows 10は、春の大型アップデートで大きな変更を行い、秋の大型アップデートでその変更の改良またはバグ修正を行っているようです。
そのため節目ごとの完成版となるのはバージョンXX09ということになります。