ハイレゾ入門機であるWALKMAN Aシリーズの新型が10月6日に発売されます。
A40シリーズではUSB DACとしても使えましたが、A50シリーズは「Bluetoothレシーバー機能」を搭載し、Bluetooth DACとでも呼べるものとなりました。
ウォークマンA50シリーズ
ソニーのハイレゾ入門機であるウォークマンAシリーズの新機種が2018年10月6日に発売となります。
- ソニー、筐体刷新で低音強化の新ウォークマン「A50」。スマホからBluetooth受信(AV Watch)
- プレスリリース(Sony)
- ウォークマンA50シリーズ製品情報(Sony)
販売形態は5種類で、
- NW-A55:16GB、本体のみ、5色、約22,000円
- NW-A55HN:16GB、ノイズキャンセリング・ハイレゾ対応専用ヘッドホン付属、5色、約29,000円
- NW-A56HN:32GB、ノイズキャンセリング・ハイレゾ対応専用ヘッドホン付属、5色、約34,000円
- NW-A55W:16GB、ワイヤレスステレオヘッドセット(WI-H700)付属、5色、約40,000円
- NW-A57:64GB、本体のみ、ブラックのみ、約37,000円
となっています。
色は、左から、トワイライトレッド、ペールゴールド、グレイッシュブラック、ムーンリットブルー、ホライズングリーンとなっています。
ウォークマンA40シリーズからの変更点
NW-A40シリーズから、いくつかの変更点があります。
ボディの変更
A30、A40シリーズはアルミ板を「コ」の字に折り曲げて組み合わせたような非常に安っぽいボディでした。私の購入したNW-A35など成型不良なのか角が尖った状態でした。
A50シリーズではZX300シリーズのような「削り出しアルミキャビネット」に変更されています。
そのため角が無く、持った時の感触が良くなっています。
また、側面ボタンも大きくなり操作し易くなっています。
オレンジがNW-A40シリーズ、ブルーがNW-A50シリーズです。
プロセッサーの改良
通常音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」機能にAI技術を搭載したことで高音域での性能がアップしたとのことです。
また、新開発の「バイナリプロセッサー」によりアナログレコード特有の音色などをDSP技術で再現できるようになったとのことです。
対応フォーマット
種類に変更はありませんが、FLAC、WAV、Apple Lossless、AIFFについては対応サンプリング周波数が192KHzから384KHzに上がっています。
Bluetoothレシーバー機能
A40シリーズにはウォークマンをUSB DACとして使う機能が搭載されていましたが、A50シリーズにはそれに加えて、Bluetoothを利用したBluetooth DACとでも呼ぶべき機能が搭載されています。
簡単に言えばウォークマンをBluetoothヘッドホンとして使用する機能です。
受信時に使えるコーデックはSBC、AAC、LDACです。
なお、送信時(Bluetoothヘッドホンを使う時)に使えるコーデックはSBC、aptX、aptX HD、LDACとなっており、受信時と送信時で使えるコーデックが異なります。
aptx、aptX HDが送信で使えて受信で使えないはずはありませんので、LDACを普及させるためのSonyの戦略による制限と考えられます。
注目機能「Bluetoothレシーバー機能」
今回の一番の目玉機能は「Bluetoothレシーバー機能」でしょう。
音楽を聴く場合、従来はウォークマンなどの音楽プレーヤーで聴くのが一般的でしたが、ハイレゾと定額音楽配信サービスの普及により二極化してしまいました。
すなわち、ハイレゾなど高音質で音楽を楽しむ層はWM1シリーズやZXシリーズに代表される高級機に、カジュアルに定額音楽配信サービスを楽しむ層はスマートフォンに、二極化したということです。
そのためウォークマンAシリーズやSシリーズなどの普及製品にいくら高音質技術を搭載しても売れなくなってしまいました。
対策としてウォークマンA40シリーズではUSB DAC機能を搭載しました。これは「どこでも気軽に音楽を聴ける」というウォークマンの基本コンセプトから外れていますが、PCにUSB接続することでウォークマンの高音質技術を活かすことができました。
ウォークマンA50シリーズでは、更に進めて定額音楽配信サービスを利用するスマートフォンユーザーを取り込もうとしています。
定額音楽配信サービスは、どんなスマートフォンでも聴ける反面、専用のアプリでしか再生できないという制限があります。
自分の好みに音質を変えたいとか、更に高音質で聴きたいと思っても専用アプリにその機能が搭載されていなければ諦めるしかありません。
そこでウォークマンA50シリーズに搭載された「Bluetoothレシーバー機能」を使ってスマートフォンとBluetooth接続することで、ウォークマンA50シリーズはBluetoothヘッドホンとして機能します。
この時、ウォークマンA50シリーズに搭載された「DSEE HX」、「クリアオーディオプラス」、「イコライザー」、「VPT」、「バイナリープロセッサー」などが使えるため、定額音楽配信サービスの楽曲を自分好みに調節したり、より高音質で聴くことができます。
接続できるコーデックはSBC、AAC、LDACの3種類です。
音楽を聴けるスマートフォンは必ずSBCには対応しています。
そしてiPhoneの場合はAACで接続します。
Sonyのショールームでは展示が始まっており、これはiPhone 7 Plusから接続した画面です。AACで接続しているのが確認できます。
対応プロトコルではLDACが一番高音質で送信できるのですが、LDACはSonyの独自プロトコルですので、現状で使えるのはXperiaぐらいでしょう。
実際に聴いてみると結構広い範囲で音質を調整できます。音楽は同じ楽曲でも、その日の気分で音質を変えてみたいことがあるのですが、この機能は意外と使えるように思えました。
A40シリーズのアップデートは無し
今回ウォークマンA50シリーズで搭載された「Bluetoothレシーバー機能」と「バイナリープロセッサー」は、WM1シリーズとZXシリーズではアップデートで対応するそうです。
しかし、A40シリーズのアップデートについては何も発表がありません。
どうもベースのソフトウェアは同じでもA50シリーズのプロセッサーはA40シリーズより性能が上がっていて、A40シリーズはソフトウェアのアップデートに対応できない可能性があります。
また、対応サンプリング周波数が上がったのもプロセッサーの性能向上によるものと考えられます。
A40シリーズとA50シリーズのどちらを買うべきか
A50シリーズが発売されたため、A40シリーズの在庫処分が始まっています。
あまり違いが無いなら値段の下がったA40シリーズの方がお得でしょうが、個人的にはA50シリーズをお勧めします。
理由はプロセッサー性能の向上です。
どうもウォークマンシリーズはスペックぎりぎりのプロセッサーを使用しているようで、操作状況によっては暴走します。いきなり再起動するか、操作できなくなり裏面の穴からリセットすることになります。
有線のヘッドホンを使っている場合はそれほどでもないのですが、Bluetoothヘッドホンを使っていて曲送り、曲戻しを繰り返していると暴走します。
その他にも「Bluetoothレシーバー機能」は使ってみると音質を調整できることのメリットを実感できると思います。
A40シリーズもすぐには売り切れませんので、値段と自分の聴き方をよく考えて検討してみてください。
まとめ
写真で見た外観はウォークマンA40シリーズとあまり変わりは無いのですが、内部的には結構変わっています。
「定額音楽配信サービス」を聴いていて音質に不満があるなら、検討してみるとよいでしょう。
コメント
Media Goに関する記事にもコメントさせて頂いた者です。
単刀直入に管理人さんにお聞きしたいのですが、
このシリーズのウォークマンのタッチパネルの操作の上達方法を教えて下さい。
というのも私のウォークマンを母親に触らせる事もあるのですが、
購入から一年以上経過しているにも関わらず、一向に上達する気配が見えません。
具体的に言うと、スクロールの操作の時に、画面をタップしてしまう癖があります。
スクロールが出来ないのですから、おのずと最初の曲しか選曲出来ません。
最近では「私にはウォークマンは扱えない」等と開き直っており困っています。
スクロールを上達させる何か良い方法があったら教えて下さい。
Media Goの件と合わせて返信をお待ちしております。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご対応のほどよろしくお願いします。
コメントを頂きありがとうございます。
申し訳御座いませんが、年をとられた方などタッチ操作が苦手な方は多いようです。
スマートフォンなどではアクセシビリティやユーザー補助で、タップとフリックの判定時間などを調節できるのですが、WALKMANではそのようなユーザビリティーを考慮した機能はありません。
そのため、タッチ操作が苦手な方は物理ボタンで操作するSシリーズなどを利用した方がよいと思います。
または調節できることは少ないですがAndroid搭載のA100シリーズなどを使うかという選択となります。
なお、コメントは一部削除させて頂きました。