以前からショールームや店頭でハイレゾが聴こえるかを試しているのですが、どうもよくわかりません。
いつも聴いている楽曲ではないからかもしれないと思って環境を揃えることにしました。
ここではファームのアップデートで最新機種とほぼ同じになったWALKMAN NW-A16とハイレゾ対応NCヘッドホンMDR-NW750Nでの試聴結果と注意点について記します。
MDR-NW750N
WALKMAN A10シリーズは安価でもハイレゾに対応したことで話題になりましたが、内蔵されたノイズキャンセリング機能(NC機能)は圧縮音源でしか使えず、ハイレゾ対応ノイズキャンセリングヘッドホンも発売されていませんでした。
1年後に新しくハイレゾでのノイズキャンセリングに対応したWALKMAN A20シリーズが発売となり、標準でハイレゾ対応ノイズキャンセリングヘッドホンが付属するようになりました。(圧縮音源に対応したノイズキャンセリングヘッドホンが付属する安価なモデルもあります)
少し遅れてWALKMAN A10シリーズもハイレゾ対応ノイズキャンセリングがファームのアップデートで利用できるようになり、新たに発売されたMDR-NW750Nを使うことで、新しいWALKMAN A20シリーズと同等にすることができるようになりました。
以前から何回かソニービルや量販店の店頭で試聴してみても、圧縮音源とハイレゾ音源の違いがよく分かりませんでした。
そこで、ファームをアップデートしたWALKMAN A16にMDR-NW750Nを接続して、いつも聴いているジャンルの楽曲で確認してみることにしました。
- MDR-NW750N(Sony)
MDR-NW750NはWALKMAN専用の5極プラグとなっているため対応するWALKMAN以外では使えません。
買う段階で気付いたのですが、MDR-NW750NではWALKMAN Aシリーズ本体のカラーに合わせることができません。
WALKMAN A10シリーズはローズピンク、シルバー、ブルー、ブラックの4色ですが、MDR-NW750Nはブラックとホワイトの2色しかありません。
まだWALKMAN Aシリーズを持っておらず、カラーコーディネートを考えるなら、WALKMAN A20シリーズを買った方がよいでしょう。WALKMAN A20シリーズは本体カラーと同じカラーのヘッドホンが付属します。
外箱はこのような感じです。
内箱は高級っぽく作られています。
付属品はサイズの異なるイヤーピースとケーブルを服に止めるクリップおよび説明書です。
イヤーピースはS、M、Lが付いています。従来はヘッドホンに取り付ける部分の色でサイズを見分けられましたが、このイヤーピースは傘の周辺部の凸部の数で見分ける必要があります。
WALKMANの設定による出力音質
MDR-NW750NをWALKMAN Aシリーズで使うには「各種設定」から「ヘッドホン選択」を選択して「MDR-NW750N/NE」に設定する必要があります。この設定によりノイズキャンセリング効果が最適になるように自動調整されるとのことです。
ところがこの設定をすると「設定できません。DSEE HXをオフにしてください。」と表示されました。
DSEE HXとはCD音源や圧縮音源をハイレゾ相当の情報量を持つ高解像度音質にアップグレードする機能です。
WALKMANの取扱説明書を見てみると以下の記述がありました。
再生するコンテンツ | [DSEE HX]の設定 | [ハイレゾ音響設定]の設定 | 出力時の音質*1 |
CD音源や圧縮音源 | オン | 設定できません | ハイレゾ相当*2 |
オフ | 設定しても反映されません | CD音源や圧縮音源 | |
ハイレゾ音源 | オン | 設定できません | ハイレゾ*2 |
オフ | オン(ダウンサンプリング) | CD相当 | |
オフ(ソースダイレクト) | ハイレゾ*2 |
- *1 Bluetoothオーディオ機器からハイレゾ音源を出力する場合は、[DSEE HX]や[ハイレゾ音響設定]の設定に関わらずCD相当の音質で出力します
- *2 ハイレゾ、ハイレゾ相当の音質の場合、[ClearAudio+]、[イコライザー]、[VPT(サラウンド)]、[クリアステレオ]、[ダイナミック ノーマライザー]、[Clear Phase]、[xLOUD]を設定しても反映されません
警告表示はDSEE HXをオンにしていると[Clear Phase]が無効になるためでした。
この表と注意書きからWALKMAN Aシリーズではハイレゾ音源に音響効果を付けることはできず、付ける設定をするにはCD相当の音質にダウンサンプリングされてしまうことがわかります。
また、Bluetoothではハイレゾを聴くことができないとありますが2015年4月7日に配布されたVer.1.10以降でLDACに対応しました。LDACに対応したヘッドホンならハイレゾ相当の音質(990Kbps)で聴くことは可能です。
WALKMANでの試聴結果
環境が揃ったので実際に楽曲を買って試聴してみました。
購入したのは以下の楽曲です。
試聴は以下のように設定して行いました。
- [DSEE HX] :オフ
- [ハイレゾ音響設定] :オフ(ソースダイレクト)
- [Clear Phase] :オフ
- ノイズキャンセリング :オフ
圧縮音源は圧縮音源の音質で、ハイレゾ音源はハイレゾ音源の音質で再生されます。
比較用のプレイリストを作ったのですが表示上はどちらがハイレゾ音源なのか区別できません。
再生中に「OPTION」ボタンを押して「詳細情報」を選択するとこのように音源の情報が表示されます。
こちらが圧縮音源です。
こちらがハイレゾ音源です。
(追記)実はダウンサンプリングされた音源でした。
目を瞑って二つの音源を何度も聴いて比べてみました。
こちらの方が音が良いかもと思って表示を見ると圧縮音源だったりすることもあり、結局のところ違いは分かりませんでした。
まとめ
WALKMAN Aシリーズはハイレゾ音源を再生できますが、ただ再生できるだけと考えた方がよさそうです。
WALKMAN本来のいろいろな聴き方を楽しむにはAシリーズでは処理能力不足ということでしょう。
内部的には殆ど違いの無いA10シリーズとA20シリーズですが、カラーコーディネイトを考えるなら本体と同色のヘッドホンが付属するA20シリーズの方がよいでしょう。
今回の目的である圧縮音源とハイレゾ音源との違いは、環境を揃えても聴き比べても私には分かりませんでした。
昔、カセットテープ時代にノーマルテープ、クロームテープ、メタルテープをAKAIのデッキとDENONのアンプとSTAXのイヤースピーカーで聴き比べた時にはハッキリと違いが分かったのですが、年取ったためなのか、それとも元々人には聴き取れないものなのか分かりません。
コメント
1411.2kbps(CD音質)に圧縮されてるじゃん
コメントを頂き、ありがとうございます。
また、間違いを御指摘頂き、ありがとうございます。
記事は追記して、問題点と再検証結果を別記事とさせて頂きました。
ハイレゾWALKMAN、プレイリストの罠
http://solomon-review.net/hi-res-walkman-playlist-trap/