A-PABが4K、8K放送を録画禁止にすることを計画しているそうです。
忙しい毎日、TV放送に合わせて生活している人など皆無な状態で、録画禁止などにすればタイムシフトができません。
TV離れが加速している状況で、そんなことをすれば当然、視聴者を失います。
MIAUと主婦連合会が異議を申し入れ
4K、8K放送を検討している次世代放送推進フォーラムにインターネットユーザー協会(MIAU)と主婦連合会が録画禁止にしないように求める文書を提出したとのことです。
- 「4K・8K放送は録画禁止にすべきではない」 MIAUと主婦連が申し入れ(ITmedia)
放送サービス高度化推進協会(A-PAB)の作成した「高度広帯域衛星デジタル放送 運用規定 1.1版」(PDF文書)の1016ページに「表4-1 コンテンツ保護に関する運用規定」という表があり、その一部で「T.B.D」としてコピー禁止にする可能性を示唆しています。
(現在は「高度広帯域衛星デジタル放送運用規定(TR-B39)」として公開されています。対象の部分は第4分冊なのですが、一般人は購入する必要があり税抜き10,140円です。そのため最終版がどうなったのか分かりません)
また、デジタルメディア評論家の麻倉氏もこのように言っています。
- 放送を殺す「4K放送コピー禁止」の危険性(ITmedia)
誰も異を唱えなければそのまま決まってしまいます。かと言って文句を言ってもダビング10のように変な規格でまとまってしまう可能性が高いです。
コンテンツを独占しようとする民放キー局5社
次世代放送推進フォーラムに強く録画禁止を申し入れているのは民放キー局5社とのことです。
今回異議を唱えるインターネットユーザー協会(MIAU)と主婦連合会は殆ど影響力はありませんから、この申し入れは何の効果も無いでしょう。
それよりも次世代のエンコーダー・デコーダーLSI開発での技術向上やそれを組み込んだUltra HD Blu-rayレコーダーを売り込もうとしていた家電メーカーは猛反発しているようですので、こちらに期待しましょう。
最終的には国が調停し、ダビング10のようなことになるとは思いますが、そうならなければTVなど見る人は居なくなります。
WALKMANの失敗
WALKMANはカセットテープからMDまでは順調でした。
しかし、デジタルコピーが可能となるメモリータイプで非常に強力な著作権保護を組み込みました。
楽曲データの運用が煩雑で市場でも不評だったところに、対抗機種であるAppleのiPodが著作権保護を撤廃したことにより、WALKMANは一気に市場を失いました。
結局、ソニーはApple同様に著作権保護を外すことで市場を取り戻すことができました。
今回も過剰なコンテンツ保護はユーザー離れを招くことは明白です。
行先はネット動画でしょう。
現在ネット動画で市場を勝ち取っているのは放送局ではありません。放送局も重い腰を上げネット配信を始めていますが、それでもまだTV放送にしがみ付きたいようです。
まとめ
Apple TV、Chrimecast、スティックPC、Android TVなどネット動画は簡単に見れるようになりました。無理にリアルタイムでTV放送を見る必要はありません。
もし、放送局があくまでコンテンツを独占しようとするなら、TVなど見るのはやめましょう。
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