独自ドメインではないブログをレンタルサーバーなどで運用する独自ドメインのブログに移設する場合に問題となるのは、今まで書いてきた記事の移設です。
このサイトでの記事の移設方法について説明します。
記事の移設が難しい理由
今まで独自ドメインを使っていなかった場合、そのまま記事を移設してしまうと、旧サイトの記事のURLと新サイトの記事のURLと2つの異なるURLに同じ内容の記事が存在することとなり、後から検索エンジンに検出されたURLはコピーサイトと判断され、検索で表示されなくなる可能性があるそうです。
新サイトの記事がインデックスに登録されるのは、必ず旧サイトの記事より後になりますので、これから運営していく新サイトがコピーサイトと判断されるのは非常にマズいことです。
新サイトに記事を移設後、旧サイトの記事を削除したとしてもキャッシュに残っているため、やはりコピーサイトと判断される可能性が高いそうです。
そのため、このサイトでは非常に面倒ですが、記事ひとつひとつについて以下の操作を行っています。
旧サイトからの記事のエクスポート
まず、旧サイトから記事をMovable Type形式でエクスポートします。
So-netブログの場合は、「記事管理」タブの「インポート・エクスポート」の画面で下の方の「エクスポート」部分で
- ファイル形式:MT(MovableType)形式
- 文字コード:UTF-8
- 取得範囲:すべて
- コメント/トラックバック:[●]コメントを含める [●]トラックバックを含める
と指定します。
WordPress側で読み込めるファイルサイズに2MB~30MBの制限があるため取得範囲を「すべて」にすると制限を超える場合はひと月単位でエクスポートする必要があります。なお、ファイルサイズ制限はレンタルサーバーによって異なるので確認してください。コメント/トラックバックは不要な場合はチェックを外してください。また、下書きの記事もエクスポートされますが、公開状態なのか下書き状態なのかもエクスポートされます。
設定を確認したら「エクスポート」をクリックし、ファイルを保存します。
新サイトへのインポート準備
レンタルサーバーのWordPressにインポートする前に、WordPressの管理画面で、「設定」「表示設定」の「検索エンジンでの表示」の項目にチェックを入れ、記事をインポートしている時に、検索エンジンに検索されないようにします。
また、ソーシャルサービスへの自動投稿(jetpackプラグインのパブリサイズ共有)も設定を完了させておきます。
新サイトへの記事のインポート
WordPressの管理画面で「ツール」「インポート」から「Movable TypeとTypePad」プラグインを使ってエクスポートした記事をインポートします。
インポートは個々の記事を個別に投稿した場合と同じ意味を持ちます。すなわち、更新情報サービスへの通知やパブリサイズ共有のサービスへの自動投稿が自動的に行われます。
ただし、検索エンジンからの検索されないようにしているため、実際には通知は行われません。しかし、記事を最初に公開した時に実施される通知などは処理されたこととされます。そのため、公開状態を下書きに変更し、修正後、公開しても更新情報サービスへの通知やパブリサイズ共有のサービスへの自動投稿は行われません。この対応は、古い記事なので通知する必要がないということと、下手に検索エンジンを刺激してコピーサイトと判断されないようにするためです。
Movable Typeのインポートプラグインではインポートに失敗する記事もあるので、インポートに失敗した記事の一覧をメモに記しておきます。インポートに失敗した記事はインポートの実行結果ではわかりませんので、エクスポートした記事のリストと、インポートされた記事のリストを比較し、目視で失敗を探すという根気の必要な作業です。
なお、この方法でインポートした記事に画像がある場合は、画像を示すURLが元のブログのままなので、画像の移行とURLの書き換えは別途行う必要があります。
インポートした記事の状態を下書きに変更
WordPressにインポートした記事はエクスポートした時の状態でインポートされるため通常は公開状態で登録されます。記事の状態を「下書き」に変更し、サイトを見に来たユーザーの目に触れないように隠します。特に記事のタイトルをそのままスラッグとするため、パーマネントリンクが日本語になってしまいますので、公開する前にスラッグを記事ごとに指定して日本語のURLを英語に直す必要があります。
個別に記事を修正して順次公開
まず、旧サイトの記事の本文を削除し、下記のように修正します。
この記事は新しいサイトに移しました。お手数ですが下記の記事を御参照願います。
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そして<記事のタイトル>に新サイトの記事へのリンクを張ります。
新サイトの記事のタイトルは、
- タイトル --> タイトル
などと変更します。これは検索エンジンにコピー記事であると認識されないようにするためです。
そして一度にすべての記事の修正と公開をするのではなく、少しずつ、例えば1日5記事だけ修正と公開を行いながら、状況の変化が無いか確認し、問題がなければ更に作業を進めます。画像の移行は時間がかかるので、まずは画像の無い記事を先に移行させた方がよいでしょう。
Google Search Consoleで状態を確認
Google Search ConsoleではGoogleのインデックスへの登録状況を確認できます。そのため、記事を移設して公開したことがインデックスに影響を与えていないかを確認します。順調にインデックスへの登録数が増えていれば問題ありませんが、減ることがあれば何か異常が起きているということになります。
まとめ
旧サイトは300程度の記事数なので可能な方法とも言えます。また、検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しているので、タイトルを変えたぐらいでは騙せなくなるかもしれません。しかし、こうでもしないと旧サイトを閉鎖するときに、記事も捨てなければならなくなります。
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