Adobe CC製品は、製品ごと、期間ごとに契約することができます。
ところが、一度、Adobe CCを契約したAdobe IDはライセンス認証と契約の切り替えで困った問題を起こすことが分かりました。
Adobe CSとAdobe CC
Adobe Creative Suite(以下Adobe CS)とは、既に販売の終了したAdobe製品の買い切り版です。一度買ってしまえば永続ライセンスなのでいつまでも使えます。最終バージョンはAdobe CS6です。
Adobe CS6の発売後、Adobeはユーザーをサブスクリプション制に移行させるためにAdobe Creative Cloud(以下Adobe CC)を発売しました。
Adobe CCは毎年バージョンアップしていますが、サブスクリプション契約を更新し続けている限り、Adobe CS6以降のどのバージョンでも使用できます。
どちらを購入したとしても通常は一人が所有するわけですから、ひとつのAdobe IDに紐付けることになります。
Adobe CSのAdobe IDにAdobe CCを紐付けると
仕事などで常にAdobeのアプリを使う場合はAdobe CCを契約すればよいでしょう。
しかし、Adobe CSの機能で十分なためAdobe CCに切り替えていない人でも、一時的にAdobe CCの機能を必要とする場合もあると思います。
そのような場合に、Adobe CSを登録したAdobe IDにAdobe CCを登録するとどうなるのか、Adobeに問い合わせていろいろと確認したうえで、実際に紐付けた結果は問題が無いように見えました。
その時に心配していたのはAdobe CC(Adobe Illustrator)を契約することで、Adobe CCを契約していないアプリ(Adobe Photoshop)が使えなくなることを危惧していたのですが、その点は問題無かったのです。
Adobe CCの契約が切れるとAdobe CSまで使えなくなる
私は昨年春(2018年)のキャンペーンでAdobe Illustrator CCを1年だけ契約したのですが、Adobe Illustrator CS6で十分と判断し、Adobe CCの契約は延長しませんでした。昨年のキャンペーンが功を制したようでAdobe CCに移行した人が多かったのか、今年はキャンペーンが行われなかったためというのもあります。
契約満了直前にこのようなメールが届きました。使用料の未払いのような物言いで腹立たしいのですが、このような文面となる理由は後で説明します。
契約を延長しなたっかので、契約が切れた後ではもちろんAdobe Illustrator CCは起動できません。そこでAdobe Illustrator CS6を起動したのですが、こちらも契約が必要との表示が出て起動できませんでした。
仕方がないのでAdobe CCとAdobe CSをアンインストールしてAdobe CSを再インストールしてみましたが、やはりAdobe Illustrator CS6は起動できませんでした。
Adobe CC契約満了後は、Adobe CSは起動できなくなる
Adobe CSを紐付けたAdobe IDに契約切れのAdobe CCが紐付いていることが原因だと思い、Adobeのサポートページで調べたところ、こちらのページの「ご契約中のプランを解約する場合」を見るとAdobe IDの「アカウント管理」に「プランを解約」というリンクが表示されるとのことですが、私のAdobe IDの「アカウント管理」には表示されていませんでした。
そのためAdobeのサポートに電話して確認したところ次のような回答でした。
- Adobe CCの契約にはAdobe CS6も含まれるため、現状のライセンス管理システムでは同じAdobe IDにAdobe CCとAdobe CSが紐付いていると、Adobe CCの契約が切れるとAdobe CSが使えなくなる場合がある
- 回避するには別のAdobe IDでAdobe Creative CloudにログインしてからAdobe CSを起動する
- それでも起動できなければAdobe CSを再インストールすれば使えるようになる
- Adobe CSはシリアル番号でライセンスを管理しているので紐付いたAdobe IDでログインしていなくでも問題無い
要は過去にAdobe CCを契約したことがあるAdobe IDで、Adobe Creative Cloudアプリにログインしていることが原因とのことです。
とりあえず、別のAdobe IDでログインしなおす前にAdobe Creative Cloudからログアウトした状態でAdobe Illustrator CS6を起動してみました。
すると環境が壊れていると表示され、環境を初期化された後、起動できました。
その後はAdobe CCを契約していたAdobe IDでAdobe Creative CloudアプリにログインしていてもAdobe Illustrator CS6は起動できています。
Adobe CCの契約は自動更新のみ
もうひとつ気になっていた点もサポートに聞いてみました。何故「アカウント管理」に「プランを解約」が表示されないかということ、そして最初に表示したようなメールが届くことです。
サポートの回答は次のようなものでした。
- 「プランを解約」は契約中のプランに対するもの
- Adobe CCは自動更新が前提
納得はしたのですが、ひとつ懸念点があります。
今年、AdobeからはiPad用のフルスペック版Photoshopがリリースされます。
Duet Display経由でWindows版のPhotoshopをiPad使ってみて、iPadでPhotoshopが使えれば非常に便利であることは分かっていました。
そのためiPad Pro 12.9インチ(3rd)を購入して待っているのですが問題があります。
Photoshop CCを安く使える契約にAdobe CCフォトプランというものがあります。
- Creative Cloudフォトプラン(Adobe)
このプランにはクラウドストレージが20GBと1TBのプランがあり、Lightroom CCはクラウドストレージで処理されるため写真の現像を行うなら1TBのプランがよいでしょうが、Photoshop CCだけが使いたいなら20GBのプランで十分です。
ところが、20GBのプランの店頭やネット通販での販売は2018年5月で終了しました。そのため20GBのプランを契約するにはAdobeから直接購入するしかありません。
Adobe CCは自動継続ですのでクレジットカードで支払いを行うと、以降自動で引き落とされてしまいます。
この点についてサポートに確認したところ次のような回答でした。
- 自動継続したくない場合は、コンビニ支払いなどクレジットカード以外の手段で支払いを行う
- または、契約終了1か月前になったら「アカウント管理」から「プランを解約」を行う
サポートページの説明などを読むと、「プランを解約」は契約期間満了までは使えるものではなく、残りの期間は払い戻されるようです。
20GBのフォトプランを契約する場合は注意が必要です。
まとめ
いろいろなソフトがサブスクリプション制に移行していくことで企業は安定した収益を確保できます。しかし、利用者にとっては転勤や病気、商品の値上がりや増税など負担が増える状況の中で、サブスクリプション契約は固定費として重く圧し掛かります。
Microsoft Officeはサブスクリプション制のOffice 365の他に、Office 2016、Office 2019と3年ごとに買い切りの製品も発売しています。
Adobeの製品はプロ向けのアプリというのも分かりますが、一般ユーザーから見た購入のし易さも考えてもらいたいです。
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