Windows 10 バージョン1607から電話認証ができなくなりました。
しかし、これはWindows 10の提供形態により異なることが分かりました。
Windows 10の電話認証
従来からWindowsではインターネット経由での認証に失敗した場合の救済策として電話で認証するという手段が提供されていました。
「slui 4」というコマンドを実行することでこのウィンドウが表示されるので、指示に従いインストールIDを電話のボタンで入力すると認証用のIDが音声で告げられるというものです。
ただし、インターネットで認証に失敗する場合は電話でも認証できず、最後の手段としてオペレーターと直接交渉して問題を解決することになります。
ところが、Windows 10 バージョン1607から電話認証ができなくなりました。
「slui 4」を実行してもこのウィンドウが表示されなくなったのです。
Windows 10提供形態での違い
私は、自分の管理しているパソコンすべてで電話認証ができなくなったので、Windows 10 バージョン1607以降すべての環境で電話認証ができなくなったと思っていました。
しかし、コメントでパッケージ版Windows 10ではWindows 10 バージョン1607でも電話認証できていると教えて頂きました。
Windows 10の提供形態は一般に入手可能なものは、
- Windows 7/8/8.1プリインストールパソコンをアップグレードしたもの
- パッケージ版Windows 7/8/8.1がインストールされたパソコンをアップグレードしたもの
- DSP版Windows 7/8/8.1がインストールされたパソコンをアップグレードしたもの
- BIOSにプロダクトキーが書き込まれているWindows 10プリインストールパソコン
- DSP版プロダクトキーが添付されているWindows 10プリインストールパソコン
- パッケージ版Windows 10をクリーンインストールしたパソコン
- DSP版Windows 10をクリーンインストールしたパソコン
などがあります。
今回、Windows 10 バージョン1511がプリインストールされたパソコンを購入したのでいろいろ試してみました。
このパソコンはBIOSにプロダクトキーが書き込まれておりインストール段階でプロダクトキーの問い合わせが一切表示されないタイプです。
Windows 10 バージョン1511からバージョン1703にアップデート
Windows 10 バージョン1511ではもちろん電話認証は可能です。
その状態から環境を引き継がずWindows 10 バージョン1703にアップデートしてみましたが電話認証は可能でした。
Windows 10 バージョン1703を初期状態に戻す
次にこの状態から「回復」の手段である「この初期状態に戻す」を使って、すべてを削除して初期状態に戻してみました。
Windows 10の初期状態とは最新のバージョンでの初期状態を意味しますので、バージョンは1703のままとなります。
初期状態に戻した後でも電話認証は可能でした。
Windows 10 バージョン1703メディアでクリーンインストール
Windows 10のインストール媒体はMicrosoftのサイトから入手できます。
そこで提供されているツールでUSBメモリーを作成してクリーンインストールしてみました。
エディションとプロダクトキーはプリインストールされていたWindows 10のものがBIOSから読み出され使用されます。
クリーンインストールしたWindows 10 バージョン1703では電話認証はできませんでした。
試行から分かること
これまでの私の管理するパソコンと今回の試行結果、コメントで頂いた情報をまとめると次のことが分かります。
- 電話認証ができるか、できないかは、パソコンのハードには無関係
- DSP版またはプロダクトキーを後から入力するプリインストールパソコンでは、バージョン1607以降、電話認証はできない
- パッケージ版またはBIOSにプロダクトキーが記録されたプリインストールパソコンでは、バージョン1607以降でも電話認証はできる
- 初期状態に戻しても状況は変わらない
- プリインストールされているWindows 10以外をインストールすると電話認証できなくなる
これらのことから大きく2つのグループに分かれているようです。
- DSP版に帰結する自作パソコンやショップブランド、中華パソコンなど --> 電話認証できない
- 大手メーカー製パソコン、および、パッケージ版Windows 10 --> 電話認証できる
今回は調べていませんが、Windows 7/8/8.1からアップグレードした場合も元のWindowsの提供形態で決まるものと思われます。
ちなみにWindows 10 S バージョン1703がプリインストールされたSurface Laptopでも電話認証は可能でした。
まとめ
現状でも電話認証が可能なWindows 10の提供形態もあることは分かりました。
しかし、ライセンスの許諾範囲、すなわちフローティングライセンスかどうかと電話認証の可否が一致していないことは問題です。
Microsoftアカウントに紐付けることで再認証させる仕組みも万能ではありません。
サポートコスト削減と違法利用の撲滅が目的としても、ライセンス上問題は無いのに救済策が提供されていない点は問題と感じます。
コメント
先日ウッキウキでPCをグレードアップしたもののマザボを交換したことを忘れてやらかしました。当然ライセンス認証の催促。元がOEMのwin7で、以前マザボ交換した時もwin10になってから再インスコした時もいけたしまあいけるやろと思っていた所、エラー。暖簾に腕押しになるのも覚悟でサポートに電話を掛けました。
結果から言うと行けました。電話認証の項目が消えたのは負担軽減の思惑があったのかもしれませんが、曲がりなりにも最大手(オブラートに包んだ表現)、ケチな企業ではなかったようです。電話のガイダンスにもライセンスの項目はあったしかなり手厚い対応でした。
一時間ぐらい電話を繋いだままの作業となり、双方大変でしたが何とかなりました。こちらの情報にもずいぶん助けられました。この場を借りてお礼をば。
サンキュー
コメントを頂きありがとうございます。
私もOffice 2016が認証できなくて困りましたが、自動応答の電話で再認証されました。
確かにオペレーターを減らして経費削減を狙ったのかもしれませんが、自動応答ですべて解決するなら問題ありませんね。
ただ、それでも認証できなかったときはどうなるのかと思うと、やはり不安なところはあります。