宅急便の値上げなど送料が問題となり安価な発送手段が求められています。
その中で比較的小型で薄い物の発送に適したクリックポストの印刷で用紙を節約する方法について説明します。
クリックポスト
クリックポストとは日本郵便株式会社が提供する郵便商品です。
- クリックポスト(日本郵便株式会社)
発表された当初は、決済方法がYahooウォレットに限られていることからヤフオク専用と考えられていました。
サイトを見ても何に使えるのか分からずFAQをよく読むことで、やっとヤフオク以外でも使えることが分かりました。
昨今、フリーマーケットなどの個人間取引が盛んになったことの影響からか、2017年2月にクリックポストのサイトとシステムが更新されました。
トップページ画像もフリマを強く意識したイメージに変更されています。
クリックポストの特徴
クリックポストは164円(税込み)で始まりましたが、現在は値上げや増税、更に値上げで198円(税込み)です。
- 日本全国一律198円(税込み)
- 決済方法はYahooウォレットまたはAmazon Pay
- サイズは「14~34cm × 9~25cm × 3cm」以内
- 重さは1Kg以下
- ポスト投函可能
- 追跡サービスによる配達確認が可能
- 信書、現金、貴重品および危険物の発送は禁止
発送するものは比較的小型で薄い物に限られます。
また、ラベルや梱包材などは自分で用意しなければなりません。
レターパックライト(税込み370円)やスマートレター(税込み180円)のように、「コンビニで買って宛先を書いて送るものを入れてポストに投函」という手軽さはありません。
しかし、離島を含めて日本全国一律198円(税込み)で送れるのが魅力です。
配送業者によっては離島は別料金としているところもありますが、クリックポストは離島を別料金とはしていません。
細かな利用条件や注意事項については、事前に「よくあるご質問」を一読しておくとよいでしょう。
- よくあるご質問・お問い合わせ(日本郵便株式会社)
クリックポスト利用手順
クリックポストでは発送用の封筒や箱などの梱包材とラベルは自分で用意する必要があります。
ここではラベルの印刷までの手順について説明します。
スマートフォンにも対応していますがPDFファイルを表示して印刷できるアプリなどを用意する必要があります。
以下、パソコンの画面で説明します。
まずクリックポストのサイトにアクセスして、「Yahoo ID」か「Amazonアカウント」のどちらかの決済方法でログインします。ここではYahoo IDで説明します。
Yahoo IDでのログインとなりますが、この画面は事前にYahoo IDでログインしているかどうかで変わってきます。
初めて使う場合は利用者情報を登録します。
利用者情報はひとつしか登録できないため、常に登録した利用者からの発送としてラベルが作成されます。
発送元を変えたい場合は、その都度、支払い前に利用者情報を変更しておく必要があります。
1件申込
まず「1件申込」でラベルを作成してみます。
ポップアップブロック解除や印刷設定など調整が必要なため、事前に試してみるのがよいでしょう。
クリックポストはYahooウォレットで決済しても郵便局で「引受」となるまでは課金されません。
印刷後に宛先の誤りに気付いた場合や後で印刷の失敗に気付いた場合などは、そのラベルは無視して新たに申し込みし直してください。
「必須」とある項目に宛先を入力していきます。
「郵便番号」を入力して「検索」をクリックすると住所の候補が表示されるますので選択して「決定」をクリックします。ただし、実際の住所と違う場合がありますのでよく確認してください。
更に丁目、番地などを入力していきます。
「アドレス帳に保存する」にチェックを入れると次回以降で「アドレス帳の利用」から呼び出すことができるようになります。
「内容物」は正確に記入する必要はありません。
遠方に発送する場合に航空便を使えるかどうかの判断に使われますが、正確に記入してもX線検査で航空便には載せられないと判断される場合もあります。
入力が終わったら「次へ」をクリックします。
「内容の確認」が表示されます。
間違いがあれば「戻る」で戻って修正します。
問題が無ければ「支払手続きをする」をクリックします。
Yahooウォレットを利用するためパスワードの再確認画面が表示されます。
毎回表示される広告にうんざりしますが「パスワード」を入力して「ログイン」をクリックします。
支払い情報を確認して「次へ」をクリックします。
最後に「支払手続き確定」をクリックします。
「支払手続き確定」をクリックしてもラベルが発送に使われない限りYahooウォレットに課金されません。
また「支払手続き確定」をクリックした後はラベルの修正はできませんので間違いが見つかった場合は、再度はじめから作り直します。
印刷画面となりますが、印刷のやり方で次の操作が変わります。
1件毎に印刷
支払手続き確定後、そのまま印刷することもできますが、システムの改修で「まとめ印字」ができるようになりました。
「まとめ印字」は一度も印刷していない場合に限られます。
「まとめ印字」を行う場合は支払手続き確定後、印刷せずに「マイページへ」で戻る必要があります。
そのまま印刷する場合は「注意事項を確認しました」にチェックを入れて「印字」をクリックします。
印刷に失敗した場合は、最初の印刷から30分以内ならマイページの「再印字」から再印刷できます。手順は同じです。
初めてクリックポストを使用した場合は「印字」をクリックした直後にポップアップがブロックされる場合があります。
その場合は「このサイトでは常にポップアップを許可」を選択してください。この設定はブラウザーによって異なります。
その後、新しいタブにラベルが表示されれば良いのですが、表示されない場合は30分以内にマイページから「再印字」で再印刷してください。
PDFはInternet Explorerの場合はAcrobat Readerで表示されますが、FirefoxやMicrosoft Edgeではブラウザーで直接表示されます。ブラウザーで表示されるとフォントが正しく表示されなかったり、文字が重なったりする場合があります。
そのような場合は、ブラウザーからPDFファイルに保存した後、Acrobat Readerで印刷してください。正確に表示/印刷できるのはAdobe Acrobat製品だけです。
ここではAdobe Acrobat Reader DC 2020がインストールされている場合で説明します。
新しいタブにラベルが表示されます。
マウスカーソルをウィンドウの下に移動させると一時的にツールバーが表示されますので、右端のAcrobatアイコンをクリックしてメニューを常に表示させます。
Adobe Acrobat Reader DC 2019のツールが表示されます。
左上のフロッピーディスクのアイコンをクリックするとラベルをPDFファイルとして保存できます。
今回のシステム改修で「利用控」が印刷されなくなりましたので代わりにラベルをPDFファイルとして保存しておくこともできます。
印刷する場合はプリンターのアイコンをクリックします。
Adobe Acrobat Reader DC 2019の印刷ダイアログが表示されます。
- ページサイズ処理:実際のサイズ
- 向き:縦
に設定してA4用紙に印刷します。
印刷はモノクロでも構いません。
ラベルはA6サイズなのでA4用紙の1/4しか使わないため無駄に感じる場合は少し工夫をします。
プリンターの横の「プロパティ」をクリックします。
プリンターの設定ダイアログは利用しているプリンターによって異なるので自分のプリンターの該当項目に読み替えてください。
設定するのは「用紙サイズ」と「印刷の向き」です。
クリックポストの印刷はA4縦を前提としています。
例えば一般的に納品書などで使われるA5サイズに印刷するようにするには、
- 用紙サイズ:A5
- 印刷の向き:横
に設定して「OK」をクリックします。
すると印刷されない範囲がグレーとなり、うまくA5用紙に印刷されることが分かります。
半分は無駄となりますが、納品書と同じサイズとなり用紙を入れ替える必要がなくなります。
プリンタラベルを使う場合はできるだけ無駄を省くためにA6サイズで印刷します。
- 用紙サイズ:A6
- 印刷の向き:縦
と設定して「OK」をクリックします。
ラベル以外の部分は印刷されなくなります。
ただし、手差しだと傾いたり紙送りがずれたりしますので、できるだけトレーから印刷するようにしてください。
印刷が終わったラベルはできれば「QRコード」が正しく読み込めるかスマホで確認しておくとよいでしょう。QRコードが読めないと郵便局で受け付けてもらえない場合があります。
iPhoneではiOS 11からカメラアプリでQRコードを読み込めるようになりましたがクリックポストのQRコードは読めません。QRコード読み込み用のアプリを使用するようにしてください。Qrafterは読み込むことができます。ピッと音がして文字列が表示されればOKです。
まとめ印字
「まとめ印字」は一度も印刷していない場合に限られます。
「まとめ印字」を行いたい場合は支払手続き確定後「マイページへ」で戻り、次の申し込みを行います。
すべての申し込みが終わったら「まとめ印字」をクリックします。
ここでは2件がまだ印刷されていませんので2件をまとめて印刷できます。
「まとめ印字」の対象とする件名の行のチェックボックスにチェックを入れます。
1件ごとに印刷する場合と同様に「注意事項を確認しました」にチェックを入れて「印字」をクリックします。
Adobe Acrobat Reader DCでラベルが表示されますので、
1件ごとに印刷する場合と同様に「用紙サイズ」と「印刷の向き」を適切に設定して印刷します。
まとめ申込
今回の改修でCSVファイルを読み込ませてまとめて申し込みができる機能が追加されました。
この機能は基本的には大量に発送する必要があり、発送先もフリマのシステムなどからCSVファイルで出力できて、そのCSVファイルを変換して読み込ませることが目的です。
一般的な個人向けの機能ではありませんので、ここでは省略させて頂きます。
詳細は「まとめ申込」をクリックすると表示されるページに「まとめ申込 詳細フローはこちら」という部分から手順を確認してください。
ラベルのコスト
ラベルを作る場合、糊で貼るのが面倒なのでプリンタラベルを使いたいと考えると思います。
そこでコストを計算してみます。
糊で貼ると紙がふやけてしまうため両面テープを使うこととします。
まず、プリンタラベルはA6サイズが販売されていませんのでA4サイズを1/4に切って使うことになります。
A4ノーカットのプリンタラベルは安いもので30枚で850円程度です。
A6サイズが120枚取れますので、ラベル1枚当たり7.1円となります。
一方、安いA4用紙に印刷して両面テープで貼り付ける場合は、
安いA4普通紙は500枚で295円程度で、A6サイズだと2000枚取れますので、1枚当たり0.15円です。
両面テープは100円ショップなどで10mm幅16mが108円です。
A6サイズを貼るのに約47cm必要なので16mで34枚貼れるので、1枚当たり3.2円です。
紙と両面テープでラベル1枚当たり3.4円です。
したがって、ラベル1枚当たり、A4普通紙に印刷して両面テープで貼ると3.4円、プリンタラベルなら7.1円です。
費用と手間、プリンター用紙の交換などを考えると少量なら普通紙に印刷して両面テープで貼り付けた方がよいでしょう。
なお、一般的なダイレクトメールに使われるプリンタラベルはA4サイズから24枚取れるもので1枚当たり1.2円となります。
クリックポストはラベルが大きすぎるのでコストが嵩むのです。
封筒への直接印刷について
ラベルの印刷はコメントで頂いたように、封筒に直接印刷するのがコスト的には一番安くなります。
発送する物品のサイズがある程度限定できる場合は、検討してみるとよいでしょう。
その場合はラベルを封筒の中央に実寸で印刷する必要があるため、ここで説明した方法は使えません。
申し訳ございませんが、その方法は検索してみてください。
注意点
何点か注意点を記しておきます。
クリックポストで問題となりやすいのは「厚み」が3cmを超えることです。
超えている場合、受付されず発信者のポストに戻されます。そのため再発送となり到着が遅れます。
これを回避するには事前にスケールで厚さを計ることと、ポストに投函せず郵便局の窓口に持ち込むことです。
2017年4月からどの郵便局の窓口でも受け付けを行うようになったため問題が無いかその場でチェックされます。
スケールは市販品を買っても良いのですがアクリル板が割れやすいため、スチロールボードなどを使って自作するのがお勧めです。比較的簡単にカッターで穴を空けることができて、割れることはありません。多少高いですがヤマト運輸の営業所でメルカリ用のスケールも販売されており、クリックポストに流用できます。
また、通常のエアーパック(通称プチプチ)の厚さは約5mmです。そのためエアーパックで梱包する場合発送できる物品の厚さは2cmまでとなります。
2cmを超える場合は薄いエアーパックを入手する、レターパックプラス(厚さ制限無し)に切り替えるなどの対処が必要です。
2.5cmまでは、私はサンワダイレクトで扱っている厚さ5mmのクッション封筒(300-CFT003)を使っています。
なお、稀にクリックポストとして受け付けされず定形外郵便として配送される場合があります。この場合追跡できなくなりますので、発送した場所の本局に問い合わせてください。
また、基本的には無視されますが書かないよりはマシでしょう。このようなハンコを作っておくとよいでしょう。
まとめ
個人間の取り引き向けにいろいろな発送サービスが出てきています。
フリマサイトが一部の料金を肩代わりすることで安く提供している場合もあります。
利用しているサイトや発送する商品などで最適なサービスを探してください。
なお、詐欺に合わないためにも多少高くても追跡サービスを利用できるものを選択してください。
クリックポストはこれらの要件を満たす安価なサービスです。
コメント
「スナップショット」を使えば定型封筒に直接印刷できます。
ラベルを貼る手間が省けて便利ですよ。
コメントを頂きありがとうございます。
「スナップショット」とは商品名なのかソフトの話なのか分かりませんが、封筒への直接印刷の方が割安ですね。
ただ、ダイレクトメールを送るのと違い、封筒のサイズがバラバラの場合はプリンターの位置合わせが面倒ですし、クッション封筒を使う場合はラベルを作成して貼り付けるしかないと思われます。
ヤフオクで使用するには直接郵貯のクリックポストサイトから利用したほうが得です。いちいちハガキサイズの購入を要求されたり毎月の使用料500円をクレジットカードで請求されたりで、あまり利用回数の低い人には適しません。また、セクリティーソフトをインストールしていると何回か危険なソフトとしてインストールしないように即してきます。インストール後すぐにアンインストールしましたが。
コメントを頂きありがとうございます。
ヤフオク経由のクリックポストもあるのですね。知りませんでした。
郵便局のクリックポストから利用していますが、ソフトのインストールなどは要求されることはありません。
クリックポストはスマホからも利用できるWeb完結のシステムなので何かしらのソフトに依存しているようなことはありません。
だいぶ時間が経ってしまってますが、「スナップショット」はPDFファイルをデスクトップなどにDLしてから開くとメニューの中に現れます。
印刷範囲をカーソルで指定して、その範囲を用紙の中央に印刷できますよ。
コメントを頂きありがとうございます。
Adobe Acrobat/Acrobat Readerの部分選択機能だったのですね。
「編集」メニューにありました。
試してみました。確かに中央に印刷できます。
封筒の差し込み印刷とか、印刷方向、サイズ設定などいろいろテストが必要ですが、十分使えそうです。
定型操作で使えるようになったら記事にします。
教えて頂きありがとうございました。