2017年4月5日からWindows 10 Creators Updateへの手動アップデートが可能となります。
Windows 10 Creators Updateへのアップデートではプライバシー設定が大きく変わっています。どう設定するか前もって決めておいた方がよいでしょう。
大きく変わるWindows 10 Creators Updateのプライバシー設定
Windows 10 Creators UpdateことWindows 10 バージョン1703ではアップデートまたはクリーンインストールで、再起動後の画面が大きく変わっています。
ネットワークに繋がっていてマイクが使える状態だと音声認識を利用した音声指示が可能となっています。
また、プライバシー設定が簡略化され5項目に集約されました。
「詳細情報」をクリックするとこの画面が表示され各項目について詳細に説明されています。
この説明はネットワークに繋がっていなくても表示されます。
設定の詳細
設定の詳細では細かく説明されていますが読めるだけで印刷はできません。
そのため、以下に引用しますので「オン」のままにするか「オフ」にするかをWindows 10 Creators Updateにアップデートする前に決めておいた方がよいでしょう。
ただし、長くて読むのが面倒な場合は、推奨設定を見てください。
概要
Microsoftの説明は以下となります。
Windowsを設定する際には、プライバシーに関連する設定を選択するようにMicrosoftから求められます。セットアップ画面には、推奨設定が表示されます。これは、サーピスへの接続時にデバイスの信頼性と安全性を維持し、よりバーソナライズされたエクスペリエンスを提供して、サーピスを向上するために適切であると判断された設定です。ここで設定を選択することも、[スタート]>[設定]で必要時に変更することもできます。
各設定によって収集されるデータの種類と使用方法を以下に示します。Microsoftが収集する個人データの種類と、収集されたデータがWindowsのご利用時にどのように使用されるかについては、Microsoftのプライバシー声明の全文をご確認ください(ご試用中のブラウザーウインドウで「aka.ms/privacy」と入力してください)。収集されたデータは、Microsoftのプライバシー声明の規定に従い、アメリカ合衆国およびその他の国に送信され、使用されます。
位置情報
位置情報を必要とするのはデバイスを持ち歩いている場合です。殆どの人がスマホで情報を得ている現状では位置情報を提供する必要はありません。
特に自宅で使っている場合、自宅の位置を教えることになりますので必ず「オフ」にしておく必要があります。天気などの情報が必要な場合は個々のアプリに初期表示地域を設定すればよいだけです。
Microsoftの説明は以下となります。
Microsoftの位置情報サービスはデバイスの能力に応じ、全地球測位システム(GPS)、近隣の携帯電話基地局やワイヤレスアクセスポイント、IPアドレスの組み合わせを使用して、Windowsデバイスに位置情報を提供します。
位置情報サーヒスをオンにすると、デバイスによって提供されるレベルの精度で位置認識サービスを提供するために、特定のアプリ、サーピス、Windows機能が位置データの使用許可をユーザーに求めることができるようになります。位置認識アプリまたはサーピスによってユーザーの位置情報が使用されると、位置情報と最近の位置情報履歴がユーザーのデバイスに保存され、個人を特定できない形式でMicrosoftに送信されます。この動作は、位置情報サーヒスの品質向上を目的としています。
さらに、ユーサーがMicrosoftアカウントでロクインしている場合は、最後に認識された有効な位置情報がクラウドに保存され、デバイスを問わずMicrosoftアカウントを使用するアプリやサーヒスで利用可能になります。デバイスで、自身で有効な位置情報を取得できない場合(建物内や地下にいる場合など)は、クラウドに保存されている最後に認識された有効な位置情報を使用できます。
[スタート]>[設定]>[プライバシー]>[位置情報}で、いつでも位置情報へのアクセスを無効にし、デバイスの位置情報履歴を消去できます。
ノートPCなどのポータブルデバイスを使用している場合は、位置情報をオンにすると、デバイスの検索機能も有効になります。これは、デバイスをなくして探す場合に、位置情報データを利用できる機能です。この機能を利用するには、MicrosoftアカウントでWindowsにログインする必要があります。この設定は、[スタート]>[設定]>[更新とセキュリティ]>[デバイスの検索]でいつでもオフにできます。
音声認識
Windows 10にはパソコン本体で実行される「Windows 音声認識」とMicrosoftに認識を依頼するクラウドベースの「Cortana」の2種類が実装されています。
注意点は「Cortana」を使うと固有名詞もすべてクラウドに渡ることになります。そして「Cortana」はアプリからも使えるためプライバシーの扱いは個々のアプリに委ねられていることになります。
話した言葉が直接アプリに渡らないとしても意図的に質問で誘導することで「Cortana」の学習結果から情報を推測させ目的の情報を引き出すことは可能です。
Microsoftの説明は以下となります。
Windowsでは、両方のデバイスベースの音声認識機能(Windows音声認識デスクトップアプリで利用可能)とクラウドベースの音声認識サーヒス(Cortanaが利用可能な市場と地域でCortanaと共に導入済み)の両方が提供されています。音声認識で現在サポートされている言語と地域については、お使いのプラウザーまたは検索バーで「Cortanaの地域と言語」を検索してください。音声認識設定をオンにすると、ユーザーの音声録音の収集と使用がMicrosoftに許可され、クラウドベースの音声認識サーヒスがユーサーに提供されます。このサーヒスはCortanaでおよびサポートされているストアアプリのほか、今後はWindowsの他の部分でも使されます。このサーヒスのー環として、デバイスで作成されたユーザー辞書からも情報が収集されます。このユーザー辞書には、ユーサーが入力した名前などユーザー固有の語句が保存され、ユーザーが正確に入力または手描きするために役立ちます。あらゆるユーザーの音声を正しく認識する能力を向上するために、音声データとユーザー辞書の組み合わせが総体的に使用されます。この設定は、[スタート]>[設定]>[プライバシー]>[音声認識、手描き入力、入力の設定]でいつでもオフにできます。後でカレンダーや連絡先データなどの情報へのアクセスをCortanaに許可すると、機能向上のために音声認識エクスペリエンスがパーソナライズされます。デバイスペースの音声認識は、検索バーに「Windows 音声認識」と入力してWindows音声認識デスクトップアプリを実行することで、いつでも使用できます。
診断
従来は診断は「完全」、「拡張」、「基本」の3段階でしたがWidnows 10 Creators Updateからは「完全」と「基本」の2択となります。
企業ではグループポリシーで「基本」に設定されるでしょうが、個人事業など自分で設定しなければならない場合は注意が必要です。
特に「問題の発生時に使用していたファイルの一部が意図せす含められる場合があります」という記述は問題です。個人を特定されなくともNDA(秘密保持契約)に抵触する可能性があります。
Microsoftの説明は以下となります。
Windowsの使用時には、問題の特定とトラブルシューティングを行い、デバイスを最新の状態に維持して保護するために役立つ診断データがMicrosoftによって収集されます。設定によっては、Microsoftの製品やサーヒスを改善し、バーソナライズされたエクスペリエンスをユーザーに提供するためにも診断が役立つ可能性があります。このデータはMicrosoftに送信され、固有の識別子と共に保存されます。これらの識別子によって、ユーサーやデバイスを認識し、デバイスのサーピス問題および使用パターンを理解します。診断データには、[完全]と[基本]の2レベルがあります。
[基本]のデータは、Windowsの動作に不可欠なデータです。このデータは、デバイスの機能やインストールされているソフトウェア、Windowsの動作の正常性をMicrosoftに伝え、Windowsとアプリをいつでも安全に最新の状態で適切に実行するために活かされます。このオプションを選択した場合は、基本的なエラーレポートがMicrosoftに送信されます。
[完全]のデータには、[基本]で収集されたすべてのデータが含まれます。これに加え、アプリの使用状況、ブラウザーの使用状況、特定の機能やアプリの使用形態と長さ、特によく使用されるアプリと機能、Windowsヘルプとサポートの使用頻度、アプリへのサインインに使用するサーヒスに関するデータが収集されます。[完全]では、システムやアプリがクラッシュしたときのデバイスのメモリの状態など、追加の診断データも収集されます(この中には、問題の発生時に使用していたファイルの一部が意図せす含められる場合があります)。単語や文字など、ユーザーが入力または手描き入力したデータからは、すべての識別情報が除外されます。この追加データはすべて、あらゆるユーザーを対象としてMicrosoft製品とサービスを向上するために、総体的に使用されます。
いずれのレベルの場合も、別の[診断データを使用してエクスペリエンスをカスタマイズする]設定(下記参照)でユーサーが許可した場合を除き、Microsoft製品またはサーヒスをパーソナライズするためにこのデータが使用されることはありません。
診断データの収集レベルは、[スタート]>[設定]>[プライバシー]>[フィードバックと診断]でいつでも調整できます。
診断データを使用してエクスペリエンスをカスタマイズする
Internet Explorerを使用していると時々「Microsoftの推奨はEdgeです。Internet Explorerを今後も使いますか」と聞いてきます。この類のものがMicrosoftの言う「エクスペリエンス」です。
「エクスペリエンス」とは「余計なお節介」とか「Microsoftの広告」と読み替えた方がよいかもしれません。
Microsoftの説明は以下となります。
エクスペリエンスのカスタマイズを有効にすると、Windowsとその他の製品およびサービスのエクスペリエンスをバーソナライズするために、「診断」で説明した使用状況データの一部が使用されます。これには、Windowsのカスタマイズと最適化に関する推奨事項と、Windowsの機能およびサポートされているアプリ、サーヒス、ハードウェア、周辺機器に関する推奨および提案が含まれます。たとえば、デバイスを最大限に活用できるように、ユーザーが知らない可能性のある機能や新機能について、情報が表示されます。Windowsデバイスに問題が発生している場合は、ソリューションが提案されることもあります。ロック画面を写真でカスタマイスする、好きな種類の写真をもっと表示する、好きでない種類の写真を表示しないようにする、などの機会を提示されることもあります。ブラウザーで映画をストリーミングしている場合、より効率的なストリーミングが可能なストアアプリが推奨されることもあります。または、ハードドライプの領域が不足している場合は、WindowsからOneDriveオンラインストレージサーヒスを試してみるように推奨されたり、必要に応じて容量を追加購入するように推奨されることもあります。利用状況データの範囲は、選択した診断レポートの設定が[完全]か[基本]かによって異なります。たとえば、[完全]を選択した場合は、プラウザーとアプリの使用状況がデータに含まれます。ただし、エクスペリエンスのカスタマイズを有効にした場合も、クラッラュ、音声認識、入力、手描き入力のデータはバーソナライズに使用されません。この設定は、[スタート]>[設定]>[プライバシー]>[フィードバックと診断]でいつでもオフにできます。
関連性の高い広告
広告識別子を「オフ」にしても広告の数は変わらないとのことでどちらでもよいのですが、無駄遣いを防止するためにも「オフ」にしておいた方がよいでしょう。
Microsoftの説明は以下となります。
アプリ開発会社や広告ネットワークがより関連性のある広告をアプリ内で提供できるよう、Windowsによってデバイスのユーザーごとに一意の広告識別子が作成されます。広告識別子が有効な場合、アプリは広告識別子にアクセスして使用することができます。これは、Webサイトがcookieに保存されたー意の識別子にアクセスして使用するのとほぼ同じ仕組みです。アプリ開発者(およびアプリ開発者が利用する広告ネットワーク)は広告識別子を使用して、ユーサーに関連性の高い広告を表示するなど、アプリ全体にわたってパーソナライズされたエクスペリエンスを提供します。この設定は、[スタート]>[設定]>[プライバシー]でいつでもオフにできます。広告識別子をオフにすると、ユーザーの興味を引かない、関連性の低い広告が表示される可能性がありますが、表示される広告の数は変更されません。オンに戻すと広告識別子がリセットされます。
Windows Defender SmartScreen
Windows Defender SmartScreenとはMicrosoftが提供するクラウドベースのセキュリティソリューションです。
サードパーティ製セキュリティソフトを使うなら必要ありません。通常はこれらのソフトをインストールすると自動でオフになります。
Microsoftの説明は以下となります。
Windows Defender SmartScreenは、ユーサーが閲覧するWebサイトやダウンロードするファイルに関するデータをMicrosoftに送信し、必要に応じて警告を送り、このデバイス使用しているユーサーを危険なWebコンテンツや悪意のあるソフトウェアから守ります。Microsoftのサーピスおよびサードパーティのサーピスの使用時にユーザーを保護できるように、Windows Defender SmartScreenは既定でオンになります。Windows Defender SmartScreenは、[スタート]>[設定]>[プライバシー]でいつでもオフにできます。
推奨設定
説明は6項目ありますが、アップデート時に設定できるのはWindows Defender SmartScreenを除いた5項目だけです。
Windows Defender SmartScreenは必ず「オン」になりますので、不要な場合はアップデート後に「オフ」にする必要があります。
Windows 10 Creators Updateのアップデート時のプライバシー設定は「オフ」にすると制限される内容の説明が表示されるようになりました。
ただし、説明文の色が変わり、イレギュラーな設定と誤認させ「オン」にさせようとする意図が感じ取れます。
そして更にプレッシャーをかけるようにボタンも「同意」に変わっています。
具体的な推奨設定ですが、Windows 10 バージョン1511のプライバシー設定で説明したようにWindows Defender SmartScreen以外は「オフ」または「基本」にした方がよいでしょう。
Windows 10 Creators Updateのアップデート時のプライバシー設定も5項目に集約されましたが状況は変わりません。アップデート時のプライバシー設定はすべて「オフ」または「基本」にした方がよいでしょう。
なお、モバイル用途で位置情報を必要とする場合など、特別な設定をしたい方は下記を予めメモしておいてアップデートに臨んでください。
位置情報 | オン / オフ |
音声認識 | オン / オフ |
診断 | 完全 / 基本 |
診断データを使用して エクスペリエンスをカスタマイズする |
オン / オフ |
関連性の高い広告 | オン / オフ |
まとめ
4月5日からの手動でのWindows 10 Creators Updateへのアップデートは試してみようと考える方も多いと思います。
画面が変わり、戸惑ってデフォルト設定を受け入れないように、まず、プライバシー設定だけでもよく考えて決めておいてください。
その他にもアップデート手順での変更はありますが、大きな違いはありません。
なお、アップデートしたら終わりではなくアップデート後の注意点も参照の上必要な設定をしておいてください。
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