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Windows 10 バージョン1903にアップデートすべきか、秋の更新(19H2)にかかわる問題

Insider Preview
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5月に配信が始まったWindows 10 バージョン1903は非常に遅いテンポですが、徐々にアップデート対象を広げています。

いざ、自分のパソコンに配信されて来た場合、今回のアップデートは今までとは大きく意味合いが違うことを知っておくべきでしょう。

Windows 10 バージョン1903の配信状況

2019年5月21日に配信の始まったWindows 10 バージョン1903はこれまでと違う配信方針を執っているようです。

「Windowsはサービスである」というMicrosoftは、Windowsは常に最新のバージョンを使わなければならないという非常に強硬な姿勢で配信していました。

新しいバージョンが完成するとアップデート可能なパソコンすべてに配信を始めたため、延期またはブロックを行っていないパソコンすべてがアップデートされました。その結果、Windows 10 バージョン1803では配信開始から2か月で75%ものパソコンがアップデートされました。

Windows10-v1903-should-we-update-01

出典:AdDuplex Report for June 2019(adduplex)

この図でもWindows 10 バージョン1703からバージョン1803までは、配信直後からのカーブがだんだんと垂直に近くなってきていることが分かります。

Microsoftの自信の表れとも言えますが過信だったのでしょう。この強硬なアップデートはWindows 10 バージョン1809においてユーザーのデータを永久に消失させる大きな失敗を引き起こしました。実はこのバグはユーザーから報告されていたにもかかわらず無視していたのです。

その結果ユーザーはWindows 10を信用しなくなり、Windows 10 バージョン1809は配信後9ヶ月経っても36%までしかアップデートが進まない状況となっています。

そして、この状況はWindows 10 バージョン1903でも同様で配信後1か月で7%までしかアップデートが進んでいません。

 

Windows 10のアップデート方針の変更

今年の2月、Microsoftは20H1、すなわち来年の春にリリース予定のWindows 10 バージョン2003をWindows Insider ProgramのSkip Ahead ringに向けて配信を始めました。このバージョンのテストには長い期間が必要との理由からです。

しかし、Windows 10 バージョン1903すなわち19H1が完成すると、19H1のテストを行っていたWindows Insider ProgramのFast ringをSkip Ahead ringと統合してしまいました。

その結果、秋にリリース予定のWindows 10 バージョン1909である19H2をテストするWindows 10 Insider Programが存在しないという異常な状態となりました。

19H2がどうなるのか分からない状況が続き、4月に行われたWindows Insider Programの会合であるWindows Insider Meetup 2019では、MVPの方がポロっと19H2はスキップが決まったようなことを言っていました。

そして7月になり19H2のInsider Previewが始まりましたが、どうも従来と状況が違っています、

引用すると、

Hello Windows Insiders!

Today, we are talking about the next steps we are taking at continuing to evolve Windows 10 servicing and quality with the next feature update for Windows 10. This release has been referred to as 19H2 with Insiders. 19H2 will include a scoped set of features for select performance improvements, enterprise features, and quality enhancements and will be delivered to customers running the May 2019 Update using servicing technology (like the monthly Cumulative Update process).

とあり、19H2はMay 2019 UpdateすなわちWindows 10 バージョン1903に累積更新プログラムとして提供されるとあります。

ただし、現時点ではWindows Insider ProgramにSlow ringで参加しているパソコンのみが対象とのことで、月次の累積更新プログラムに混ぜて配信されるとのことです。

そしてリンク先の記事を見ると更に詳細に説明されています。

引用すると、

Today, as part of our commitment to transparency, we are providing an overview of how we plan to further optimize the delivery of our next feature update. This optimization is specific to devices running the Windows 10 May 2019 Update. For devices running earlier versions of Windows 10, the process remains unchanged.

とあり、19H2の機能更新プログラムを累積更新プログラムに混ぜて配信するのはWindows 10 バージョン1903が動作しているパソコンのみで、以前のバージョンのパソコンは変更が無いとのことです。

Next feature release of Windows 10

The next feature update for Windows 10 (known in the Windows Insider Program as 19H2) will be a scoped set of features for select performance improvements, enterprise features and quality enhancements. To deliver these updates in a less disruptive fashion, we will deliver this feature update in a new way, using servicing technology (like the monthly update process) for customers running the May 2019 Update who choose to update to the new release. In other words, anyone running the May 2019 Update and updating to the new release will have a far faster update experience because the update will install like a monthly update.

19H2はパフォーマンスの改善とエンタープライズ機能、品質の強化が含まれているそうです。そしてより速い更新エクスペリエンスが得られるとあります。

要は19H2の更新を小出しで毎月インストールしていくので、Windows 10 バージョン1903を使っていても、いつの間にかバージョン1909になっているということです。

現状ではWindows Insider ProgramのSlow ringにしか混入させないようですが、インストールされた機能更新のオン/オフはMicrosoftが行えるようになっているそうです。そのため、テストの進捗状況によってはWindows Insider Programに参加していない一般のパソコン向けの累積更新プログラムにも混入される可能性があります。

Next steps

As with all our feature updates, we utilize a multifaceted quality strategy that includes automated and manual testing and leverages the Windows Insider Program to obtain user feedback and data on quality. The next update to Windows 10 will be no different. We will begin releasing 19H2 builds to Windows Insiders in the Slow ring starting today, with new features being offered in future Insider builds as they are ready. Note: some Insiders may not see the new features right away as we are using a controlled feature rollout (CFR)1 to gain better feedback on overall build quality. Broad availability of the next update to Windows 10 will begin later this calendar year. We will share further details on Insider Preview builds as we release each new build for both 19H2 (Slow ring) and 20H1 (Fast ring). Windows Insiders who have opted into the Fast ring have been providing feedback on 20H1 builds from our development branch since February 14.

19H2が広範囲で利用可能になる、すなわち一般向けのリリースはカレンダーで今年の後半になると言っていますが既に後半ですので、先に配信とインストールだけしておき、時期になったら順次オンにしていく可能性があります。

 

問題点

この変更の何が問題なのかというと、19H2の品質が下がる可能性が高いということです。

従来、Windows Insider ProgramはFast ringとSlow ringという2つのグループで同じバージョンのテストを行っていました。

そして、新しい機能をすぐに試せるFast ringと、ある程度安定しないと試せないSlow ringとでは、参加者のモチベーションからもFast ring参加者の方が圧倒的に多いと考えられます。

実際のFast ringとSlow ringとのリリース頻度の違いはこちらで確認できます。

しかし、Windows 10 バージョン1903のリリース以降、Fast ringは20H1、Slow ringは19H2とring毎にテスト対象のバージョンを分けてしまいました。

19H2は品質向上などのマイナーアップデートではありますが、Windows 10 バージョン1903は現時点でも細かなバグを抱えており、その修正が他の部分に影響を与えていないかSlow ringの人員でテストできるのかは疑問が残ります。

そして、その低品質と成り得る機能更新プログラムは月次の累積更新プログラムに混ぜて配信されるためブロックすることは不可能です。

 

Windows 10 バージョン1903にアップデートすることの意味

Windows 10 バージョン1903については、こちらの記事で説明したように多くのメリットとデメリットがあります。

それに加えて今回判明した事実は、

一度、Windows 10 バージョン1903にアップデートしたら、以後、大型アップデートの拒否は不可能

ということです。

具体的には、Windows 10 バージョン1903にアップデートしてしまうと、次回の大型アップデートは細かく分割されて月次の累積更新プログラムと一緒に無効の状態でインストールされます。あとはMicrosoftが遠隔操作で有効にするのを待つばかりとなるためです。

 

今回公開されたアップデート方法は既にOffice 365やOffice Premiumでは行われていることです。ただし、WindowsというOSの更新とOfficeというアプリの更新では影響の度合いが大きく違います。

アプリの更新による影響はそのアプリだけですが、OSの更新はすべてのアプリと周辺機器に影響を与えます。例えば、アップデート前まで使えていた周辺機器やアプリが使えなくなることはよく起こります。

従来なら以前のバージョンに戻すなどの対処策がありましたが、今回の更新方法では戻すことは不可能です。変更された機能を無効化できるようになるなら対処可能ですが、実現される可能性は低いです。

ちなみにOffice 365やOffice Premiumでは以前のバージョンには戻せませんし、無効化の方法も提供されていません。

 

まとめ

Windows 10 バージョン1903にアップデートするということは、Microsoftに抗うすべを放棄することを意味します。

新しいバージョンアップ方式にはならないWindows 10の最後のバージョンである1809のサポート期限は2020年5月12日です。

それまでに新しいパソコンや周辺機器に買い替えるなど、新しいアップデートの仕組みでも問題にならない環境を整える必要があります。

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