Windows 10 Insider Preview Build 14371がリリースされました。
このBuildからハード構成変更時にライセンス認証できない問題に対処するためMicrosoftアカウントを使うことになりました。
この変更は、いろいろな問題を孕んでいます。
Windows 10 Insider Preview Build 14371
2016年6月22日にBuild 14371がリリースされました。
Insider Hubからそのまま引用します。
Here’s what’s new in Build 14371
Activation Improvements: We’ve received feedback from Windows Insiders who have run into activation issues on Genuine Windows devices after making changes to device hardware such as replacing a hard drive or motherboard. As part of the Windows 10 Anniversary Update and starting with this Insider Preview build, we're introducing the Activation Troubleshooter that will help you address most commonly encountered activation issues on Genuine Windows devices including those caused by hardware changes. For example - if your device has a digital license (formerly called “digital entitlement”) for Windows 10 Pro from a previously installed activated Windows 10 build but you accidentally re-installed Windows 10 Home on such a device, the troubleshooter will automatically guide you through upgrading to Windows 10 Pro and activate Windows. You can launch the troubleshooter by going to Settings > Update & security > Activation and select Troubleshoot. Remember, Windows 10 Insider Preview builds are intended to be installed on Genuine Windows devices.
誤訳してしまうと問題なので、日本語の説明を知りたい場合は、ニュースサイトの記事を参照願います。
- ハードウェア構成変更後に発生するアクティベート問題に対処した Windows 10プレビュー版の最新ビルド「14371」公開(ITmedia)
- Windows 10新プレビューでハード構成変更に関わる認証問題を改善(PC Watch)
要は正常にライセンス認証されている状態をMicrosoftアカウントに紐付けることで、同じPCでライセンス認証に失敗する事態が発生した場合、トラブルシューターを使うことでMicrosoftアカウントに紐付けられた情報からライセンス認証を完了させるということです。
問題点
まず、この説明は非常にあいまいで、今まで以上にハード構成を変更しても大丈夫なのか、逆に限定されたのかよく分かりません。
また、ライセンスキー、パソコン固有情報、Microsoftアカウント、この3つの要素のどれを優先して認証するのかが不明です。
この説明を単純に解釈すると、今までWindows 10ライセンスはパソコンに紐付くものだったのが、人(Microsoftアカウント)に紐付くように定義が変更されたように取れます。
メーカー製Windows 10プリインストールPCの場合
Windows 10がプリインストールされたパソコンの場合、BIOSにライセンス情報が記録されています。この情報で行うライセンス認証をOEMライセンス認証と言います。
ライセンス情報をMicrosoftアカウントに紐づけてしまうと中古市場を潰すことになるため、OEMライセンス認証の場合はMicrosoftアカウントに紐付けられないと思われます。
ショップブランドPCや自作PCの場合
これらのパソコンはBIOSにライセンス情報は記されていないため、Windows 10のライセンスキーを必要とします。
ライセンスキーを使ってライセンス認証するということはパソコン固有情報とライセンスキーを紐付けることです。
そして今回の変更でMicrosoftアカウントにも紐付くことになります。
Aさん所有の自作PCをBさんに譲渡し、Bさんが構成変更を行ったところライセンス認証が解除されてしまったとします。
BさんのMicrosoftアカウントにはライセンスキーは紐付いていませんので、ライセンス認証は完了しません。
通常、ここで電話認証することになりますが、このWindows 10のライセンスはMicrosoftアカウントに紐づいたAさんのものとなるのか、パソコンの譲渡を受けたBさんのものとなるかです。
Microsoft Office Home & Business 2013はパソコンにプリインストールされるもので、パソコンに付属するため、パソコンの譲渡とともにライセンスも移管されますので、パソコンの譲渡を受けた人はOfficeを利用できます。
Microsoft Office Home & Business Premiumは利用するためにはMicrosoftアカウントに紐付ける必要があります。パソコンを譲渡した場合、元の所有者はパソコンの所有権とともにOfficeの利用権も失います。譲渡を受けた者はOfficeが元の所有者のMicrosoftアカウントに紐づいているためOfficeを利用できません。
Microsoft Office Home & Business Premiumはパソコンの譲渡が発生したことによりライセンスが消滅することになります。
Windows 10についてもMicrosoftアカウントに紐づくことになるとパソコンの譲渡でライセンスが消滅する可能性があるのです。
まとめ
今回のMicrosoftアカウントへの紐付けはどのように機能するのか、現状の情報ではよく分かりません。
基本的にはライセンス認証の問題が解決する良い方向になると思われるのですが、譲渡が絡むと困った問題が起きるかもしれません。
ただ、ライセンス認証の詳細な情報を公開してしまうと海賊版が出てきますので、Microsoftはこれ以上の情報は流さないかもしれません。
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