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Microsoft 365(旧Office 365)も激安で売られているのは何故か

Microsoft Office
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買い切りのMicrosoft Officeは昔から秋葉原の露店でも販売されていたので、ヤフオクで売られていると聞いても驚きはありませんでした。しかし、友人に聞いたところサブスクリプション契約のMicrosoft Office 365まで売られているというのには、さすがに驚きました。

調べてみるとかなり危ないものなのですが、特に企業ユーザーは絶対に使ってはいけません。

Microsoft Officeのプロダクトライフサイクル

日本で販売されているほとんどのパソコンは、昔からMicrosoft Officeが添付されていました。日本人の気質なのか、サービス残業を厭わず自宅にまで仕事を持ち込むことが多かったためです。そのため日本で販売されるパソコンにはMicrosoft Officeが標準添付され、商用利用まで許可されていました。

今ではリモートワークが一般的となりましたが、運用形態によっては自宅のパソコンにMicrosoft Officeが必要になります。

パソコンに添付されているMicrosoft Officeですが、バージョンは固定でアップグレードができません。パソコンメーカーとしては、Microsoft Officeのサポートが切れる前にパソコンごと買い替えて欲しいのでしょう。

そうは言ってもパソコンの価格は年々上がっており、更に半導体不足と円安で相場が一気に急騰してしまいました。こうなるとサポートが切れる前にMicrosoft Officeだけでも買い替える必要があります。

Microsoft Officeにおける2024年1月時点でのサポート期限は以下の通りです。(Windows版のみ)

製品名(バージョン) サポート終了日
Microsoft Office 2021 2026/10/13
Microsoft Office 2019 2025/10/14
Microsoft Office 2016 2025/10/14
Microsoft Office 2013 2023/04/11
Microsoft Office 2010 2020/10/13
Microsoft Office 2007 2017/10/10
Microsoft Office 2003 2014/04/08

ExcelやWordという個別製品も同様ですが、サーバー製品などでは違うものもあります。細かく調べたい場合は、こちらから検索してください。

製品およびサービスのライフサイクル情報の検索 - Microsoft Lifecycle
注: 「ライフサイクルのエクスポート」ページからライフサイクル情報をエクスポートしてください。 Microsoft ライフサイクルは、製品の存続期間を通じてサポートするための一貫した予測可能なガイドラインを提供し、お客様が将来への戦略的な計...

既にサポートが終了している製品は、いつセキュリティ更新プログラムの配信が停止するか分かりませんので、早々に買い替えるべきでしょう。

問題はMicrosoft Office 2013です。ちょうどサブスクリプション契約のMicrosoft Office 365(現Microsoft 365)と買い切り版のMicrosoft Office 2013に別れた時期です。Microsoft Office Premiumという美味しい製品も出ましたが、入手できた人はラッキーでした。

Microsoft Office Premiumは終了で在庫のみ、以後はバージョン固定版のみ
日本で販売されているパソコンの殆どにMicrosoft Officeが付いています。 このMicrosoft Officeですが、今年の初めから製品内容が変わってきています。 その違いに気付かずにパソコンを購入すると余計な出費につながる場合...

このMicrosoft Office 2013は、昨年の4月11日サポートが終了しました。今までの例からすぐにセキュリティ更新プログラムの配信が止まるとは思えませんが、買い替えないと危険なことは確かです。

 

買い替える道は2つ。買い切りのMicrosoft Office 2021を買うか、Microsoft 365を契約するかです。どちらを買った場合でもパソコンを買い替えた場合は、Microsoft Officeを買い替えなくても引き続き使うことができます。

ヤフオク版Microsoft Office 365とは

ここで怪しい話になりますが、第3の手というべきヤフオク版Microsoft Office 365というものがあります。ヤフオク版Microsoft Office 2021/2019についてはこちらの記事を参照してください。

Microsoft Officeが格安で販売されている理由とは?
使うためには年間1万円以上払わなければならないMicrosoft Officeですが、探すと非常に安く売っているのを見つけることができます。 どうしてそんなに安く売られているのでしょうか。また、買っても問題ないのでしょうか。

先に結論を言ってしまえば、ヤフオク版Microsoft Office 365は海賊版ソフトです。プログラムは製品版との違いは無いのですが、契約上の問題があります。

インストールまでの手順

調べるために落札してみました。

落札すると取り引きメッセージでMicrosoftアカウントと仮パスワードを連絡してきます。そのアカウントでOffice 365ポータルにサインインします。

パスワードを変更したあと、指示に従ってOffice 365をダウンロードしながらインストールします。インストールが完了すると、デスクトップ版Microsoft Office 365が使えるようになります。ヤフオク版Microsoft Office 2021とは違い、電話認証コードを取り引きメッセージで送る必要はありません。

指定されたMicrosoftアカウントは変更できません。ヤフオク版Microsoft Officeを使うには指定されたMicrosoftアカウントで使う必要があります。

仕様

マイアカウントを見てみると「Office は、最大で5台のPC またはMac、5台のタブレット、および5 台のスマートフォンにインストールできます。」とあります。

OneDriveについてはMicrosoftが利用をブロックしたようで、使えないようになっていました。

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ヤフオク版Microsoft Office 365の問題点

ヤフオク版Microsoft Office 365は海賊版という扱いになり、いろいろと問題があります。

ソフトウェア ライセンス条項

Excelのバージョンを表示させると、このようなウィンドウが表示されます。これはMicrosoft Office 2021/2019とは内容が異なることが分かります。

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そしてライセンスの取得元が限定されており、そこ以外から取得した場合は使用できないとあります。

Microsoft Officeの種類

サブスクリプションの項目を見るとヤフオク版Microsoft Office 365は、「Office 365 A1 Plus for faculty」であることが分かります。

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Office 365 A1 Plus for facultyとは、Office 365 Education、すなわち教育機関向けの製品です。調べてみるとOffice 365 A1は特定の条件を満たす場合に契約でき、教員や生徒のライセンスは無料となるようです。A1は基本的にWeb版Officeしか使えませんが、Plusと付く場合はデスクトップ版のOfficeも使えます。

これがヤフオクで格安販売されている理由と思われます。

Office 365 A1 Plus for facultyを契約できた教育機関のIT担当者が架空の生徒を登録して、その生徒が使うはずのOffice 365 Educationをヤフオクで販売しているのでしょう。無料のものを売っているのですから売り上げはすべて儲けです。

そしてヤフオクで落札した人は、その教育機関の生徒ではありませんので本来は使用できないということになります。

コンプライアンス上の問題

個人の場合も海賊版の使用ですので問題ですが、企業の場合は更に深刻です。コンプライアンスの問題があります。

コンプライアンスとは「法令遵守」という意味ですが、企業としては社会規範に即した企業倫理規定を定めており、それを遵守することを意味します。

コンピューターソフトウェアを使うようになってから、どこの企業でも違法ソフトの使用は禁止しているはずです。ヤフオク版Microsoft Office 365を使うことはコンプライアンス違反となります。

理解が浅く知らないで使っている場合もありますが、このような確信犯もあります。

知人が勤めていた中古パソコン販売店では、買い取ったパソコンの写真から背景を消してサイトに登録します。このソフトをインストールして使えと渡されたのはPhotoshop CS2で、ライセンスについて聞いたところ、フリーソフトだと言われたそうです。

このPhotoshop CS2というソフトウェアはいわくつきです。ライセンスサーバーを停止することで購入者が再インストールできなくならないように、Adobeはライセンス認証を外したものを公開しました。一時期誰でもダウンロードできるようになっていたことで、フリーソフトだと思い込んでいる人もいたようです。しかし、Adobeはフリーソフトではないと明言しています。中古パソコン販売店がそのような情報を見ていないはずはありません。

Impress Watchで紹介されたこともある大きな中古パソコン販売店ですが、このようなことをやっています。これが知れれば企業としての信頼を失い、業績への影響も出るでしょう。

同様にヤフオク版Microsoft Office 365を使っていて、監査役にソフトウェア ライセンス条項の画面を見られたら言い逃れできません。提示できる契約書類など無いのですから。

そのようなことにならないように、ヤフオク版Microsoft Office 365は使うべきではありません。

仕様上の問題

マイアカウントを見てみるとホーム組織から脱退できないとあります。

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翻訳するとこのような記述となります。

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Microsoft Office 365はサブスクリプション契約です。利用を続けるには使用料を払い続ける必要があります。では誰が払っているのかと言えば、Office 365 Educationを契約した教育機関です。落札したライセンスはその教育機関の生徒が使うものですので、ホーム組織からは脱退できないことになります。

そしてホーム組織の管理者の権限は利用者より強いですから、OneDriveに重要なファイルを置けば覗かれる可能性があります。

MicrosoftがOneDriveをブロックしたのはそのためと思われますが、ヤフオクではOneDriveが使えることを売りとして販売しているものもあります。

まとめ

ヤフオク版Microsoft Office 365は海賊版ソフトウェアです。しかもヤフオク版Microsoft Office 2021/2019などの買い切り版と異なり、契約元の教育機関に紐付いた状態です。下手にOneDriveにファイルを置けば覗かれたり盗まれたりする可能性があります。

そしてコンプライアンス上の問題がありますので、特に企業ユーザーは使わないようにしてください。

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