Windows 10のヤバい進化、次期バージョン19H1からProでも更新の延期が不可能に?(更新)

Insider Preview
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以前からユーザーがWindows Updateを触れなくする動きがありましたが、Windows 10 Insider Preview Build 18282でとうとう実装してきました。

今まではWindows 10 Proなら最大365日更新を延期できましたが、このビルドからは最大7日に制限される可能性がでてきました。

Windows 10 Insider Build 18282

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2018年11月14日にWindows 10 Insider Preview Build 18282がリリースされました。

PC WatchではWindows Updateを一時的に中止できるのが新機能とありますが、そんなものはWindows 10 Proには以前から実装されています。

これはWindows 10 Pro バージョン1809の設定画面ですが「更新の一時停止」という項目があることが確認できます。

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そして壁紙が変わっています。

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これは新しい「Windows Light Theme」に合わせたものです。「白」にすることでタスクバーなども明るい色に変化します。

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なお、Windows 10の既定の壁紙は「C:\Windows\Web」にありますが、Build 18282では置き換わっており、従来の暗い壁紙は残っていません。必要な場合はコピーしておくとよいでしょう。

 

Windows 10 Proを買う意味が無くなる!

今回のBuildから「Windows Light Theme」を実装したと同時に、開発者の脳みそまで「Light=軽く」なってしまったようです。

顧客からのフィードバックでWindows Updateを遅らせる機能と自動的にアクティブ時間を設定する機能を実装したとのことです。

しかし、顧客が望んでいるのはWindows Updateによる自動更新を止めることと、アクティブ時間という考え方自体を止めることです。フィードバックを曲解するほどバカになったのでしょうか。

 

更新プログラム適用時期設定の廃止

こちらがBuild 18282のWindows Updateの画面です。

「更新を7日間一時停止」という項目が追加されています。

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そして「詳細オプション」はこのような画面となります。「更新の一時停止」が変わっています。

しかし、よく見ると何か足りません。

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こちらのバージョン1809の画面と違い、Build 18282では「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」という項目が削除されています

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「更新の一時停止」で選択できるのも7日先までです。

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Windows 10 Homeでは「更新の一時停止」は無かったので実装されるなら少しは余裕ができるかもしれません。

しかし、半期チャネルまたは半期チャネル(ターゲット指定)を選択できて、更に最大365日延期できるのがWindows 10 Proの最大のメリットだったにもかかわらず、完全に削除されてしまいました。

これではWindows 10 Proを買う意味が全くありません。

(2018/11/19 追記)

コメントで頂いた情報では、これまではInsider Previewでは表示されていないのが当たり前とのことです。Insider Programの停止や初期化を試してみましたが停止することができず、製品版にすれば表示されるのかを確認することはできませんでした。

 

アクティブ時間の自動設定

もう一つの変更「アクティブ時間」については「日々の使用状況を元にアクティブ時間を自動設定する」という項目が追加されています。

デフォルトでは自動設定は「オフ」であり、「変更」から従来通り「アクティブ時間」の設定は可能です。

「日々の使用状況を元にした推奨するアクティブ時間」をクリックすると「アクティブ時間」が推奨するものに変更されます。

しかし、この「使用状況」というものが正確に把握できないから、勝手に再起動される事故が起きているのであり意味がありません。

それでもMicrosoftは、以前からAIによる使用状況の判定を自動再起動に採用してテストしており、それなりの精度が確保できたと判断したのでしょう。

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しかも最大で18時間という制限は変わっていません。

決まった時間帯でしか使わない人ばかりではありませんので24時間を指定できないと困ります。すなわちアクティブ時間という概念そのものが間違っているのです。

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「日々の使用状況を元にアクティブ時間を自動設定する」を「オン」にすると「日々の使用状況を元にした推奨するアクティブ時間」に設定され「アクティブ時間」を変更できなくなります。

「オフ」に戻しても「アクティブ時間」は「日々の使用状況を元にした推奨するアクティブ時間」が設定されたままですが、変更はできるようになります。

Windows 10 Homeではデフォルトで「オン」または「アクティブ時間」を変更できなくする可能性もでてきました。

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何故、Windows 10 Proでも延期不可能としたか

今回のBuildで半期チャネルと半期チャネル(ターゲット指定)を選択できなくした理由ですが、ここ最近の状況から次のように考えることもできます。

つい先日、ライセンスサーバーの障害によりWindows 10 Pro/Enterpriseのライセンス認証が外れる事故が発生しました。Pro以上ですのでWorkstationやEducationも対象だったと思われます。

障害復旧までには約24時間かかりました。最近頻発しているDDoS攻撃によるものとしても復旧までの時間がかかり過ぎておりハード障害の可能性があります。

企業の業務に関わるEnterpriseを扱うライセンスサーバーですので、Homeなどと違い、より堅牢なシステムだったはずなのに約24時間も停止したことは重大な問題だったはずです。

顧客へのプレゼン画面に「このPCはライセンス認証されていません」などというウォーターマークが表示されていたら印象は最悪でしょう。

その問題の原因が何かしらの過負荷によるものとした場合、負荷を軽減するためProを管理対象から外すことを考えたのかもしれません。

すなわち、従来はHomeとPro/Workstation/Education/Enterpriseとに分けていたものをProを格下げしてHome/ProとWorkstation/Education/Enterpriseとに管理グループを変えた可能性があるということです。

Proを使っている中小企業やITプロフェッショナルにはEnterpriseかWorkstationに移行してもらい、それができないProユーザーにはHomeと同様に半期チャネル(ターゲット指定)の対象としてオープンベータテストに参加してもらうという考えです。

Windows 10 バージョン1809で発生した問題についても、Proを降格させることでパワーユーザーをオープンベータテストに強制参加させることができ問題の早期発見につながるため、Microsoftにとってのメリットは大きいでしょう。

クリティカルな問題については一般ユーザーを利用した大規模なテストより少数のパワーユーザーによるテストの方が重要であることに気付いたのかもしれません。

これらの理由からProの扱いを変更する必要が出てきた可能性があります。

 

今後もWindows 10を使い続けるべきか?

多少高価でも設定だけでWindows Updateを延期できるWindows 10 Proにはそれなりの意味がありました。

しかしBuild 18282での変更によりWindows 10 Proが意味を持つのはWindows 10 バージョン1809までとなります。

今回の変更は2019年4月にリリースされる次期大型アップデート19H1で実装される予定なので、Windows 10 バージョン1809を最後のWindows 10と考えるべきでしょう。

 

今後は、MacかLinuxに移行するのが最善ですが、Windows 10を使い続けるならバージョン1809以降にアップデートされないように注意する必要があります。

Windows 10 19H1がリリースされればWindows Updateを回避する方法も出てくると思われますが従来のように「設定」アプリで簡単に設定できるものではなくなります。

またWindows 10 Proの意味が無くなりますのでパソコンを買うならWindows 10 Home搭載機種で十分でしょう。

 

まとめ

Insider Preview上ですが、とうとうWindows Updateを止める方法が限られてきました。回避は可能でしょうが実行するにはスキルが必要となってきます。

スキルが無ければMicrosoftの思惑通り勝手にアップデートされることで作業を邪魔され、作業環境の復旧という仕事が増えることになります。

スキルを身につけるか、素直にアップデートするか、MacやLinuxに移行するか。来年の春には選択を迫られるかもしれません。

コメント

  1. シンさま より:

    こんばんは
    さすがにこれは企業が受け入れないでしょう。
    メインフレームもオープン系もメンテナンスは夜間に行いますが、
    普段、日勤でメンテナンスの時は夜勤になる場合、自動的にアクティブ時間を判断されると、夜勤でメンテナンスをやっている時に再起動されてしまう事になります。
    ギリギリの時間でやってるのに再起動で妨害されると…
    オープン系だけでなく、メインフレームも3270エミュレータ(TSO端末)がWindowsのPC上で動いているため、妨害されます。
    猛反発が起きて中止になって欲しいです。

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂きありがとうございます。

      一応、デフォルトでは「オフ」になっており、従来通り手動で「アクティブ時間」の設定は可能です。

      「オン」にすると手動での変更はできなくなります。

      今回のビルドでチャネルの変更が出来なくなっていることから、Windows 10 Proが格下げされた可能性があります。

      Windows 10 Home/Proはコンシューマ向け、Workstation/Enterpriseがプロフェッショナルや企業向けと区分されるなら、Enterpriseなら実装されない可能性があります。

      中小企業でなければEA契約でEnterpriseを使っているでしょうから言われるようなクリティカルな場面での影響は無いと思われます。

  2. masakaz より:

    「更新プログラムをいつインストールするかを選択する」ですがこれまでのInsider Preview(Pro)
    ではずっと項目が非表示で正式リリースされて初めて表示される状況でした。Insiderなので「延期」そのものが出来ないのでそのような動きになっているのかと理解していました。19H1でどのような実装になるかわかりませんが。

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂きありがとうございます。

      御指摘の可能性があるのでInsider Programの停止や初期状態に戻してみたのですが、完全にInsider Previewを停止することができず、製品名はInsider Previewが付いたままです。

      そのため製品版でどうなっているのかは確認できませんでした。

  3. ぽち より:

    msのことだから、仕様変更の仕様変更の仕様変更なんて日常茶飯事だし、
    今の時点で神経質になっても胃を悪くするだけだしw

    最悪はMacやLinuxに移行よりも Server 2016 へ一旦逃避するほうがまだましだよ

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂きありがとうございます。

      言われるように予算が許すなら同じWindows系に移った方が楽かもしれません。

      Windows 10は悪くなる一方でMSは改善する気が無いようなので、後継のOSに期待しましょう。

  4. Lucifer より:

    どうもです、気に障るようでしたらスルーして下さい。

    Windows Update の更新の遅延設定等はローカルポリシーで設定可能です。
    (PRO エディション以上)

    ターゲット機能更新プログラムのバージョンを選択する
    https://admx.help/?Category=Windows_10_2016&Policy=Microsoft.Policies.WindowsUpdate::TargetReleaseVersion&Language=ja-jp

    品質更新プログラムをいつ受信するかを選択してください
    https://admx.help/?Category=Windows_10_2016&Policy=Microsoft.Policies.WindowsUpdate::DeferQualityUpdates&Language=ja-jp

    自動更新を構成する
    https://admx.help/?Category=Windows_10_2016&Policy=Microsoft.Policies.WindowsUpdate::AutoUpdateCfg&Language=ja-jp

    ュートリアル: グループ ポリシーを使用してビジネス向けのWindows Updateを構成する
    https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/update/waas-wufb-group-policy

    > 特定のバージョンを維持する
    > 次のバージョンの延期が経過した時点を超えてデバイスを維持する必要がある場合、またはバージョンをスキップする必要がある場合は、 機能更新プログラム の延期に対して [ ビルドと機能 の更新プログラムの受信時期を指定する] 設定を使用する代わりに、[ターゲット機能更新プログラムのバージョンの選択] 設定を使用します。 このポリシーを使用する場合は、デバイスで使用するバージョンを指定します。 デバイスがサービスの終了に達する前にこれを更新しない場合、エディションのサービス終了から 60 日間経過すると、デバイスは自動的に更新されます。

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂きありがとうございます。

      情報を教えて頂きありがとうございます。

      ご指摘のようにグループポリシーを使えば延期は可能のようですね。

      Microsoftのチュートリアルで説明されているので実現可能なのでしょうけど、ポリシーによる変更は他の部分への影響もあるので動作確認が必要と思われます。

      蛇足ですが「admx.help」は運営組織が不明でWHOIS情報も公開していないので、使わない方がよいかもしれません。

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