Windows 10 バージョン1803に対応した新しい「Windows 10 更新アシスタント」の解析が終わりましたので、アップデートを阻止する手順と、再度実行されるのを防止する方法についてまとめておきます。
最新情報について
2021年8月時点での最新情報に関してはこちらの記事を参照してください。
現状では「Windows 10 更新アシスタント」の強制配信は行われていないため、何も対策しなくても大きな影響は無いようです。
新しい「Windows 10 更新アシスタント」の特徴
Windows 10 バージョン1803へのアップデートに対応した新しい「Windows 10 更新アシスタント」は、いろいろな点でMicrosoftにとっては改良、ユーザーにとっては改悪されています。
従来の「Windows 10 更新アシスタント」は、一般的なアプリケーションと同様にインストールされ「プログラムのアンインストールまたは変更」に登録されるため、簡単にアンインストールできました。
また、準備を始める段階でウィンドウを表示していたため、ユーザーが「Windows 10 更新アシスタント」に気付きやすく、アップデートを阻止するのに十分な時間がありました。
一方、新しい「Windows 10 更新アシスタント」では、一般的な更新プログラムとして配信することでインストールされたことをユーザーに悟らせなくしています。また、権限をSystem権限としたことで管理者権限でも簡単には操作できなくしています。
実行については、すべてバックグラウンドで行い、9割がた終わった段階で30分のカウントダウンの表示だけを行います。そのため、残り30分という時間でユーザーを慌てさせ、アップデートを諦めさせることに成功しています。このカウントダウンは止めても数時間ごとに再表示されるため、注意が必要があります。
このように新しい「Windows 10 更新アシスタント」はいろいろ変わっていますが、実行を阻止することも再実行を防止することも可能です。
前回の記事では急いでいたこともありブロックだけ説明していますが、この記事では実行阻止も含めた完全版としています。
なお、Windows 10では殆どのグループポリシーは無視されますので、正規の方法で対処しようなどという甘い考えは捨ててください。
「Windows 10 更新アシスタント」の実行阻止
現状、Windows 10 Homeで1709以下のバージョン、Windows 10 Proで1703以下のバージョンは、「Windows 10 更新アシスタント」により強制的にWindows 10 バージョン1803にアップデートされる危険性があります。
しかし、カウントダウンに間に合わなかったり、時間が無いので諦めることでアップデートされてしまった場合は、こちらの手順で、以前のバージョンに戻した後、「2.新しいバージョンのWindows 10の削除」に進んでください。
1.カウントダウンの停止
この画面に気付いた場合は、すぐに左下の「後で再起動する」をクリックしてカウントダウンを止めてください。
「後で再起動する」が表示されない場合もあるそうなので、その場合は急いで「2.新しいバージョンのWindows 10の削除」に進んでください。
止めた後は安心せず、続けて作業を進めてください。このカウントダウンは数時間ごとに再表示されますので、対策が完了するまで気が抜けないためです。
そして作業が終わるまで絶対に再起動やシャットダウンはしないでください。再起動やシャットダウンを行うとアップデートされてしまいます。
2.新しいバージョンのWindows 10の削除
再起動後にアップデートされないように、新しいバージョンのWindows 10を削除します。
「設定」アプリを起動して「システム」をクリックします。
左側で「ストレージ」を選択して、右側の「PC (C:)」をクリックします。
サイズの計算途中でも構いませんので「一時ファイル」をクリックします。
「一時ファイル」で各項目のサイズの計算が終わるまで待ちます。
終わったら「Windows の以前のバージョン」にチェックを入れて「ファイルの削除」をクリックします。
削除後に「Windows の以前のバージョン」のサイズが1GB以下になっていれば問題ありません。
右上の[X]をクリックして「設定」アプリを閉じます。
3.「Windows 10 更新アシスタント」の削除
「Windows 10 更新アシスタント」はパソコンの起動直後に実行されるため、再起動後に起動しないように削除しておきます。
画面左下の「Windowsアイコン」をクリックして「Windowsシステムツール」の「コントロールパネル」を起動します。
「プログラム」グループの「プログラムのアンインストール」をクリックします。
「Windows 10 更新アシスタント」を選択して「アンインストールと変更」をクリックします。
「ユーザーアカウント制御」が表示されますので「はい」をクリックして進めます。
「Windows 10 更新アシスタント」が表示されますので「アンインストール」をクリックします。
アンインストールが完了しても何も表示されませんので、「コントロールパネル」のリストから消えたことで確認します。
アンインストールされたら「コントロールパネル」を閉じます。
次に「エクスプローラー」で「C:\Windows」を開きます。
「UpdateAssistant」フォルダーを選択し、[Shift]キーを押したまま[Del]キーを押して完全に削除します。
別のフォルダーを削除しないようによく確認してから削除してください。
確認のダイアログが表示されるので「はい」をクリックします。
「アクセスの拒否」のダイアログが表示されますので「続行」をクリックします。
「UpdateAssistant」フォルダーが削除されたことを確認します。
Windows 10には削除したシステムフォルダーなどを自動的に復活させる機能はありません。
もしも「UpdateAssistant」フォルダーが復活するようならば、使用しているセキュリティソフトが復元している可能性がありますので、セキュリティソフトを一時的に無効化してから削除してください。
4.再起動
アップデートされないようにする準備は整いましたので、もう安心です。
作業中のファイルなどを保存してから「スタートメニュー」の「電源」から「再起動」をクリックして再起動させます。
再起動後は、Windows 10が立ち上がらず、このような画面が表示されますが、
あわてないでください。
[F9]キーを押すとアップデートされていないWindows 10が立ち上がります。
また、この画面が表示されて暫くすると自動的にパソコンの電源が落ちます。その後、再度電源を入れればアップデートされていないWindows 10が立ち上がります。
[F1]キーを押した場合はこの画面となりますが、「別のオペレーティングシステムの使用」をクリックするとアップデートされていないWindows 10が立ち上がります。
いずれかの方法でWindows 10を起動させます。
立ち上がるWindows 10はアップデートされていない再起動前と同じバージョンのWindows 10です。
「Windows 10 更新アシスタント」の再実行防止
「Windows 10 更新アシスタント」は更新プログラムとして配信されるようになったため、何度も再インストールされます。
それを防ぐためにブロックします。
1.ブロック用ファイルの準備
こちらのファイルをダウンロードして、任意の場所に展開してください。
KB4023814(Windows 10 更新アシスタント)のインストールをブロックします。
展開すると、
- UpdateAssistant
- Windows10Upgrade
というサイズが 0バイトの2つのファイルとなります。
2.「Windows 10 更新アシスタント」の削除とブロックファイルの設置
「エクスプローラー」で「C:\Windows」を開きます。
既に再起動前に削除していますが、再度インストールされていないことを確認します。
「UpdateAssistant」フォルダーがある場合は、選択して[Shift]キーを押したまま[Del]キーを押して完全に削除します。
別のフォルダーを削除しないようによく確認してから削除してください。
確認のダイアログが表示されるので「はい」をクリックします。
「アクセスの拒否」のダイアログが表示されますので「続行」をクリックします。
「UpdateAssistant」フォルダーが削除されたことを確認します。
Windows 10には削除したシステムフォルダーなどを自動的に復活させる機能はありません。
もしも「UpdateAssistant」フォルダーが復活するようならば、使用しているセキュリティソフトが復元している可能性がありますので、セキュリティソフトを一時的に無効化してから削除してください。
先ほど展開したファイルの「UpdateAssistant」をこのフォルダーにコピーまたは移動させます。
「アクセス拒否」のダイアログが表示されますので「続行」をクリックします。
正しくコピーまたは移動されたことを確認します。
3.作業フォルダーの削除とブロックファイルの設置
「Windows 10 更新アシスタント」が設置した作業フォルダーを削除します。
「エクスプローラー」でCドライブ直下「C:\」を開きます。
「Windows10Upgrade」というフォルダーが無い場合は、展開したファイルのコピーまたは移動に進みます。
「Windows10Upgrade」というフォルダーがある場合は、「Windows10Upgrade」フォルダーを選択した状態で[Shift]キーを押したまま[Del]キーを押して「完全に削除」します。
確認のダイアログが表示されるので「はい」をクリックします。
「アクセスの拒否」ダイアログが表示されるので「続行」をクリックします。
「Windows10Upgrade」フォルダーが削除されたことを確認します。
先ほど展開したファイルの「Windows10Upgrade」をこのフォルダーにコピーまたは移動させます。
「アクセス拒否」のダイアログが表示されますので「続行」をクリックします。
正しくコピーまたは移動されたことを確認します。
以上で、「Windows 10 更新アシスタント」の実行阻止と再実行防止の作業は、すべて完了です。
注意事項
今後、「Windows 10 更新アシスタント」は更新されたものが再配信されます。その場合、「Windows Update」にこのようなエラーが表示されます。
エラーに「KB4023814」という文字列が含まれている場合は無視してください。
ブロックすると「危険にさらされています」と表示されますが、大丈夫です。理由はこちらの記事を参照願います。
また、Windows Update経由で「Windows 10 バージョン1803の機能更新プログラム」が適用される場合があります。そのため、こちらの記事で説明している対策も行ってください。
この記事では、何故、このような操作をしているのか説明していません。詳しくは「Windows 10 更新アシスタント」の動作の詳細を参照してください。
まとめ
新しい「Windows 10 更新アシスタント」の実行を阻止して再度実行されることをブロックすることは可能です。
ただし、一見、Windows 10が立ち上がらなくなったように表示されるので、精神的なストレスは増しています。
どうも、Microsoftはパソコンに詳しくない一般ユーザーを技術面ではなく精神面で追い詰める策を強化しているようです。
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