FREETELのMVNO事業は楽天に買収されました。来年早々にはFREETELブランドは消え楽天モバイルに統合されるそうです。そして2019年には楽天は第4のキャリアとなる可能性が出てきました。
楽天モバイルではなく、あえてFREETELを選んだユーザーはどうするべきか考えます。
FREETELがMVNO事業を売却
私はMVNOという存在を知ってからイオンSIM(b-mobile)、楽天、FREETEL、BIC SIM(IIJmio)、b-mobile、0 SIM(So-net)、FREETELと何度も乗り換えてきました。
初期のMVNOは契約できるところが限られていて契約するのも大変でした。
それがFREETELはヨドバシ店頭で即日開通ができて大変便利でした。
どんどん売り場も大きくなりヨドバシ新宿西口店では高速バスターミナル跡に売り場が移ってからFREETELの文字がデカデカと掲げられていました。
ところが買収が決まると一気に状況は変わりました。店頭からFREETELの文字が消えてしまったのです。
当然の対応なのですが、驚くとともに感慨深いものがあります。
楽天の動向
楽天はFREETELのMVNO事業を5億2千万円で買収しました。
- 楽天が「FREETEL SIM」買収、格安スマホのMVNO事業のみ(ケータイWatch)
- 楽天、FREETELの格安SIM事業を買収(ASCII.jp)
このニュースは2017年9月26日で11月1日には売却が実施されました。FREETEL SIMなどの契約者は契約はそのままで楽天モバイルに吸収された形となります。
そして、12月4日にはFREETELは民事再生法を申請します。
- 「FREETEL」のプラスワン・マーケティングが民事再生法申請(ケータイWatch)
FREETELとしては楽天への売却発表時点で民事再生法を申請するつもりだったのでしょう。
後々の楽天の動向を見ると、楽天は安く大量に契約者を獲得できる先を探していたようです。SoftBankが第3のキャリアとなるべく足掻いていた時と状況が似ています。
9月末時点でMNVOでの「メイン利用」で楽天は20.5%とトップなのですが、
契約者数で見ると、楽天は3位です。
- 9月末のMVNO契約は934万回線、IIJがシェア1位に(ケータイWatch)
ただし内訳は、IIJ 13.9%、NTTcom 12.2%、楽天 11.4%と僅差なのでFREETEL契約者を取り込んだ11月以降は契約者数でもトップになりました。
この勢いに乗って今回の発表です。
- 楽天が「第4の携帯キャリア」に、2019年度にサービス開始との報道(engadget)
- 楽天が「第4の携帯会社」参入を正式発表、2019年サービス開始目指す(ケータイWatch)
しかし、現状では1から始めなければならない楽天の設備投資額が年額に換算するとドコモの1/7しか予定されていないことから、どのように事業を立ち上げようとしているのか分からないとのことです。
- 楽天「第4の携帯キャリア」参入の勝算は? 設備用調達額はドコモの7分の1(engadget)
しかし、これまで楽天は事業立ち上げ時は一気に投資する方法をとってきました。そのため初年度ですべて投資してしまう可能性もあります。不足しても成功する見込みがあるなら追加投資すればよいのです。
例えば楽天Kobo(電子書籍ストア)は、やり方が悪くて世間の評判を落としても、シェアを取ってしまえばサービスは後からどうとでも改善できるという楽天のやり方の典型です。
少し古いデータですが、2016年3月時点で楽天Koboのシェアは28.6%で電子書籍ストア全体で2位です。
2019年とまだ先ですが、楽天が第4のキャリアとなる可能性は非常に高いと考えられます。
FREETELユーザーはどうすべきか
MVNOはだいぶ淘汰が進みました。
値段だけで客を集めても回線品質が悪ければその噂はあっという間に広がり、新規契約は取れず既存客は他のMVNOに逃げます。
コンテンツでの割り引きサービスを始めてある程度差別化はできていますが、FREETELのようになるのも時間の問題でしょう。
楽天モバイルは「メイン利用」ではMVNOのトップということです。理由は調査では明かされていませんが、通信速度などで使い勝手が良いのでしょう。
それでもFREETELを選んだ人はそれなりのメリットを感じてのことでしょう。
私がMVNOを選ぶ基準は以下の3点です。
- 解約のし易さ(拘束期間、解約料)
- 運用費用の安さ
- 回線速度
FREETEL SIMは拘束期間が無く解約費用もかかりません。MVNOは競争になっていますので短期間で乗り換えた方がより良いサービスを受けられます。
運用費用はキャンペーン中なので電話SIMで759円(税込み)~です。
回線速度は200Kbpsなら使い放題、高速なら100MBまでは基本料金で以後段階的に加算されます。アプリで高速/低速を切り替えられますし、最近は無料のWi-Fiが増えているため4Gを使わなくて済む機会も増えています。
これらの理由でFREETELを選んだのですが、2018年1月には楽天モバイルに吸収されます。
既存のFREETEL契約者にはこのようなメールが届いています。
2017/12/08 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FREETEL SIMご利用中のお客様限定優待キャンペーン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※このメールは2017年12月4日時点のFREETEL SIMご利用中のお客様に配信しております。平素は、FREETELSIMをご利用いただき誠にありがとうございます。 本日は、楽天株式会社が提供しているFREETEL SIMご利用中のお客様限定で 楽天モバイル優待キャンペーンをお知らせいたします。 【開催時期】 【キャンペーン内容】 ※プランL、楽天会員割適用の1年目。2年目以降は月額5,980円(税別) 【適用条件】 【申し込み方法】 【楽天モバイルのご案内】 スマホ本体0円~※の長期優待ボーナス 楽天モバイルが選ばれる理由 キャンペーン開始日時が決まりましたら改めてお知らせいたします。 |
どう見てもFREETELが民事再生法申請に至った原因である契約自体を無くすために、既存契約者を楽天モバイルの契約に移行させるのが目的です。
特典を利用しても大手キャリアと大して変わらない運用費用となるため移行するのは無理があります。
そして特典を使って移行しなかった契約者はどうなるかというと、結果的に現状プラン廃止と同時に自動解約になると思われます。
これは吸収合併された会社の社員がリストラされるのと同じです。会社にとって「お荷物」なのです。
FREETEL契約者の取る道は2つです。
楽天に迎合するか、脱退するかです。
楽天は第4のキャリアとなる可能性が高いです。現状の大手3キャリアのように談合して通信料金を決めている状況を破壊してくれる可能性はあります。
その可能性にかけて楽天モバイルに移行するのも有りです。
また、2019年と先のことですので、一度、他のMVNOに移って様子を見るのもよいでしょう。
まとめ
FREETEL契約者は近いうちに身の振り方を考える必要があります。
先を見越すなら楽天モバイルに移った方がよいでしょう。第4のキャリアとなった時に長期契約の恩恵を受けられるかもしれません。その分コストは嵩みます。
また、一度離れて様子を見るのも手です。
ただし、FREETELの契約にしがみつくのはやめた方がよいでしょう。ロクなことにならない気がします。
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