発売が遅れに遅れたSurface Pro 4ですが日本での発売日と価格も発表され、あとは発売を待つだけとなりました。
Surface Bookというプレミアムマシンも発表されましたが一般利用には少々ハードルが高すぎるようなので、日本での発売が延期されてもあまり影響は無いでしょう。
安価なSurface Pro 3を買うかSurface Pro 4を買うか、迷う要素はあまり無いでしょう。Core m3モデルを除いては。
Surface Pro 4構成と価格
日本で販売されるSurface Pro 4は3機種、6タイプです。
- Core m3 Intel HD Graphics 515、メモリー 4GB、SSD 128GB、134,780円(税込)
- Core i5 Intel HD Graphics 520、メモリー 4GB、SSD 128GB、150,980円(税込)
- Core i5 Intel HD Graphics 520、メモリー 8GB、SSD 256GB、194,180円(税込)
- Core i7 Intel Iris Graphics 540、メモリー 8GB、SSD 256GB、231,980円(税込)
- Core i7 Intel Iris Graphics 540、メモリー 16GB、SSD 256GB、258,980円(税込)
- Core i7 Intel Iris Graphics 540、メモリー 16GB、SSD 512GB、312,980円(税込)
Core m3モデルとCore i5モデル、3タイプは11月12日(木)に発売、Core i7モデル、3タイプは12月未定発売となっています。
既に店頭在庫のみとなっているSurface Pro 3に比べて全体的に価格は上がっています。実装されているメモリーが増えているためですが、Core i7の最大構成の機種で比較すると10万円近くも差があります。
Surface Pro 4は全てのモデルでメモリーやSSDの交換・増設ができませんので、購入前にどれだけ必要になるかよく考えて購入する必要があります。
メモリーはWindows 10 Pro(x64)が動作する最低要件は2GBですが、これはWindowsだけが動作する要件です。一般的にはその2倍の4GBは必要です。複数のアプリを同時に使ったり、クリエイティブ系のアプリを使うならメモリーは多い方が快適に使えます。
Core i5、Core i7モデルなら迷わずSurface Pro 4を選ぶべき
Surface Pro 3が発売されたとき、薄く軽くするために頑張っても第4世代Core iではファンレスにすることができませんでした。
その後第5世代Core iのファンレスタブレット向けCPUであるCore Mが発売されました。
ファンレスということで期待されたCore Mを、Appleは新しいMacBookに搭載してきました。
しかし、その性能はCore i5の半分程度の性能でしかありませんでした。これがSurface Pro 4の発売を遅らせた根本的な原因だと思っています。
第5世代Core iはCPUコアは第4世代Core iと変わらないためパフォーマンスの向上は望めません。また、プロセス上の問題で高周波数のCPUが作れず、第4世代Core iより消費電力は減っても性能の低いCPUとなってしまいました。
その後、満を期して発売された第6世代Core iはCPUコアも改良され性能が上がっています。そのため第4世代Core iより消費電力は減り性能の高いCPUが第6世代Core iです。
第4世代Core iを搭載したSurface Pro 3と第6世代Core iを搭載したSurface Pro 4では性能だけで考えるなら迷わずSurface Pro 4を選ぶべきでしょう。
Surface Pro 4のモデル間のCPU性能比較は下記を参照願います。Surface Pro 3とのCPU比較ならCore m3モデルの性能の記事を参照願います。
更にディスプレイ解像度が2160×1440から2736×1824に、ペンの筆圧性能も256段階から1024段階に、背面カメラも5メガピクセルから8メガピクセルに向上しています。
小型になったドックは専用のコネクターを使用するためSurface Pro 4でしか使えません。
Windows 10の機能であるWindows HelloによるログオンもSurface Pro 4ではカメラに加えてType Coverの指紋認証が使えます。
問題は値段
スペックの向上とアベノミクスの弊害で、Surface Pro 3発売当時まで10万円程から買えたSurface Proシリーズの最低価格が、税抜き13万円ぐらいまで上がってしまいました。
一般的な使用に耐えうるスペックとしてはCore i5以上が必要です。
しかし、価格を重視する方も居られるので、Core m3モデルが投入されたと考えられます。
価格だけで考えるならAtomやCeleronを積んだノートパソコンなら3万円から買えますので、”Surfaceブランド”の価値を考えてもまだ高いと考えるかもしれません。
そのため、この時期になってSurface 3のWi-Fiモデルが投入されました。
- Atom x7、メモリー 4GB、SSD 128GB、88,340円(税込)
Atom x7ですのでSurface 3の性能は格段に落ちます。
謎なCore m3モデル
3機種の中で唯一Core mを採用したCore m3モデルですが、現時点でCore m3を採用したモデルはSurface Pro 4以外は市場に1台もありません。そのためどの程度の性能なのかが全くわかりません。
Core m3モデルだけ軽いことからファンレスである可能性もあり、その場合は新しいMacBookと同様にCore i5の半分の性能ということから75,000円の価値しかないと考えることもできます。(Core m3のCPU性能だけなら関連記事を参照願います)
それならばもう少し出してCore i5を買った方がよいとか、いっそのことCore i3のSurface Pro 3でよいのではとも思えます。
何にしろ放熱方法などで性能は変わりますので、Surface Pro 3のCore i3モデルとSurface Pro 4のCore m3モデルで、どちらの性能が上かという点はハッキリさせておく必要があります。
この問題は、先行して10月26日に米国で発売されることから海外サイトから情報が流れて来るでしょう。
まとめ
Surface Pro 3とSurface Pro 4、性能重視なら迷わずSurface Pro 4のCore i5モデル、Core i7モデルを選べばよいでしょう。
価格重視なら、Surface Pro 3の店頭在庫やSurface 3 Wi-Fiモデルも考えられますが、Core m3モデルの性能評価を待った方がよいかもしれません。
ただ、Surface Pro 3の店頭在庫もどんどん減っていますので早急な判断が必要です。
コメント
「アベノミクスの弊害」との記載は意味が分かりませんが(執筆者は反安倍総理?)、他については参考になりました。
「アベノミクスの弊害」は恐らく円安による価格上昇のことをいいたいのかもしれませんが、為替変動の影響を原因とする単純な価格設定はなされません(多少の影響はあり)。輸出入を行う企業の為替ヘッジについて調べると参考になると思います。
コメントを頂き、ありがとうございます。
言われるように価格設定要因は為替だけではないと言うのはわかりますが、それは日本企業がプライスリーダーである製品について価格設定を行う場合だと思います。プライスリーダーでなければ、逆にプライスリーダーの価格に合わせこむために原価を算出し部品などを選定することになるでしょう。
しかし、Surface Pro 4のように輸入品で、かつ、本社がドル建てで価格を公表している状況では為替がすべてだと思います。そしてタブレットや2in1では間違いなくSurface Pro 4はプライスリーダーです。結果、国内競合製品も同価格帯となってしまいます。
さて、昔80円で買えたものが今は120円出さないと買えない、でも給料は変わらない。この状況の原因を作ったのは誰でしょうか。