ソニーがテレビのOSとして、独自のものから全面的にAndroidへ移行するそうです。
- ソニーが'15年投入するTVの大半がAndroid採用。“ヒットモデル作戦”も(AV Watch)
これは以前から言っていたことなので、実際に始めるということなのですが、そこまでネットに依存した製品、しかも、今、一番セキュリティリスクの高いAndroidというOSにしてしまってよいのかという疑問があります。
OSを搭載するということ
私の使っているBRAVIAは、電源を入れてもOSが立ち上がるまで、音量の調整やチャンネルの変更が出来ません。電源を入れた途端、大きな音が鳴っても、10秒ほど音量を下げることも出来ません。そのため電源を切る前に、毎回音量を下げなければなりません。更に入力切り換えなどを行うには1分ほど待つ必要があります。OSなど搭載していないテレビなら起きない問題です。
また、ネットに依存したOSは、電源が入らないで再起動を繰り返すという事故も起こしました。
- ソニー「ブラビア」で再起動が繰り返される不具合 サーバ障害が原因(ITmedia)
私のBRAVIAも、この症状になって困ったのですが、ソニーは夕方まで一切情報を公表しませんでした。ネットで調べてネットワークケーブルを抜けば直るとわかりましたが、出所はソニーではありません。
テレビという商品の在り方
人によってテレビの使い方はそれぞれですが、基本的に地デジ、BS、CSなどが見れることが第一で、あとはHDMIなどの外部機器のモニターとしての機能があれば十分だと私は考えます。スマートフォンやタブレットと連携したければ、Miracast製品やApple TVなどを追加すればよいのです。その分、不要な機能を省いて安くしてもらった方がよいです。
どのような製品として発売されるのかは、実際の製品を見ないとわかりませんが、4Kなどの高付加価値商品を購入する層は、スマートフォンやタブレットなどをアクティブに使う層とは違います。
AV機器としての純粋な画質や音質を求めている層に、売上単価を上げるためにAndroidを搭載して付加価値を上げても、利用者をセキュリティリスクにさらすのは、AV機器メーカーとしては間違っていると思います。
まとめ
Androidはバージョンが上がるごとにセキュリティ面は強化されていますが、問題は、Googleがアップデート出来ない大多数の製品を無視して、アップデートを続ける開発方針にあります。
テレビという製品は、壊れなければ使い続ける性格の製品です。それにも係わらず、技術の進歩と陳腐化が早すぎるOSを搭載することの危険性を認識すべきです。10年後、Googleやソニーはテレビに搭載したAndroidのセキュリティ・アップデートを提供するでしょうか。
いっその事、PS Vita OSでも搭載してくれた方が安心出来ます。ゲーム機OSなら長期サポートは心配ありませんし、セキュリティリスクはAndroidと比べるまでもなく少ないです。ただ、PlayStationの開発はすべて海外でしょうからBRAVIAへの対応は難しいと思われますし、PS Vita OS搭載というよりAndroid搭載と言った方が投資家受けが良いでしょう。今の企業はどこもユーザーではなく投資家しか見ていませんから。
もう少し環境が整ってきたら親のテレビを4Kに変えるつもりですが、親はソニー派なのでBRAVIA以外は考えていません。しかし、Androidを搭載するとなると考え直さなければなりません。昔、トリニトロンテレビでヒット商品となった単なるモニター製品のようなものを4Kでも出してもらえると良いのですが。
とうとう危惧していたTVがソニーから発表になりました。それも4KTVです。
- ソニー、Android TV/4KプロセッサX1搭載テレビを発表(AV Watch)
どうしてソニーには、4Kを求めるユーザーと、Androidスマホを利用するユーザーとの区別がつかないのでしょう。出来ればAndroid TV機能を無効に出来るオプションがあれば良いのですが、無ければLANケーブルを抜いて使うしかありません。
こちらの記事によるとGoogleは、最新バージョンと、そのひとつ前のバージョン以外はサポートしない方針のようです。
現時点でセキュリティパッチが提供されているのは、Android 5.0と4.4だけです。Android 4.3が発表されたのが2013年7月24日ですから、2年も経たずにサポートが終了したことになります。Android TVを採用したソニーのTVも、2年以内に買い替える必要がある製品ということなのでしょう。