pomera DM100(4)

モバイル機器
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Bluetooth Ver.3.0のアダプターが届きましたので、pomera DM100とのBluetooth接続についてまとめておきます。

検証アダプター

  • PLANEX BT-Micro3E1XZ Bluetooth Ver.3.0+EDR Class 1
  • iBUFFALO BSHSBD05BK Bluetooth Ver.3.0+EDR Class 1

Bluetooth Ver.2.1+EDRのアダプターも確認しようかと思いましたが、2009年発売のものが多く接続できない可能性が高く、Bluetooth Ver.3.0+EDRのアダプターも十分安いので、この2機種を入手しました。

これらは、同じMotorola製のドライバーを採用しているため、以下についてはどちらのアダプターでも同様の動作となります。

 

Windows Update及びOS標準添付ドライバーでの動作

このアダプターは他の周辺機器と異なり、まず、USB端子に接続して標準ドライバーがインストールされるのを待ち、その後、添付ドライバーをインストールし、標準ドライバーと置き換えます。

アダプターをUSB端子に接続すると、Windows Updateから

  • Intel(R) Centrino(R) Wireless Bluetooth(R) 3.0 + High Speed Adapter

というドライバーがインストールされます。このドライバーを構成するファイルを確認すると、Motorolaのドライバーであることがわかります。そのため、Motorolaドライバー使うアダプターでも、Intelのドライバーがインストールされるようです。

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このドライバーがMotorolaドライバーより優先でインストールされます。ちなみに、ノートPCなどでUSBポートが足りないからと、別のUSB機器と付け替えて、再度、BluetoothアダプターをUSB端子に接続すると、また、Intelのドライバーに置き換わってしまいます。

Intelのドライバーがインストールされた状態でもデバイスマネージャー上はエラーも発生しておらず、Windows 7に標準搭載されるBluetooth Ver.2.1+EDRのドライバースタックを使って、Bluetooth Ver.2.1+EDRで動作します。

例えば、SONYのBluetoothヘッドホンアダプターDRC-BT60を登録すると問題無く使用できます。

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しかし、先の記事でのBluetooth Ver.2.1のアダプターでの動作と同様に、pomera DM100とは接続できません。

 

Motorolaドライバーでの動作

BT-Micro3E1XZやBSHSBD05BKに添付されるドライバーCDからドライバーをインストールすると、IntelのドライバーとWindows 7標準搭載のドライバースタックが削除され、Motorolaのドライバーとドライバースタックがインストールされます。

なお、Bluetoothアダプターを別のUSBポートに差し替えたりすると、Intelのドライバーがインストールされて、

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のようにBluetoothが使えなくなります。この場合は、一度、Motorolaドライバーをアンインストールし、再インストールする必要があります。Intelのドライバーが一度もインストールされていないなら、ネットワークを切断しておいて差し替えればMotorolaのドライバーがインストールされる場合もあります。

マニュアルどおりにMy Bluetoothから「デバイスの検索」を行い、pomera DM100でBluetoothを「ファイル転送」で起動すると、My BluetoothにDM100が表示されます。

DM100をダブルクリックします。

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DM100の詳細画面が表示されるので、「参照」ボタンをクリックします。

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「PINコード」の入力ダイアログが表示されるので、自分で決めたPINコード(pomera DM100での呼び名はパスキー)を入力して「OK」をクリックします。このPINコードはpomera DM100でも同様の値を入力する必要があるので、pomera DM100に入力するまで忘れないようにする必要があります。

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pomera DM100に上記で入力したPINコードをパスキーとして入力すると接続が確立され、pomera DM100のフォルダーが見えます。

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この状態で、エクスプローラーとの間でドラッグアンドドロップで、ファイルのコピーが出来ます。

なお、Motorolaのドライバーがインストールされた状態で、「デバイスとプリンター」から「デバイスの追加」としても、pomera DM100は検出できません。

 

考察

Bluetooth Ver.3.0のアダプターを接続したにも関わらず、Windows 7標準搭載のBluetooth Ver.2.1+EDRのドライバースタックでは、pomera DM100に接続できませんでした。しかし、Motorolaのドライバースタックではpomera DM100に接続できました。

したがって、Bluetooth Ver.3.0のアダプターには問題無いことになります。

Windows 7標準搭載のBluetooth Ver.2.1+EDRのドライバースタックに仕様の抜けが無いとすると、pomera DM100には、Bluetooth Ver.2.1+EDRの仕様を満たしていても接続は不可能ということになります。

FTPは元々セッションレスで、コマンドを実行している時だけ接続できていればよいはずです。しかし、Motorolaのドライバーで接続した時も、Mac miniで接続した時も、pomera DM100の画面は、「接続中」のままです。

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P8Z68 DELUXE搭載のソフトで接続した場合は、pomera DM100のフォルダーを見に行くと、「待機中」と「接続中」を繰り返していました。これはFTPのセッションレスという仕様に従っているようにも見えます。

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「接続中」という状態が続くのは、Bluetooth Ver.3.0で追加されたFTP Browserプロファイルの動作のような気がします。

このことからも、pomera DM100とのBluetooth接続にはBluetooth Ver.3.0以上が必要と思われます。

なお、Bluetoothドライバースタックは他に東芝のものが有名ですが、BluetoothがVer.2.1からVer.3.0に移った段階で東芝を使っていたメーカーもMotorolaに変更してしまったようで、東芝のドライバースタックの動作はわかりません。今も、東芝のPCにはBluetooth Ver.3.0対応のVer.8が搭載されているようです。

 

ベンチマーク

文章を書くのが仕事の人と、会議などのメモを取る人では、ファイル数とファイルサイズが大きく異なると思いますが、ここでは後者の場合を想定したファイルで計測しました。

ケース 1 2
総ファイルサイズ 11,471バイト 47,858バイト
ファイル数 36 30
Bluetooth接続 26.4秒 21.5秒
USB2.0接続 1.3秒 1.3秒

 

時間はストップウォッチで測っていますので、USB接続は誤差のようなもので、一瞬で終わります。時間はファイルサイズよりファイル数の影響が大きいようです。

 

まとめ

Windows 7では、Motorolaドライバーが添付されたBluetooth Ver.3.0+EDRのアダプターを使えばpomera DM100に接続できることは確かです。

しかし、ベンチマークでもUSB接続に比べてBluetooth接続は格段に遅いです。また、既にBluetooth Ver.2.1の環境を持っている場合でもBluetooth Ver.3.0の環境を新たに用意しなければなりません。これらから、Bluetooth接続を使うメリットがあるのか、疑問が残ります。

pomera DM100はBluetooth Ver.2.1+EDR搭載のPCなら接続できるように思わせる、メーカーの情報公開の仕方は問題があると思います。「通信できない機種があります」だけの表記は、あまりにも無責任だと思います。

コメント

  1. chuchintara より:

    Solomon 様
    こんばんは。DM100とBluetooth接続でかなり困っていましたが、おかげさまで解決しました。どうもありがとうございました。偶然にも購入したBluetoothアダプタがBT-Micro3E1XZだったのですが、画面は説明書と全く異なっていました。パソコン側のPINコードを入力すれば、DM100側もそれを入力する画面が出るということがわからず、同じ失敗を何度も繰り返していました。Solomon 様のHPにキングジムからリンクを張ってほしいぐらいです。ただ、苦労してつないだのにあまりスピードは出ないようですね。
    どうもありがとうございました。

  2. Solomon より:

    chuchintara様 こんばんは。
    ご参考になって良かったです。
    Bluetooth接続は出来るようになりましたが、結局USBケーブルで転送しています。速いですから。

  3. k_katoo より:

    こんにちは。
    私も無線接続で困っておりました。
    WINDOWS VISTA
    iBUFFALO BSHSBD05BK
    以上の組み合わせで問題なく接続できました。
    情報提供ありがとうございます。
    ただ、テキストファイル55KBの転送は一瞬でした。
    転送にかかる時間を計算しています、という状態が数秒ありましたが、それでも十秒はかかっていなかったと思います。
    環境によって速度も左右されるのかもしれません。

  4. Solomon より:

    k_katoo様 こんにちは。
    転送に掛かる時間は環境に起因するのかもしれません。私の試した環境はAtom D510でしたのでCPUも非力でした。
    状況をお教え頂き、ありがとうございます。

  5. k_katoo より:

    こんにちは。
    先日キングジムに別件で問い合わせをしてみましたが、このことも聞いてみました。
    キングジムでの検証では、Bluetooth2.1+EDRの仕様で間違いなく、3.0のコマンド等は使っていない、とのことでした。
    キングジムの言葉に間違いのであれば、WINDOWSの標準ドライバにバグがあるのかもしれませんね。

  6. Solomon より:

    k_katoo様 こんにちは。
    私が問い合わせた時も、とても丁寧な対応で、Bluetooth2.1+EDRで接続できていると言われました。それならば、キングジムで検証した環境を公表してもらえれば、こちらでも対処しようがあると提案したところ、関係部門に伝えるとのことでした。しかし、未だ、Q&Aにも掲載されていません。
    http://www.kingjim.co.jp/support/faq/_index_16968
    現実問題としてBluetooth2.1+EDRで接続できたという事例も見つかりませんでした。

  7. Solomon より:

    推測でしかありませんが。
    私が衛星放送の復調LSIの開発に携わっている時、どうしても工数が足りず外部の設計会社に委託してあるブロックを作ってもらったことがあります。いざ、全ブロックを繋げて検証してみると頼んだブロックが動作しない。瑕疵担保責任を問おうとしても既にその会社は解散しており責任を問えない。
    この時は社内で工数をやりくりして作り直しました。
    DM100のBluetoothはiPhoneやAndroidには問題無くつながることから、どこかのスマートホン関係のベンチャーから買ったのではないかと思いました。
    PCから見ると単純なファイル転送に通常のFTPを使わずFTP Browseを使っていること自体、いびつに見えます。
    Bluetoothに問題があっても社内で対処できない理由があるのかもしれません。

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