2016年2月2日に配信された重要な更新で「Windows 10へのアップグレード」が「オプション」から「推奨される更新」に格上げされたとの記事が一部のニュースサイトに掲載されましたが、その事実を現時点では確認することができませんでした。
ただし、「重要な更新」に変更されている場合でも従来通りの対処法で回避は可能です。
ITmediaの記事と他サイトの状況
2016年2月2日にITmediaにこのような記事が掲載されました。
- Windows 7/8.1→Windows 10が“推奨される更新”に(ITmedia)
- Windows 7/8.1のWindows UpdateでWindows 10が「推奨される更新」に格上げ(ITmedia)
Windows 10へのアップグレードに関連する更新はWindows 7では「KB2952664」と「KB3035583」、Windows 8.1では「KB3035583」で、これらの更新の最新版がリリースされたことで「Windows 10へのアップグレード」が「推奨される更新」に格上げされたとのことです。
不思議なのが、この状況を伝えているのはITmediaだけです。一番最初に騒ぎ出しそうな「ASCII.jp」をはじめ、Impress Watch、engadget、GagaZiNEなどでも現時点ではそのような記事は見当たりませんでした。
ITmediaに詳細記事が追加される
その後、2016年2月3日になってITmediaに以下の記事が追加されました。
記事にはこのようにあります。
米Microsoftは2月1日(米国時間)、Windows 7/8.1における「Windows 10アップグレード用の更新プログラム」を、Windows Updateにおける「オプションの更新プログラム」から「推奨される更新プログラム」へと格上げする措置を採った。
独自ソースなのでしょうが米Microsoftでの話なので日本はまだ始まったわけではないようです。また、従来通りの方法で強制アップグレードを行うのか、新たな方法を用意しているのかも分かりません。
また、記事ではMicrosoftがWindows 10へのアップグレードを強制する理由は下記のように推測しています。
まとめると、Windows 7/8.1のような旧OSをユーザーに使い続けられることを防ぐのが狙いであり、これを防ぐためにWindows 10へのアップグレード更新プログラムを(ほぼ)全ユーザーに提供しているわけだ。
(中略)
後にWindows 7の延長サポート終了で混乱を招き、その負担を強いられるのはMicrosoft自身であり、一連のWindows 10推進策は批判を受けつつも苦汁の判断なのだろう。
ユーザーとしては、こうしたWindows 10への誘導策を正しく理解したうえで、Windows Updateの設定を見直したり、購入すべきPCのスペックを選んだりする必要がある。
Microsoftの事情がどうだろうと永続ライセンスとして購入したWindowsです。サポートが面倒だから買い替えろと言われても、そんなことは利用者の知ったことではありません。
実環境での状況
昨日から私が持っているWindows 7環境で確認作業を行いました。しかし、新しいKB2952664とKB3035583を含むすべての更新を適用したWindows 7 ProfessionalのPCでは、2台はこのようにWindows 10へのアップグレードが表示されませんでした。
もう1台は、Windows 10へのアップグレードを予約したまま放置していたので、予約を取り消して、更新をすべて適用したところ、「Windows 10にアップグレード」と表示はされますが、「利用可能なすべての更新プログラムを表示」をクリックすると、
このようにオプションなのに予めチェックが入った状態のWindows 10へのアップグレードが表示されており、この状況は以前と変わりありません。
以前からWindows 10へのアップグレードをしつこく催促してくる「Windows 10を入手する」アイコンの実態であるKB3035583について、非表示にしても何度も自動でインストールされるとのことでした。理由は頻繁にKB3035583が更新されるため、古いバージョンを上書きする目的で配信されるためです。
現時点での最新版はKB2952664は2016/1/12に
KB3035583は2015/12/15にリリースされています。
本当の強制アップグレード
本当の強制アップグレードが2016年5月12日から始まりました。5日の猶予期間中キャンセルしないとアップグレードされます。
まとめ
Microsoftはパソコンごとに配信状況を変えているとの話ですので、実際に「重要な更新」になっているパソコンもあるのかもしれません。
その場合でも従来通りの方法で対処可能です。企業向けのアップグレード回避方法や、バルーンを表示するKB3035583をインストールしないようにする方法です。
専用ツールでも対処可能ですが私としてはお勧めできません。これだけ多くの人が困っている状況なので利用者が多いということはウィルスを仕掛けられやすいということです。また、イレギュラーな対処をするとWindowsの更新などで不具合が発生し、最悪の場合、再インストールしなければならなくなります。
専用ツールを使う場合は、このようなリスクを覚悟の上で使ってください。
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