マイクロソフトの強引なアップグレード策に文句を言っていても仕方ないので、新しいベアボーンパソコンを買ってWindows 10をインストールして1ヶ月ほど使ってみました。
そして思ったことはWindows 7やWindows 8.1にしがみ付かなければならないほどWindows 10はひどいものではないということです。
環境
新しいベアボーンパソコンはIntel NUCのNUC5PPYHに8GBのメモリー、128GBのSSDを積んで組み上げました。性能についてはこちらの記事を参照願います。
OSはWindows 7 Professional(x64)をインストールしてWindows 10 Pro(x64)にアップグレードした後、SSDを消去してWindows 10 Pro(x64)を新規インストールしています。
インストールしているアプリはMicrosoft Office 2013、Adobe CS5.5、Windows Live Writerぐらいです。
仮想PCの管理ツール、VPN管理ツールなどクライアントベースの管理ツールも使用していますが、仮想マシン、VPNは別のパソコンで実行しています。
ウィルス対策はWindows 10添付のWindows Defenderです。
この記事もWindows Live Writerを使って、新しいベアボーンパソコンで書いています。
使用感
Windows 8.1では、よく使うアプリをタスクバーにピン留めしてタスクバーから起動していました。デスクトップにショートカットも作成しています。一般的なWindowsの使い方です。そのためスタート画面は殆ど表示しませんでした。
Windows 10に移行しても同じ使い方だと全く違和感がありません。
Windowsの環境をいろいろな変えるには「設定」と「コントロールパネル」の2つのアプリを使い分ける必要があります。Windows 7/8.1から設定項目がコントロールパネルから設定に移動しているものがいくつかありますが慣れれば問題ないでしょう。
またデスクトップやウィンドウの文字が小さくなるのは見難いのですが、これも慣れです。
結局、Windows 7/8.1と同じ使い方で使うならWindows 10に移行しても殆ど違いが無いことになります。
不具合はハングアップが2回、Bluetoothマウスが動かなくなることが頻繁に発生しています。前者はディスプレイが省電力で消えた場合に起きるのでIntel HD Graphicドライバーの問題、後者はBluetoothマウスドライバーの問題なので、Windows 10ではなくベアボーンパソコン固有の問題ということになります。これらは2.4GHzの無線マウスで代用できますし、時間が解決します。実際、Bluetoothに関しては解決しました。無線マウスが動かなくなるような症状があるなら、こちらを試してみるとよいでしょう。
ならば、移行する必要は無いのではないかと思われるでしょうが、その点については最後に説明します。
周辺機器
周辺機器のドライバーで問題が出るかと思われたのですが、早くからInsider Previewが配布されていたこともあって、既にパソコンの外に接続する機器、プリンターやスキャナー、複合機などはドライバーが揃っています。
Windows 8になった時に多くのWindows 7のドライバーが使えなくなりましたが、今回は古いドライバーも使えるようにしているようです。Windows 7のドライバーが使えたという話も聞きました。
対応が必要なのはユーティリティーソフトの方です。例えば複合機を買うと印刷に付加価値を持たせる写真加工ソフトなどが付いています。これらはWindows 10対応版が必要になります。
WALKMANの楽曲管理ソフトである「x-アプリ」もやっとWindows 10に対応しました。
したがって、単に印刷したりスキャンするだけならWindows 10に移行しても問題ありません。
アプリケーション
アプリケーションにはいろいろ問題が出ています。ここでは二つ説明します。
ひとつは、サポートが終了したソフトはWindows 10で問題が発生してもパッチが出ることはないので、我慢して使うか買い直す必要があります。
Adobe CS5.5に付いているPhotoshop CS5.1ですが、ファイルの読み込みや保存に使用するダイアログのサイズを大きくはできても小さくできないという問題があります。一度サイズを変えてしまうと元に戻せなくなってしまいます。
もう一つは、Windowsに添付される標準的なアプリが変わったこと。今まで使ってきたお馴染みのアプリが使えなくなっている場合があります。例えばWindowsフォトビューアーなどはWindows 10では使えません。
これらは慣れとメーカーのサポート、買い替え予算の問題ということになります。
結局、Windows 10に移行すべきか
特にWindows 7やWindows 8.1でしか動作せず、今後Windows 10対応版が出ることは無いというアプリを使っているので無ければWindows 10に移行すべきです。
とりあえず、今使っている作業環境がWindows 10でも使えるなら移行しない理由はありません。
Windows 10は今後の主流となるので慣れの問題は早めに解消しておいた方がよいからです。どうしても慣れなかったWindows 8のスタート画面は無くなったので敷居は低いでしょう。
問題はアップグレードするかどうかです。
それは、今使っているパソコンを何時まで使うかで決まります。
来年の7月までの無償アップグレード期間以後も今使っているパソコンを使い続けるというなら、無償アップグレード期間内にアップグレードしてWindows 10のライセンスを取得しておくべきです。
何と言っても「無償」ですから。
ただし、できるだけライセンスを取得したら新規インストールしてください。必ずと言っていいほどアップグレードしたまま使っていると不安定になります。ハングアップに対する対策を求めてアクセスされる方が結構いらっしゃいます。アップグレードしたまま使うことは問題を先送りにすることになります。
自分で、または誰かに頼んで新規インストールが行えない場合は買い替えを検討してください。
パソコンの買い替えを考えているならWindows 10に移行する必要はありません。移行しても同じ作業環境で使うなら、移行作業を行うだけ時間の無駄だからです。買い替えることにより結局Windows 10での環境構築に時間を割くことになります。
移行すべき時期は
移行時期はWindows 10プリインストールパソコンが出揃う10月以降がよいでしょう。また、日本語版のWindows 10に搭載されなかったiPhoneのSiriのようなCortanaが搭載される時期(年末?)あたりでもよいでしょう。
Windows 10の新規インストールまたはWindows 10プリインストールパソコンなら安定性は問題ありません。
まとめ
3ヶ月も前倒しでリリースしたWindows 10の信頼性には一抹の不安がありましたが、使えないほどひどいものではありません。
特別の理由が無い限り、すべてのパソコンをWindows 10に移行させることは決まりと考えてよいでしょう。
アップグレードをするかどうかは、今後も使い続けるか、それとも買い替えるかで決めてください。
私はハイパワーメインマシンは買い替え、仕事用はWindows 8.1のまま継続利用(アプリが未対応という特別の理由)、その他は買い替えずアップグレード後に新規インストールとする予定です。
コメント