Windows 10パソコンを使っていて何か遅いと感じました。
以前はそんなことは無かったのに何故かと調べたところ、外的要因による思ってもいなかった問題が発生していました。
パソコンが遅い
昨年の初め頃、ブログの記事を書いていたところ何かパソコンが遅く感じられました。
ソフトの問題かと思ってタスクマネージャーを見てみたところ、ブラウザーだけで数十パーセントもCPUを食っていました。
ブラウザーにはニュースサイトの記事を表示させているだけで、特に表示が動いてるなど変化は見られませんでした。
しかし、ブラウザーを閉じるとCPUも落ち着き、遅く感じることもなくなりました。
ブログの記事を書くときは調べ物をしながら書くので関連するページを開いたままにしておくのですが、これまではこんな現象は起きたことがありませんでした。
念のために、同じページを開き直したり、パソコンを再起動したりしてみましたが、そのページを開くと、必ずCPUを数十パーセントも食っていました。
原因はWebページの作り方の変化
昔は光回線も普及しておらず、Wi-Fiも有線LANより遅い状況でした。また、パソコンもWindows 7世代のパソコンから置き換えが進んでおらず、スクリプトを多用したWebページを表示するにはややパワー不足でした。
そしてWebページは、できるだけ早く表示させないとユーザーは記事も読まず別のサイトに行ってしまいます。そのためWebページに仕込む広告や解析手段は軽くする必要がありました。
ところが光回線の普及やv6プラスなどの高速化対策が進み、Wi-Fiも11acが普及したことで有線LANを超えるスピードにまで高速化されました。そしてWindows 10へのアップデートに失敗して使えなくなったWindows 7パソコンの買い替えなどが進み、Webページを高速に表示できる状況が整いました。
ユーザーがサイトにアクセスすると、サイト側はページが表示されるまでの時間やWindowsのバージョンなど多くの情報が収集しており、もうそろそろWebページに仕込む広告や解析手段を増やしても問題は少ないと判断したのでしょう。
その結果、例えばこちらの記事だと広告が8個、関連記事が66個、関連記事に見せかけた広告が31個も表示されました。
これまでパソコンに必要だった性能
では、遅いと感じたパソコンをどう選定したかですが、初めてパソコンを買う場合、どの程度の性能が必要なのか分からないと思います。
そこで量販店などで店員に聞くと昔は「インターネットを見たり、メールのやり取り程度ならこのぐらいのパソコンで十分ですよ」とPentiumやCeleron、Atomが搭載されたパソコンを勧められました。
もちろん店員はその時売りたいパソコンによっては「インターネットを見たり、メールのやり取り程度でも最低このぐらいのパソコンは必要ですね」とCore i7が搭載されたパソコンを勧めてくる場合もあります。
ただ、今までは私の感覚としてPentiumやCeleronでも性能が向上していますので、一般的な事務作業程度なら十分使えると思えました。
実際、ブログの記事を書くために使っているパソコンもIntel NUCというキットですがPentiumやCeleronを搭載したものを4回ほど買い替えながら使ってきて、何も問題は感じませんでした。
ところが、昨年初めになって急に遅く感じるようになったのです。
CeleronパソコンでのWebページの負荷
遅いと感じた当時使っていたのはIntel NUC NUC6CAYHでCPUはCeleron J3455です。
このパソコンで、こちらの記事を
Internet Explorer(以下IE)で表示した場合のCPUの使用率は23.8%です。
そして更に下記の記事を
- Intel、最大5GHz/8コア/16スレッドのノート向け第9世代Core(PC Watch)
- NVIDIA、モバイル用GeForce GTX 1660 Ti/1650を投入。1650はデスクトップ版も(PC Watch)
- Tesla、自社開発の自動運転車向けプロセッサ(PC Watch)
タブで開いた場合のCPUの使用率は90.2%です。
これらはページを表示し終わった段階で見かけ上は何も動いていません。
ここでIEの追跡防止を有効にすると
ここまで下がりました。
追跡防止はIEだけの機能ですし、細かく設定しないと不具合の出るサイトもありますので、この機能に頼ることもできません。
そもそもIEなどを使っているからではないかという意見もあると思います。
Firefoxで同様に4つの記事を表示させた場合はこのようになります。Firefoxでは表示されていないタブはスクリプトを止めているようです。
Webページが重くなる問題への対策
現状はニュースサイトなど広告収入で運営しているサイトのWebページは重くなっているようです。私が良く見ているImpressやITmediaのサイトは顕著です。
通販サイトではヨドバシドットコムなどはまだ軽いですがAmazonは結構重くなってきています。今後は更に重くなることが予想されます。
実際のところ、重くなっているのはWebページだけではなくWindows 10自体も重くなっている気がします。
先日行われたWindows Insider Meetup 2019でMicrosoftの方にお聞きしたところ、Windows 10については診断情報からユーザー環境を詳細に把握しているため、それに見合った負荷に変えていっている可能性もあるとのことでした。
このような状況で考えられる対策は2通りです。
1.軽いソフトを使う
IEなどを使わず、FirefoxやEdgeなど処理速度の速いソフトを使えば、当面は問題無く使えます。
Officeソフトやメールソフトが重ければ同様に軽いソフトに移行します。Windows 10自体が遅ければ、不要なサービスを止めるなどして自分の使っているソフトのCPU使用率を上げるようにします。
これらは一般的によく知られている遅いパソコンを延命させるための方法です。
ただし、IEは互換性の問題からFirefoxやEdgeに移行できないという場合も多いようです。
2.パソコンを買い替える
当たり前ですが、Windows 10を走らせるならWindows 10に最適化されたパソコンを使うべきです。CPUについても同様です。
私はIntel NUCを使い続けていますが、だいたい新しいシリーズが出ると買い替えています。理由は古くなりすぎると処分できなくなるからです。
昨年もNUC7PJYHというPentium Silver搭載のIntel NUCが発売されたので買い替えるつもりだったのですが、上記の問題が発覚したためNUC7PJYHへの移行は断念しました。NUC6CAYHに対してNUC7PJYHの性能向上は30%程度だったためです。
もっと性能を向上させる必要があるため、その時に噂のあったNUC8i5BEHに移行することに決めました。しかし発売が秋にずれ込み、結局移行できたのは年末になってしまいました。
NUC6CAYHで表示させた記事をNUC8i5BEHで表示させると、1記事の場合のCPU使用率は4.8%、
4記事の場合でも6.9%にまで下がっています。
Celeron J3455からCore i5-8259UとCPUの性能が上がっているので当然ですが、CPUが変わるだけでこれだけ性能に違いが出るということです。
したがって、買い替える場合はCore m/i3/i5以上を積んだパソコンにしてください。これはアウトレットなどで買う場合の注意です。
新品の場合は、これらを積んだパソコンが殆どなので間違ってCeleronやPentiumを積んだパソコンを買うことは少ないでしょう。
- ノートPCの平均単価、CPUのハイエンド化で10万超え(PC Watch)
パソコンメーカーがわざとCore i5/i7という高性能なCPUを搭載したパソコンしかつくっていないためです。
Webサイトが重くなっていく傾向と、それを感じさせないようにパソコンの性能を底上げしている状況は、業界ぐるみで何か企んでいるようにも感じられます。
まとめ
実際にCeleronマシンからCore i5マシンに移行して違いをハッキリと感じられました。
確かにPentiumもCeleronも昔に比べて性能が向上しています。しかし、WebサイトやWindows 10はそれ以上の負荷をかけてきています。少なくともCore m、できればCore i5以上のパソコンを購入するようにしてください。
今後は新製品でもSurface GoのようにPentiumやCeleronを搭載したパソコンは買わないようにしてください。買ってよいのは遅いことを理解している人だけです。
コメント
いつも楽しく読ませていただいております。以前もご相談させていただきました
windows10のアップデートの際には大変お力を頂きましてありがとうございました
今回、上記事の通り、PCの買い替えを考えています。そこで一つご相談です
現PC→i7-4790CPU HDD 1TB を i7-8700 搭載で デュアルチャネル対応にしたいと思っています
その際のSSDの容量250GB HDD 1TB は どう思われますでしょうか?ご教示いただければと思います
ちなみに利用シーンはアドび関連 と動画少し データー資料等です(今回はマウスPCにしようかと思っています)
どうぞよろしくお願いいたします
コメントを頂きありがとうございます。
普通の用途ならSSD 250GBあれば十分だと思いますが下記のような記事もありますので、余裕をみて500GB程度にしておけばグラフィックソフトや動画編集のキャッシュに使えるのではないかと思います。
SSD価格、2019年末までに1GBあたり10円台まで下落の見込み
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1183704.html
PCIe x4のNVMe M.2 SSDにすることで十分なスピードも得られます。
HDDの容量については扱うデータサイズ次第だと思います。
私は動画は編集したらすぐにNASに保存してしまうので、ローカルは3TBぐらいです。
現在、3.5インチHDDなら6TBが人気のようです。
どちらにしてもメーカー製はあまり数が出ない容量のモデルは割高となるので、BTOかドスパラなどのショップブランドの方がよいかもしれません。
なお、Intel CPUの品不足も落ち着いてきたようで、店頭で第9世代のCPUの在庫も見るようになりました。
もうすぐ第10世代が発売になりますので、第9世代も検討された方が良いと思います。
intel i7-9700K vs 8700Kでスコア比較
https://blog.tsukumo.co.jp/namba/2018/11/_intel_i7_cpu_intel_core_i7-97.html