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BRAVIA X9400C/X9300C/X8500Cの報道向け説明会のレポートが掲載されています

AV機器
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2015年6月20日から2015年7月4日に発売が延期されていた、Android TV搭載のBRAVIA X9400C/X9300C/X8500Cが発売になるとのことで開催された、報道向け説明会のレポートが掲載されています。

この中では、Android TVという制約の中でTV以外のサービスで他社との違いを出そうとする一方で、TVなのに主役がAndroid TVとなり、「テレビ」が1つのアプリケーションに成り下がってしまったことがレポートされています。

 

SNSサービスの仕様変更に対応できなくなったソニー

ソニーのTVには自社開発のOSを搭載し、アプリキャストでいろいろなサービスを提供してきました。

しかし自社の技術力の低さを露呈させる事故が起きました。自社サーバーの障害で単なるTVが見れなくなるという障害を発生させたのです。

これに関しては、その後数回のファームアップデートを行い回避してきました。

一方で、twitter、Facebook、Skypeなどが頻繁に行う仕様変更に対応しきれず、昨年あたりからSNS関連のアプリキャストの提供が終了しています。

ソニーの選択はOSの自社開発をやめ、他社のOSを導入するというものでした。

これはdocomoのMOVA時代に携帯電話で頻繁に問題を起こし、対応に苦慮したソニーがエリクソンと提携し自社開発をやめたのと似た構図です。

Android TVに変更したことにより、他社の開発したアプリをインストールするだけで新しい機能が実現でき、責任も他社に押し付ける基盤を作ることができました。

レポートでは、

Android TVを搭載した理由は、「音声検索能力」、「スマホ動画の大画面視聴」、「アプリの種類や数」など。

7月4日の発売時点では30弱のアプリをラインナップしているという。

Android TVで重視しているのが音声による検索性。新タッチパッドリモコンのマイクを用いて、番組のタイトルや出演者、ジャンルなどを入力すると、放送や録画番組のほか、Google Play映画やYouTube、各VODサービスの番組など、アプリを跨いだ検索が行なえる。

また、Google Castに対応。HuluやYouTubeなどはBRAVIAのアプリでも検索や再生操作が行えるが、スマートフォンで動画を検索し、テレビにCastすると、テレビの大画面で映像を楽しめる。慣れたスマホをリモコン的に使える機能で、これはAndroid TVならではの魅力といえる。

 

と記しています。ソニーらしさを出すための工夫もされてはいます。

番組チェック機能も搭載。ネット動画や放送を見ながら、他のコンテンツをながらチェック出来る機能で、従来のBRAVIAシリーズでも搭載していたが、Android TVにも同機能を移植。タッチリモコンの[番組チェック]を押すと、視聴画面下に録画一覧やYouTube動画、他の放送局情報などを表示できる。従来のBRAVIAの良さを活かしつつもネットサービスとの親和性を高めている格好だ。

 

なお、ネットワークへの接続が前提となるためペアレンタルロックには当然対応しています。

なお、子供が不適切なコンテンツにアクセスしないようにするためのペアレンタルロックも用意。音声検索にはセーフサーチフィルタを、YouTubeにはセーフモード、Google Playストアにはコンテンツフィルタを設定できる。

 

 

単なるアプリに成り下がった「テレビ」

TVはAV機器ですが家庭の中では白物家電的な意味合いで購入される製品だと思います。

したがって、BRAVIAを買う人は、今までパナソニックのTVを見ていた人が買うことは少なく、以前からソニーのTVを見ていた人だと思います。

リモコン操作も体が覚えています。

しかし、Android TVとしたことでリモコン操作がGoogle仕様になってしまいました。

また、従来のソニーBRAVIAでは、テレビが待機中にリモコンの数字ボタンを押すと、そのチャンネルに対応した放送を表示して起動する機能があった。だがAndroid TVにおいては、同機能には対応できず、省略されている。

リモコンの数字ボタンについての注意点はもうひとつある。YouTubeやHuluなどのサービス視聴時のほか、ホーム画面を表示している際に、リモコンの数字ボタンを押してもチャンネルが切り替わらない。チャンネル変更する場合は、リモコン中央の[テレビ]ボタンを押してから切り替えることとなる。

ネットサービス利用時に、数字ボタンが効かないのは他のテレビでもあるが、ホーム画面でも[テレビ]を押すというのは、わかりにくいかもしれない。これも、Android TVの仕様上の制限とのことだ。入力切替ボタンなどは、ネットサービス利用時やホーム画面時でも機能する。

 

単なる「慣れ」の問題ですが、4K BRAVIAを買う世代は「慣れる」のか疑問です。

 

複合製品の宿命

ここからは私の私見です。

ネットサービスやスマホとTVを連動させる製品としてApple TVがあります。iPhone、iPad、MacなどApple製品専用ですが、いろいろな情報をTVで見ることができます。

AndroidにもChromecastという製品があり、Android TVでできることは殆どできます。

WindowsにもMiracastという規格に対応する製品を使って似たようなことができますが、最近は2万円程度で買えるスティック型PCが流行りです。

これらの製品は、TVのHDMI端子に接続するだけで、TVをスマートTVに変えることができます。

また、それぞれのメーカーが、その製品寿命の短い部分を自社の責任でサポートするため、古くなったらその製品だけ買い替えればよいのです。

一方Android TVを搭載したBRAVIAは製品寿命の短いAndroidという製品を単なる追加機能としてではなく、TVを動かす基本OSとして搭載してしまいました。

GoogleがAndroid TVのサポートを終了した時点でAndroid TV搭載BRAVIAの寿命も尽きます。

問題は製品寿命が終わるだけでなく、OSの開発をやめたソニーは、また他のOSを採用することとなり、そこでまた新たな「慣れ」をユーザーに強要することになります。「ソニーらしさ」がどんどん失われていくことになります。

これはソニーに限ったことではなく、FirefixOSを採用したパナソニックにも言えることです。

白物家電的意味合いが強く、寿命の長いTVという製品と、Android TVなどの製品寿命の短い製品を一つの複合製品とするのは、あまり好ましいことではないと思います。

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