※BIOS設定について訂正
IntelのNUC DE3815TYKHEは、第3世代のNUCですが、企業向け、組み込みOS向けと一般ユーザーが使うようには作られていません。企業で一括管理出来るようなハードも組み込まれているため割高となっています。
今回、Windows Home Server 2011で使っているGiadaのベアボーンが、あまりにもファンが五月蝿いので、置き換えとして購入しました。
パッケージ
元々企業向けで、ロット単位などで箱に詰められて販売されているのでしょう。単品で購入したものは、エアーパックの袋に詰められた本体、付属品、説明書などが、緩衝材とともに箱に詰められたものでした。代理店がロットで購入したものを箱に詰め替えて売っているように見えます。第1世代、第2世代のNUCのように、元々単体での販売を想定したパッケージとは異なります。
外観
前面は、電源スイッチ、ストレージのアクセスLED、USB3.0ポートです。電源スイッチは電源LEDも兼ねています。中央の大きな電源スイッチは、押しやすいのですが、逆に、本体を持つときに、うっかり押してしまうことが多々ありました。
背面は、ACアダプタージャック、HDMI、LAN、USB2.0、音声入出力、VGAです。
上面と底面は、ダイキャストのような金属製なので、放熱には良いのですが、全体として重くなっています。
中に見えるのがCPUの放熱フィンです。
以下は、第2世代のNUC DN2820FYKHとの比較です。
背面はVGA以外は同じです。
DN2820FYKHはファンが付いているので、ケースはプラスチックですが、DE3815TYKHEはファンレスなのでケース全体で放熱するような構造です。
両機種とも、底面にはVESAマウントアダプターが付きます。
内部は、DN2820FYKHではマザーボードの上に配置していた2.5インチのマウンターをDE3815TYKHEでは横に配置した構造です。2.5インチマウンターの下は無線LANのアンテナがある以外は空洞です。
ハーフサイズのmini PCIeソケットがあり、無線LANカードが実装できますが別売りです。1.35V駆動のDDR3L(Low Voltage)タイプのSO-DIMMが必要なこと、1066MHzにクロック周波数を下げて使っていること、SATAも3Gbpsであることなど、DN2820FYKHと同じような仕様です。
ACアダプターは、DN2820FYKHと同じものです。
対応OS
最初は、Windows EmbeddedやLinuxなどだけしか対応せず、4GBの内蔵eMMCにインストールして使うものでしたが、Windows 7、Windows 8のドライバーも提供され、普通にクライアントPCとしても使えます。ただし、企業向けの機能に対応するドライバーが提供されていませんので、デバイスマネージャーでは、いくつかのデバイスのエラーマークは消えません。
Windows Home Server 2011などWindows 7時代のOSをインストールする場合は、BIOSで設定を変更する必要があります。DN2820FYKHでも同じ設定でインストール可能です。この設定による動作が安定していませんでしたが、最新のBIOSにアップデートした場合は、次の1か所の変更だけです。
UEFI BOOTでGPTディスクにインストールすることも、LEGACY BOOTでMBRディスクにインストールすることも可能です。
[BOOT]セクションの[Boot Configuration]タブの[UEFI Boot]の部分で、[OS Selection]を[Windows 7]に設定します。
あとは通常のOSのインストール作業と同じです。
基本スペックと実際のパフォーマンス
本体の基本仕様は、以下を参照して下さい。
- NUC DE3815TYKHE (第3世代NUC)
- NUC DN2820FYKH (第2世代NUC)
- NUC DCCP847DYE (第1世代NUC)
CPUについても以下を参照願います。
- Intel(R) Atom(TM) Processor E3815 (512K Cache, 1.46 GHz)
- Intel(R) Celeron(R) Processor N2820 (1M Cache, up to 2.39 GHz)
- Intel(R) Celeron(R) Processor 847 (2M Cache, 1.10 GHz)
- 3種類の比較
Windows 8.1をインストールしてwinsatで測定した結果は、以下のようになりました。比較のためにDN2820FYKHとDCCP847DYEの値も記しておきます。
コンポーネント | DE3815TYKHE | DN2820FYKH | DCCP847DYE |
一番低いサブスコア | 3.1 | 4.1 | 4.2 |
プロセッサ | 3.1 | 4.9 | 4.2 |
メモリ(RAM) | 4.9 | 5.9 | 5.9 |
グラフィックス | 3.6 | 4.1 | 4.2 |
ゲーム用 グラフィックス |
3.7 | 4.1 | 5.5 |
プライマリ ハードディスク |
5.8 (HDD) |
5.7 (HDD) |
8.1 (SSD) |
CPU 動作周波数 |
1.46GHz | 2.13GHz | 1.1GHz |
キャッシュ | 512KB | 1MB | 2MB |
コア数 | 1 | 2 | 2 |
スレッド数 | 1 | 2 | 2 |
グラフィックス 定格周波数 |
400MHz | 313MHz | 350MHz |
最大TDP | 5W | 7.5W | 17W |
CPU動作周波数が低く、キャッシュも少なく、シングルコア、シングルスレッドと、とても非力なスペックですが、最大TDPが低く抑えられています。
4GBメモリー、500GB HDDを積んだ状態でのシステムの消費電力は、電力を食う起動時で8W、アイドル状態で5Wでした。
ファンレスということで、かなり熱くなると思ったのですが、実際には、室温30度程度の環境において、CPUの上のケース天板の温度が40度程度と、非常に優秀です。
実際のパフォーマンスですが、某ブラウザーゲームは問題なくプレイ出来ます。Venue 8 Proでプレイしているのと、大きな違いは感じませんでした。
これは、DE3815TYKHEにWindows 8.1 Pro with Update(x64)をインストールした状態でプレイ中のシステムの稼働状態です。
こちらは、Windows Home Server 2011でのプレイ中のシステムの稼働状態です。サーバーOSですのでバックグラウンド処理が重いようですが、100%に張り付いてはいませんので、ギリギリのパフォーマンスということでしょう。
ちなみに、DN2820FYKHに、Windows 8.1 Pro with Update(x64)をインストールした状態でプレイ中のシステムの稼働状態は、このようになります。
まとめ
DE3815TYKHEは、第3世代とは言っても、CPU以外の基本構成は第2世代と大きな違いはありません。しかし、企業向けに特化した機能を搭載しているため、性能に対して割高になっています。
システム消費電力5Wのファンレスマシンに魅力を感じないなら、DN2820FYKHの方が使いやすいでしょう。
暗闇に怪しく光るNUC
ファンレスになり、ファンの音がしなくなったのは良いのですが、静か過ぎて、今度は2.5インチHDDのヘッドのシーク音が気になるようになりました。
コメント
この記事をみてNUCーDN2820FYKHにwindows server 2011
がインストールできました
naga092 さん、Windows Home Server 2011だと思いますが、インストール出来たようで良かったです。
Windows Home Server 2011について、注意点を2回に分けて記事を書きますので参考にして頂ければと思います。