ネットワーク関連の記事を順次、別サイトに移動させています

Windows 10にアップグレード(移行)することのデメリット

無償アップグレード
記事内のリンクには広告が含まれている場合があります

Windows 10は、こちらの記事に記したように、アップグレードまたは移行はすべきです。

ただし、この記事で記したことはWindows 10というオペレーティングシステムのみについての話です。

Windows 10に限ったことではありませんがWindowsのバージョンを変更する場合には、利用環境や利用者に関係して必ず問題が発生します。デメリットと言えなくもありませんが、適切に対処することで新たなメリットが得られます。

Windows 10特有の問題というものは現状ではありませんが、これらの問題は利用者による差が大きいため、まずは現状の確認が必要です。

Windows 10にアップグレードまたは移行するにあたり確認しておくべき問題を以下の順で記します。

  • メーカー製パソコンの問題
  • 周辺機器の問題
  • アプリケーションソフトの問題
  • メンタル面の問題

メーカー製パソコンの問題

NEC、Fujitsu、Toshiba、Lenovoなど有名どころのメーカー製パソコンは、買ってすぐに使える幾つかのソフトがプリインストールされており、パソコン初心者には使い易いでしょう。しかし、Windows 10へのアップグレードでは、プリインストールされたソフトが足かせとなります。

Windows 10が発売されるとパソコンメーカーはアップグレード可能な機種を告知します。だいたいWindows 10の発売後1ヶ月程度で告知されるでしょう。

ここで振り分けられた製品は、

  • アップグレード可能な機種:
    Windows 10に対応したプリインストールソフトの新バージョンが提供されます。ただし提供時期はまちまちで古い機種ほど後回しにされます。
  • アップグレード可能な機種以外:
    殆どの場合はアップグレード出来ないのではなく、プリインストールソフトやドライバーやBIOSを新しいWindowsに対応させるためのソフト開発費用が捻出できないということです。そのため、プリインストールソフトを使わなければ大概はWindows 10に自己責任でアップグレード可能です。

ということで、アップグレードできてもドライバーやアプリケーションのアップグレード作業が必要です。その作業は非常に煩雑で、初心者には多少難しい作業です。パソコンにあまり詳しくない場合は、量販店などで提供されるであろうアップグレードサポートサービスを使った方がよいでしょう。

また、今後数年使うことを考えるなら、パソコンメーカーが動作保証しているWindows 10プリインストールパソコンに買い換えることも検討して下さい。アップグレード作業はアップグレード後に不具合が起きやすいので、再度サポートを依頼することになる場合もあります。何度も有償サポートを使うことを考えると買い換えた方が安い場合もあるからです。

Windows 10へのアップグレードサポート情報をまとめた記事が公開されましたので、そちらを参照願います。

勝手に無償アップグレードなど始めてくれたため、迷惑している販売代理店もあるようです。

周辺機器の問題

パソコンを買ってから何か周辺機器を追加しましたか?

プリンター、複合機、外付けHDD、タブレット、スキャナー、住基カードリーダーなど各人の利用目的によって周辺機器も違います。これらがWindows 10へのアップグレードまたは移行の足かせになる場合が結構あります。

例えば、

  • 今使っている複合機のWindows 10対応ドライバーのリリースが2016年1月になると告知されるた場合、年賀状を印刷できなくなってしまいます。
  • タブレットのドライバーが提供されなければ絵描きさんは仕事になりません。
  • 住基カードリーダーのWindows 10対応ドライバーのリリースが2016年3月になるとなれば、e-Taxが使えません。

プリンター、複合機、スキャナーなどの周辺機器は結構古い機種でも最新のOSに対応したドライバーが提供されています。しかし、提供されるまでに1年ほどかかる場合もあります。

タブレットのドライバーは結構見切りが早く、少し古い機種はすぐにドライバーの提供が終わってしまいます。

Windows 10へのアップグレードは無料でも、周辺機器が使えなくなり買い換える必要が出てくる可能性もあるということです。周辺機器を買い換えてまでWindows 10に移行するメリットはあまりないでしょう。

アプリケーションソフトの問題

Windows 10ではWebブラウザーがInternet ExplorerからEdgeに変わります。Internet Explorerも搭載されますがバージョンが変わっており、アプリケーションソフトから内部的に呼び出されている場合は不具合が発生する可能性があります。

ここに来てネットバンキングがWindows 10にアップグレードしないように呼びかけ始めています。他にも不具合がおこるソフトがあるようです。

これを言ってしまうと、自社の対応力の低さが露呈してしまうのでどのネットバンクも明言していませんでしたが、これを機に他のネットバンクもWindows 10を拒否してくる可能性があります。

このようにWindows 10にアップグレードすることで今利用しているアプリケーションソフトに不具合が発生する可能性があります。これについてはWindows 10のアップグレードウイザードで検出されますが、使えないと判定された場合は困ります。正式版では、アップグレード前の簡単なチェックしか行われず、アプリケーションソフトの互換性はチェックされていないことが分かりました。

アプリケーションソフトのWindows 10への対応はメーカーごとにまちまちです。対応パッチを早期に無償で提供してくれる良心的なメーカーもありますが、殆どの場合は「Windows 10対応版」と称した新製品を発売して、アップグレード料金を要求してきます。

Windows 7などで不自由なく使っていたものを、Windows 10にアップグレードしたことでアプリケーションのアップグレード料を支払わされるという理不尽な事態になります。

これもマイクロソフトによるアプリケーションソフト市場を活性化させるための策なので仕方ありませんが、その事実を知らずにアップグレードすることで不利益を被るのは利用者です。

なお、Windows 10への対応状況が発表されるのは早くても正式版が完成してからでしょう。ベータ版でのテストは進めていても正式版でテストしなければ無意味ですので大手の発表は遅くなります。

フリーソフトなどは既に対応状況を発表しているようです。

メンタル面の問題

Windows 8ではModern UIに変わったことが非常に不評でした。タッチ操作も出来ないのに画面全体に表示されるスタート画面が使い難かったからです。

最近もAdobe Acrobat Reader DCで表示されるメニューには多くの人が困っているようです。

このようにユーザーインターフェースの変更は慣れるまでは非常にストレスとなります。特にWindows 8やWindows 8.1に移行した人にとってはやっと慣れたユーザーインターフェースからWindows 7のようなユーザーインターフェースに戻ることになりストレスが大きいでしょう。

Windows 10 Insider PreviewではBuildが変わるたびにユーザーインターフェースが変わっています。ベータ版なので仕方ないと思われますが、Windows 8からWindows 8.1 with Updateでは製品版なのにユーザーインターフェースを変えて来ました。

Windows 10は未完成な状態で発売されることから発売後も逐次改良が行われるとのことです。そしてユーザーインターフェースが変更されるたびにメンタル的負荷がかかることは覚悟しておく必要があります。

まとめ

まず、今後も使いたい周辺機器やアプリケーションソフトを確認します。そしてWindows 10が発売されたら、それらのメーカーの対応を確認してWindows 10に移行するかどうか、移行する場合はいつなら移行出来るかを確認します。

これらは、利用者や利用環境によって違うため一般的な回答はありません。そして移行に向けて準備をしていくことになります。

これらが面倒ならパソコンの買い替えも検討すべきでしょう。今までにこれだけ投資したのだから使わなければ損という考えは捨てて下さい。もったいないと考えるなら売却するなどして未来への投資資金とすることを考えるべきでしょう。

コメント

  1. わたしのPCの内、仕事で使っているPCはWindow10に提示されているアプリは殆ど使いません。
    もう1台のノートPCは予備的に使っているため、昨年早めにアップグレードしています。
    メリットを感じるほどアプリソフトは使う事が無いので、慣れてない分だけ使いにくいです。
    スマホの様な使い方の場合は良いのかも知れません。PC使い始めて30年の74歳初老より・16-1-15

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      私もWindows 10にプリインストールされているアプリは殆ど使っていません。使っているのはWindows 8.1で使っていたものばかりです。

      そういう意味では移行しても使い方が変わることによる使い難さが目立ってしまうかもしれません。

      Windows 10でなければならない業務アプリなどが出てくれば意味があるでしょうが、業務アプリは従来環境との互換性を重視しますのでWindows 10専用などというものは出て来ないでしょう。

      Windows 10にメリットを感じるのはクラウド環境を中心にPC、スマホ、タブレットなどを使いこなす人とDirectX 12を使ったゲームをプレイする人だけだと思います。

  2. ヒロイケ より:

    アップグレードしても環境変化はないとのうたい文句だった。
    しかしアップ後USB周辺機器が一切認識されず、SDカードも認識されない。
    困ってサポートセンターへ問い合わせしようとするが、詳細情報にはクレジットカードの記載が
    必須である。
    世間ではこれはフィッシング・・・・というのではないか⁈

    7に戻すか機能回復を責任もってやってもらいたい。
    PC音痴なのでさっぱりだ。

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      サポートセンターはどこも詳細なユーザー情報の登録を要求してきますので登録を躊躇します。

      実際に登録しても最近はどこもサポート経費の削減でYahoo知恵袋とデータを共有しているところが殆どです。そのため検索で得られる情報以上のサポートは受けられません。

      どのメーカーもWindows 10への移行については説明していても元に戻す場合は工場出荷状態に戻してから再度環境設定するように指示しています。

      今回、Windows 10はユーザーの意向を無視してアップグレードを強要していますので元に戻す部分もサポートすべきなのですが、どのメーカーもそんな余裕は無いようです。

  3. 白神 隆 より:

    windows7から有料で8へそして、10へ無料でアップグレードしました。しかし、プリインストール・ソフトが使えなくなり大変不自由しています。DVD・ブルーレイへデータを書き込むソフトが動作しなくなりました。また、DVD・ブルーレイ視聴ソフトも作動しません。windows社はサポートしてくれず、困っています。
     Windowsを使いたくなくなりました。ちなみに、パソコンのことは詳しくありません。また、使っているパソコンはNECのVN770/Gです。
     

    • Solomon Solomon より:

      コメントを頂き、ありがとうございます。

      こちらのページでNECのパソコンのWindows 10へのアップグレードについて説明されています。
      http://121ware.com/psp/PA121/NECS_SUPPORT_SITE/ENTP/h/?tab=SUP_Z_WIN10

      その中に、

      2013年4月以前に発表したLaVie、VALUESTARは、Windows 10アップグレードの動作確認の対象外製品となります。
      対象外製品につきましては、動作確認情報、ドライバの提供を含めてサポートを行いません。2013年4月以前に発表したLaVie、VALUESTARは、Windows 10アップグレードの動作確認の対象外製品となります。
      対象外製品につきましては、動作確認情報、ドライバの提供を含めてサポートを行いません。

      とあります。

      VN770/Gは2012年2月発売モデルのためWindows 10アップグレードのサポート対象外となります。

      ブルーレイの視聴ソフトは定期的にAACSキーの更新が必要なためPowerDVDなどのソフトを購入して頂いた方がよいのですが、書き込みも必要となるとそれなりのお金がかかってしまいます。

      以前のWindowsに戻した方がよいかもしれません。

      戻す方法についてはMicrosoftがビデオで説明しています。
      https://mix.office.com/watch/ikvhtn5xb7mu

タイトルとURLをコピーしました