KING JIMの「デジタルまいごひも」過信は禁物

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ポメラなどユニークな商品を発売しているKING JIMから「デジタルまいごひも」が発売になります。Bluetooth通信を用いたアラーム子機です。

同様の製品は他社からも発売されていましたが、今回はターゲットを「子供を持つ母親」としているところに問題があります。大変危険ですので使ってはいけません。

概要

ニュース記事としてはこのようなものがあります。

どのようなことが出来るのかは説明されていますので、ここでは何故危険なのか説明します。

 

無線(Bluetooth)というもの

「デジタルまいごひも」はBluetoothという通信方式でスマホと通信することで機能を実現しています。

しかし、Bluetoothは、2.4GHzという電波を使用しており、現状では混信が非常に多いです。

2.4GHzの電波を使っているものは、自宅内では、無線LAN、無線マウス、無線キーボード、スマホ、固定電話、携帯ゲーム機の他に電子レンジなどがあります。無線LANは、自分の家だけではなく、近所の家からも電波は漏れて来ています。

外に出れば、コンビニやファーストフードショップ、コーヒーショップなどには公衆無線LANが設置され、普通の店舗でもPOS端末で使うための無線LANを設置しています。スマホを使っている人も無線LANをONにしたままですし、モバイルルーターを使っている人もいます。

また、人体の脂肪は電波を通し難いものです。満員電車や人混みでは、Bluetoothの電波は届かなくなります。

仕様上の話ではないのかと思われるかもしれませんが、私自身もBluetoothヘッドホンを何種類か使ってきて、どういう場所や状況で電波が届かなくなるかは実体験で、それなりに熟知しています。普通の住宅地で他の場所との違いも特に見当たらないのに非常に電波状況が悪いという場所もあります。

したがって2.4GHzという電波は、多くの物で使用されており、どこにいてもBluetoothとの混信は避けられません。また、自分自身もBluetoothの電波を妨害する遮蔽物であるということです。

 

同様の製品

コンセプトは違いますが、同様の動作をする製品がありました。既に在庫のみです。

どれもAmazonのカスタマーレビューでは星2個です。

親の携帯をiPhoneにしたので、置き忘れ防止に買おうと思ったのですが、誤動作が多いのでは逆に迷惑になると思い、やめました。

使い物になるかはレビューを読んで判断して頂ければと思います。

 

製品情報に明記されている注意事項

「デジタルまいごひも」の製品情報は、こちらに掲載されています。

ユーザーインターフェースを可愛らしくしていますが、仕様上は上記製品と大差ありません。

スマホの置き忘れ対策などなら良いのですが、探す対象は「子供」です。居なくなったのにアラームが鳴らないと困りますが、そのようなことには仕様上なりません。

問題は、混信などで誤動作が多い場合、母親がアラームを切ってしまう可能性があるということです。アラームを切っているのも忘れて「デジタルまいごひも」を過信していたら、いつの間にか子供が居なくなり、事故にあってしまった、ということが起きる可能性があります。

母親はアラームを切っていたのも忘れ、「デジタルまいごひも」が鳴らなかったから子供が事故にあったとKING JIMを訴えるかもしれません。

そのため、KING JIMもスペックのページで、

本製品はお子様の安全や所持品の盗難・紛失防止を保証するものではありません。
お子様のひとり歩きには十分にご注意ください。万一の事故・トラブルなどによる損害につきまして、当社は一切責任を負いかねますので予めご了承ください。

と明記しています。

誤動作は想定内であり、それによって使用者がとる行動もわかっているからこその免責表示です。

 

親の心情

以前、「こんにゃくゼリー」が問題になった時のことです。同僚の子供を持つ女性と議論になりました。

「飲み込むと危ないことや、与えてよい年齢など明記されているのに、それを無視して与えた親が悪いのではないか」という私の主張に対し、同僚の女性は「そんなことは関係ない、事故が起きる可能性があるなら、誰が食べても危なくない状態にして売るのがメーカーの責任」とのことで、議論は平行線でした。

その時の私は「免責事項」が全てにおいての「免罪符」に思えていたので、同僚の主張が理解出来ませんでした。

結局、同僚の主張のように世間の反応は厳しく、「こんにゃくゼリー」は改善するまで販売停止に追い込まれました。

「デジタルまいごひも」も、事故が起きれば同様の事態になりかねない危険性をはらんでいます。

「子供」は「物」ではありません。「失せ物探し」の製品と同等の品質で扱うべきではないのです。

 

まとめ

現状では、Bluetoothで混信が無く、誤動作しないような製品は作れません。周りに2.4GHzの電波を発信するものが無くても、人体という電波妨害となる遮蔽物があります。電波と言う見えない不安定なものに命を預けるべきではありません。

真偽を疑われるなら本製品と類似製品のAmazonレビューを読んでみるとよいでしょう。

プレゼントもやめましょう。責任問題になります。

KING JIMに怨みがあるわけではありません。しかし、製品コンセプトが間違っていると断言します。

この記事を書いた人
Solomon

会社での経験と趣味のモバイルガジェットの利用経験から、製品のレビューや問題の解決方法を模索しています。

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