いつの間にか「Zドライブ」が追加されていることがあります。しかも、この「Zドライブ」はディスクの管理でも削除できません。
ここでは「Zドライブ」ができる原因とその対策について説明します。
Zドライブ とは
ふと、エクスプローラーを見ると、これまでは無かった「Zドライブ」が表示されていることがあります。
もちろん、何もしないのに表示されることはありません。よくあるのは、ディスク操作ソフトを使った後に表示されることが多いようです。その種のソフトが通常使われないパーティションの情報にアクセスするために、一時的にドライブ文字を割り当てた後、何らかの問題で元の状態に戻さないことで、ドライブ文字が残ってしまうことが原因のようです。
「Zドライブ」が「SYSTEM」というボリューム名で、サイズも数百MBなら、以下に説明する手順で消すことができる可能性があります。
ここでは、まず「EFI システム」パーティションに割り当てられたドライブ文字「Z」を削除し、その履歴となるレジストリーのキャッシュ記述を削除することで、再度ドライブ文字が割り当てられる原因を排除します。
Zドライブを表示させない手順
※以下の手順ではレジストリーを操作します。操作を間違えるとWindows 11/10が不安定になる場合がありますので、間違えないように操作してください。
ここで説明する「Zドライブ」、「SYSTEM (Z:)」は「EFI システム」パーティションにドライブ文字が割り当てられたものです。
「ディスクの管理」を見てみても「EFI システム」にはドライブ文字は割り当てられていません。しかし、ディスク操作ソフトで見てみるとこのように「Z」というドライブ文字が割り当てられていることが分かります。
「EFI システム」パーティションは特殊なパーティションのため、ディスク操作ソフトでもドライブ文字に関する操作はできません。
このような場合は管理者権限のターミナル、またはコマンドプロンプトから「DISKPART」コマンドで操作します。
1.ドライブ文字の割り当てを削除
[Windows]+[X]または「スタート」ボタンを右クリックして表示されるメニューから
- ターミナル(管理者)
- Windows PowerShell(管理者)
- コマンドプロンプト(管理者)
のいずれかをクリックします。
以下のコマンドを順に実行します。ここでは「コマンドプロンプト(管理者)」から実行した画面で説明します。
なお、使っているパソコンの環境により「ディスク番号」や「パーティション番号」は異なる場合があります。そのため自分のパソコンの状態に読み替えて実行してください。
コマンドは大文字でも小文字でも構いません。コマンド入力後の[Enter]キーの入力は省略します。
- diskpart
で「DISKPART」コマンドを起動します。
- list disk
で認識されているディスクを確認します。
表示されたディスクから「システムドライブ」を選択します。通常「システムドライブ」は先頭のドライブのため「ディスク番号」は「0」となります。
ここでは、
- select disk 0
で「ディスク 0」を選択します。
次に、
- list partition
で「システムドライブ」のパーティション構成を確認します。
表示されたパーティションの中から「システム」パーティションを選択します。メーカー製パソコンの場合は「システム」パーティションは「1」であることが多いのですが、普通にクリーンインストールした場合は「2」となります。表示されたパーティションをよく見て「システム」パーティションを選択してください。
ここでは「1」となりますので、
- select partition 1
で「システム」パーティションを選択します。
次に、
- detail partition
で「システム」パーティションの詳細情報を確認します。
「Ltr」の部分に「Z」とあり、ドライブ文字「Z」が割り当てられていることが確認できます。「Ltr」とは「Letter」の略です。
- remove letter=z
でドライブ文字「Z」の割り当てを削除します。
再度、
- detail partition
を実行すると「Ltr」の部分に文字が表示されていないことからドライブ文字が削除されたことが分かります。
最後に、
- exit
で「DISKPART」コマンドを終了してから、ウィンドウを閉じます。
エクスプローラーを起動して「PC」を見てみると「Zドライブ」が消えています。
次項のレジストリーの操作を行う前に、絶対にパソコンを再起動させてはいけません。再起動させてしまうと最初からやり直すことになります。
2.レジストリーの履歴を削除
「DISKPART」でドライブ文字の割り当てを削除しても、パソコンを再起動すると、また表示される場合があります。その対策として履歴を削除します。
[Windows]+[R]で「ファイル名を指定して実行」を開き、「名前」に
- regedit
と入力して「OK」をクリックして「レジストリーエディター」を起動します。
「ユーザーアカウント制御」が表示されますので「はい」をクリックして続行します。
以下の「キー」があるかを確認します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Search
\VolumeInfoCache\Z:
「Z:」という「キー」がある場合は、「Z:」を選択した状態でキーボードの[DEL]を押します。
「キーの削除の確認」が表示されるので「はい」をクリックして「Z:」キーを削除します。
次に以下の「キー」の「値」を見ます。
- \HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices
この「キー」の「値」に「\DosDevices\Z:」がある場合は、「\DosDevices\Z:」を選択した状態でキーボードの[DEL]を押します。
「値の削除の確認」が表示されるので「はい」をクリックして「\DosDevices\Z:」という「値」を削除します。
2か所のレジストリーを削除したら、レジストリーエディターを閉じます。
3.パソコンを再起動
最後にパソコンを再起動させ、「Zドライブ」が再度表示されないことを確認してください。
詳細解説
簡単に今回の対策を見つけた手順を説明しておきます。
「Zドライブ」に気づいた時、直前にEaseUS Patition Masterでデータドライブを分割したのが原因だとすぐに分かりました。
しかし、EaseUS Partition Masterでは「Zドライブ」は表示されていてもドライブ文字は削除できませんでした。
検索したところいくつか対処方法は見つかったのですが、レジストリーキーが間違っていたり、結局効果が無かったりとZドライブは消えませんでした。
「EFI システム」パーティションにドライブ文字が割り当てられていることはEaseUS Partition Masterで分かりましたので、以前の経験から「DISKPART」コマンドでどうにかできるはずとの目星をつけました。
実際にコマンドでドライブ文字を削除して「Zドライブ」は表示されなくなりました。
しかし再起動したら、また表示されるようになりました。そのためスタートアップで何かしらのドライブ文字割り当て操作が行われているのではと推測し「タスクマネージャー」の「スタートアップ」とレジストリーの
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows
\CurrentVersion\Run - HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows
\CurrentVersion\RunOnce - HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows
\CurrentVersion\Run - HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows
\CurrentVersion\RunOnce
を調べてみましたが、それらしい記述はありませんでした。
最後にレジストリー全体で「Z:」を検索したところ上記の2回所にそれらしい記述があり、削除したところ再起動しても「Zドライブ」は表示されなくなりました。
これらのレジストリーのキーと値は、USBメモリーなど接続実績のあるディスクを次回も同じドライブ文字でマウントするための仕組みのようです。
「EFI システム」パーティションは本来ドライブ文字を割り当てるものではありませんが、ソフトが割り当てたことでキャッシュとして残り、その結果毎回自動でマウントされてしまうようです。
パーティションの属性を変えないとパーティションを操作できないので仕方ないのでしょうけど、本来はソフトがアンマウントする段階でレジストリーのキャッシュも削除すべきでしょう。
まとめ
「Zドライブ」の問題の一般的な対処方法は「NoDrives」という「値」で表示されなくするもののようですが、ここで説明した方法では原因を取り除いていますので、こちらの方法をお勧めします。
また、確認はしていませんがWindows 7/8/8.1でも同様に対処できる可能性があります。
ただし、レジストリーの操作ですので十分注意してください。
コメント
同様の現象が発生し、記載いただいた手順で解消しました。
ありがとうございます。
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようでよかったです。
remove letterで削除しても再起動すると、Zドライブ表示が復活してしまうので困っていました。
「レジストリーの履歴を削除」の手順どおり実行しましたら、Zドライブが表示されなくなりました。
数日のストレスが一発で解消されました。ありがとうございました。
最後に、こちらの原因も詳細解説にあるとおりでした。
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようでよかったです。
悪影響は無いにしてもZドライブが表示され続けるのは気持ち悪いですからね。
同様の現象が出て、困っておりました。
記事を参照させていただき、解決いたしました。
あなたのような方がいらっしゃることで、他の方が救われます。
本当にありがとうございました。
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようでよかったです。
Zドライブの問題はなかなか無くならないようですね。
MBRからGPTに変更したら、知らない間に謎の『F』ドライブ名が出来ておりビックリしていたのですが、おかげさまで無事に解決いたしました。再起動しても同様の現象は起きていません。
本当にありがとうございます。
コメントを頂きありがとうございます。
MBRからGPTに変換するときに使うツールが、一時的にマウントしたり、パーティションのIDを変更してしまうことがあるようです。
ツールの仕様なので仕方ありませんが、解決したならよかったです。
おかげさまで助かりました。
パーティションを調整したらZドライブが割り振られて、アクセスもできないしドライブレターも消せなくて困っていました。
こうした情報を広めてくださる方のおかげで多くの人が助かります。
本当にありがとうございました。
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようでよかったです。
私もパーティションを編集したらドライブ名が割り振られるようになりました。
どうもパーティションを編集するには、一度、ドライブ名を割り振らないとダメなようです。
パーティション編集ソフトが、ドライブ名を割り振るために属性などを変更するのはよいのですが、パーティションを編集後に元に戻さないようです。
おかげさまで本当に助かりました。
EaseUS partition master proでも解決できませんでしたが、
いろいろ検索してやっとここにたどり着いた。
感謝、感謝
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ってよかったです。
パーティション操作ソフトもドライブが追加される原因を作りますので、現状では手動で対処するしかないように思えます。
Zドライブの件で検索し無事解決しました。
HDD換装(クローン)後に容量の違いからパーティションマジックを使い広げるとZドライブが誕生しエクスプローラーには表示されるが編集出来ずにこちらで解決に至った次第です。
後でディスクの管理でディスク0に今までCドライブだけだったのが、システムディスクとして移行表示?されているのにも驚きです。ありがとうございました。
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようで良かったです。
やはりパーティション操作で問題が発生するようですね。
Macrium Reflectでクローン作製しSSDを入れ替えたところ、新しいSSD側に何故かDドライブが出来てしまいました。
こちらの記事ではZドライブですが、Dドライブでも同じと思い同様に対処し解決しました。
(ただ、今まで利用していたSDカードを挿すと、以前はDドライブになってたのがGドライブになりました笑
助かりました、ありがとうございました!
コメントを頂きありがとうございます。
無事、Dドライブを消せたようでよかったです。
なお、SDカードのドライブ名が変わってしまったとのことですが、以下の手順で元のドライブ文字に戻すことはできます。
1.[Windows]+[X]で表示されたメニューから「ディスクの管理」を起動
2.上側のボリューム列でSDカードのドライブを選択して「右クリック」
3.表示されたメニューから「ドライブ文字とパスの変更」をクリック
4.「変更」をクリックして「次のドライブ文字を割り当てる」の右で割り当てたい「ドライブ文字」を選択して「OK」で開いたすべてのダイアログを閉じる
この変更は履歴に残るので、以後は必ず変更したドライブ文字でマウントされます。
さきほど、Cドライブの容量が少ないと警告が出て、EaseUS Partition Masterでお任せで広げますか?と聞かれたので、そのまま進めました。 再起動してきたら自分が設定しているZドライブに見知らぬ「SYSTEM」が割り当てられてしまい、自分のデータやソフトウェアがあったZドライブがマウントできず、環境がぐちゃぐちゃになりました。
diskpartは知っていたので、SYSTEMのZ:を幾らremoveで駆除しても、再起動すると居座る…
悪質なウイルスか、丁度再起動する際にWindows Updateが走ったので、Microsoft恒例のWindows Updateのバグかと思いましたが、なんとこのページに辿り着いて、EaseUS Partition Masterの不具合だと分かりました (^_^;)
ここに記載してくださっていたレジストリのお掃除で、やっと環境が元に戻す事ができました。
とても助かりました。 本当にありがとうございました!!
コメントを頂きありがとうございます。
お役に立ったようでよかったです。
パーティション操作を行う場合に、システム属性のパーティションは通常属性に変更しないと移動できないので、どうしても履歴に残ってしまいます。
ユーティリティソフトが履歴を掃除してくれるとよいのですが、ユーザーが設定しているドライブレターと区別がつかないなど問題があるのでしょう。