普通だと新しいWindowsが発売された場合、アップグレード版を買ってアップグレードするより、新しいパソコンに買い替えることが多いと思います。
しかし、Windows 10はアップグレードなら無料ということでアップグレードに挑戦する人も多いと思われます。
ただ、アップグレードは潜在的な不安定要因を引き継いで移行するため、アップグレード後に不安定になる可能性は大きくなります。その大きさはアップグレード前のWindowsを使ってきた期間が長いほど大きくなります。
クリーンインストールのメリットとデメリットを知ることで、アップグレードの潜在的な問題を認識し、アップグレードするか新しいパソコンに買い替えるかの判断の参考にしてもらえればと思います。
なお、クリーンインストールは上級者向けスキルであり、メーカー製パソコンを使う人にとっては習得してもあまりメリットはありません。
<目次>
先に結論から。クリーンインストールまたは新しいパソコンの購入のメリットとは、
デメリットとは、
ということです。以下に細かく説明します。
私が自作パソコンにクリーンインストールする場合の手順は以下のようになります。
メーカー製の新しいパソコンを買った場合は、12.からとなります。
13.で安定性を確認しますが、ここで不安定になるならドライバーにバグがある、パソコン自体がWindows 10に対応していない、新しいパソコンの初期不良ということになります。
前項の13.が重要です。ここで安定動作を確認できることが、クリーンインストール、または、新しいパソコンを購入する場合の最大のメリットです。
安定していた基準点がありますから、不安定になったとすればその後に行った変更が原因であると容易にわかります。
原因が複数あったとしても、「システムの復元」という機能で安定していた時点に戻すことができます。(Windows 10ではデフォルトで修復ポイントが作成されないように設定されていますので、設定の変更が必要です)
アップグレードでは、Windowsは置き換えられますが、それ以外のアプリケーションの設定などがすべて一度に移行されるため、問題が発生すると原因の特定ができません。
そのため、不安定要因を抱えたまま使い続けることになってしまいます。
ちなみに、私や友人のWindows 10にアップグレードしたパソコンで起きている症状は、
これらのパソコンはアップグレード後に変更は加えていないにもかかわらずこのような状態です。もちろん、互換性の確認と思われているこの表示がされていたにもかかわらず、このような状態です。
クリーンインストールまたは新しいパソコンを購入した場合、使えるように環境を整えるまでにとても手間と時間がかかります。少なくとも1日はかかるでしょう。
一方、アップグレードでは数時間で完了します。そして、アップグレードした場合、環境を引き継ぎますので、ソフトウェアのライセンスも引き継ぎます。そのため通常はアップグレード後もそのまま使えます。
しかし、クリーンインストールを行った場合、ソフトウェアを再インストールしても別のパソコンと判断され、新たなライセンスが必要になる場合があります。
ソフトウェアのライセンスの実装形態は何種類かあります。
問題となるのは、4.で、海外製のソフトに多い形態です。
メーカーのサポートと交渉すれば再発行してもらえる場合もあります。
クリーンインストールまたは新しいパソコンの購入は、安定している状態が明確なため、問題が起きても復旧や対策が比較的簡単です。
一方、アップグレードは、潜在的な問題がアップグレードにより一度に顕在化するため、問題を特定できず、復旧や対策がほぼ不可能です。
とりあえずアップグレードして、Windows 10というものに慣れたら、クリーンインストールするか新しいWindows 10パソコンに買い替えた方がよいでしょう。
クリーンインストールの手順は簡単ですが、パソコンによって手順が変わるため上級スキルとなります。量販店などのパソコンサポートの担当者でもできる人は少ないでしょう。一般向けパソコンサポートはマニュアルに従った問題解決しか行えませんのでクリーンインストールのスキルは必要ありません。
では、どういう場面で必要かというと、自作パソコンを組み上げる場合、企業でキッティングという同じ環境にセットアップしたパソコンを何百台と準備する場合などです。SEに近いスキルとも言えます。
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