Windows 10 ProはWindows 10 Homeと違い、設定だけで大型アップデートの適用を免れることができます。
ここでは各バージョンでの設定方法と間違いやすいもう一つの設定について説明します。
Windows 10 バージョン1903、2004以降の場合
Windows 10 バージョン1903以降では、ここで説明する方法で延期設定を行うと延期設定部分が消えてしまいます。
また、Windows 10 バージョン2004以降では、ここで説明する設定自体が削除されてしまいました。
そのため、Windows 10 バージョン1903以降で延期設定を行うにはグループポリシーを使う必要があります。
詳細はこちらの記事を参照願います。
Windows 10 Proの大きな違い
Windows 10 ProはWindows 10 Homeと違い、業務での利用に耐えるようないろいろな機能が搭載されています。詳細はこちらで説明されています。
- Windows 10 エディション別 比較表(Microsoft)
しかし、ここでは説明されていない一般ユーザーにとって最も重要な点は大型アップデートの適用を設定だけで最大365日延期させることができることです。
Windows 10 Pro バージョン1709の場合
「設定」アプリを開き「更新とセキュリティ」をクリックします。
左側で「Windows Update」を選択して右側の「詳細オプション」をクリックします。
ここにはWindows 10 Homeにはない項目が表示されています。
①チャネル
現在Windows 10はチャネルという考えでアップデートを行う方針に変更してきました。一般ユーザーに向けては「半期チャネル(ターゲット指定)」としてリリースされると同時に配信されます。企業向けには「半期チャネル」としてリリース後4か月して安定したところで配信されます。
安定してから配信してもらいたいなら「半期チャネル」に設定します。
②機能更新プログラムの延期
機能更新プログラム、すなわち大型アップデートの適用を延期させる日数を最大365日に指定できます。
大型アップデートを適用したくないなら「365」に設定します。
③品質更新プログラムの延期
品質更新プログラム、いわゆるセキュリティパッチも延期できますがパソコンが危険な状態となりますので、必ず「0」に設定します。
更新の一時停止
更にスクロールすると「更新の一時停止」という項目もあります。
これはどうしても更新プログラムを適用している時間が無く、仕方ない場合にのみ設定する項目です。停止させられる日数はこの項目を開いたタイミングで変化します。
この項目を「オン」にするとセキュリティパッチも適用されなくなるので大変危険です。時間ができたら速やかに「オフ」に戻してください。
Windows 10 Pro バージョン1703の場合
「Windows Update」の「詳細オプション」にはWindows 10 Homeに無いこのような項目が表示されます。
①ブランチ
従来Windows 10はブランチという考えでアップデートを行ってきました。一般ユーザーに向けては「CB(Current Branch)」としてリリースされると同時に配信されます。企業向けには「CBB(Current Branch for Business)」としてリリース後安定したところで配信されます。CBからCBBまでの期間は一定していません。
安定してから配信してもらいたいなら「Current Branch for Business」に設定しますが既にこの配信方法は終了しているため違いはありません。
②機能更新プログラムの延期
機能更新プログラム、すなわち大型アップデートの適用を延期させる日数を最大365日に指定できます。
大型アップデートを適用したくないなら「365」に設定します。
③品質更新プログラムの延期
品質更新プログラム、いわゆるセキュリティパッチも延期できますがパソコンが危険な状態となりますので、必ず「0」に設定します。
更新の一時停止
更にスクロールすると「更新の一時停止」という項目もあります。
これはどうしても更新プログラムを適用している時間が無く、仕方ない場合にのみ設定する項目です。停止させられる日数はこの項目を開いたタイミングで変化します。
この項目を「オン」にするとセキュリティパッチも適用されなくなるので大変危険です。時間ができたら速やかに「オフ」に戻してください。
Windows 10 Pro バージョン1607の場合
Windows 10 Pro バージョン1607の設定には「①ブランチ」しかなく既に機能しません。
「②機能更新プログラムの延期」は無いため大型アップデートの適用を延期したい場合はWindows 10 Homeと同様にブロックする必要があります。
またWindows 10 バージョン1607は2018年4月10日でサポートが終了してセキュリティパッチの提供も行われなくなります。
- Office と Windows のサービスとサポートの変更(Microsoft)
そのためWindows 10 Pro バージョン1607を利用している場合は早急にWindows 10 Pro バージョン1709へのアップデートをお勧めします。
Windows 10 Pro バージョン1511以前の場合
Windows 10は18か月のサポート期間と決められています。このサポートにはセキュリティパッチも含まれます。
Windows 10 バージョン1511は2017年10月10日でサポートが終了しておりセキュリティパッチの配信も終了していて危険な状態です。
Windows 10 Proバージョン1511以前を使用している場合は急いでWindows 10 Pro バージョン1709にアップデートするようにしてください。
既にダウンロードが始まっている、または、再起動待ちの場合
ダウンロードが始まっているのに気付いた場合は、あわてずに、まず、上記の設定を行います。
そして、「スタートメニュー」の「電源」から「再起動」をクリックします。
この時、「設定」アプリの「今すぐ再起動」や「電源」の「更新して再起動」と「更新してシャットダウン」をクリックするとアップデートされてしまいます。
再起動待ちの場合も、「後で通知する」をクリックして上記の設定を行い、「スタートメニュー」の「電源」から「再起動」をクリックします。
「設定」アプリの「今すぐ再起動」や「電源」の「更新して再起動」と「更新してシャットダウン」をクリックしてはいけません。
再起動してサインインすると、アップデートが中断されたため、再度、アップデートの確認が行われます。この時、上記設定が読み込まれてアップデートが延期されます。
まとめ
Windows 10 Pro バージョン1709/1703の場合は簡単な設定で大型アップデートを拒否できます。
ただし、Windows 10のサポート期間は18か月なのでスケジュールを調整して1年に1度程度はアップデートするようにしてください。
なお、機能更新プログラムを拒否するために自動更新を止めることを推奨しているサイトもありますが、決して自動更新を止めてはいけません。パソコンが非常に危険な状態となります。
コメント
現在、Windows10ProのVer1703を利用して延期させる日数を最大350で
設定していますが、この場合、Ver1703のサポートが切れる2018年10月09日
以降はUpDateが起動してVer1709ではVer無く、1804になってしまうのでしょうか?
コメントを頂きありがとうございます。
アップデートされる日付は、サポート終了日とは直接は関係無いようです。
2月に始まったWindows 10 更新アシスタントによるアップデートはWindows 10 バージョン1703以下が対象でしたのでサポート終了期限より半年以上も前に行われたことになります。
また、アップデート先は、その時点での最新バージョンとなりますので、現時点ではバージョン1803ですが10月なら次のバージョンになる可能性もあります。
ただし、アップデートを免れる設定をしていたとしても、サポート終了後はセキュリティアップデートが配信されませんので、アップデートは検討された方が良いでしょう。
バージョン1803ではなくバージョン1709にしたい場合は、Windows Updateではなく、バージョン1709のUSBメディアを使ってアップデートする必要があります。