2016年5月12日から今までと異なるKB3095675としてWindows 10へのアップグレードを自動で行う更新プログラムの配布を始めたとのことです。
この更新プログラムは5日しか猶予が無い時限爆弾となっています。5日後以降にパソコンを立ち上げると15分後にWindows 10へのアップグレードが始まってしまいます。
(画像はMicrosoft Ask COREから)
強制アップグレード用の新しい更新プログラムKB3095675
5月の定期更新日の翌日の5月12日から配布を始めたとのことです。
- Windows 10へのアップグレードが実行される日時が表示されるように(PC Watch)
- Windows 10へのアップグレード通知画面が変更 ユーザーがキャンセルしないとアップグレードが実行(ITmedia)
- Windows 10 アップグレード通知機能について(Microsoft Ask CORE)
KB3095675の恐怖
今回の更新プログラムの恐ろしいところは、今までは、
- バルーン、ウィンドウでのアップグレードの勧め --> [X]で閉じる --> 予約の意思が無い --> アップグレードされない
とバルーンやウィンドウを閉じれば問題ありませんでした。今回の更新プログラム適用後は、
- アップグレード実施日を告知 --> [X]で閉じる --> キャンセルの意思が無い --> 実施日にアップグレードされる
と、表示の変化に気付かずに今まで通りに閉じるだけだとアップグレードされてしまうということです。
私の持つ環境ではWindows 7もWindows 8.1もKB3095675がインストールされないので正確なところは分からないのですが、5月12日の4日後の5月16日からニュースサイトなどが騒がしくなってきているので、実際に被害者が発生しているようです。
アップグレードを回避する方法
今まではタスクバーの通知を非表示にしても無視されて何度も表示されたのですが、マイクロソフトのサイトでの説明を見ると、今回は1回だけキャンセルしてアップグレードの意思が無いことを示せばよいようです。
- Windows 10 へのアップグレード: スケジュールと通知の操作方法に関する情報(Microsoft)
こちらの説明では、アップグレード実施日が告知されたら、
この画面が表示された場合:
- アップグレードをスケジュールまたは開始するには、画面の指示に従います。
- アップグレードをスケジュールしない場合は、リンクをクリックして、アップグレードをスケジュールするかスケジュールされたアップグレードを取り消します。次の画面で、[スケジュールされたアップグレードのキャンセル] オプションを選択します。
アップグレードが以前にスケジュールされている場合、"この PC を Windows 10 にアップグレードすることが推奨されます" というメッセージが表示されます。スケジュールされたアップグレードをキャンセルするには、リンクをクリックして、アップグレードのスケジュールを変更するかスケジュールされたアップグレードをキャンセルします。次の画面で、[スケジュールされたアップグレードのキャンセル] オプションを選択します。
アップグレードをスケジュールした場合、アップグレードが開始される 15 分前に確認メッセージが表示されます。確認メッセージが表示されたら、[もっと時間が必要] をクリックして、アップグレードを再スケジュールまたはキャンセルすることができます。
と説明の通り行えばキャンセル可能とのことです。
こちらの記事では図で説明されています。
これらの操作が1回限りでよいと思われるのは、上記Microsoftの説明に、
通知をオフにする
無償アップグレード特典のポップアップ通知が今後表示されないようにする場合は、通知をオフにして、GWX アプリを非表示にすることができます。アップグレードしない場合は、次の手順を実行して通知をオフにする前に、上の手順に従って、スケジュールされたアップグレードをキャンセルしたことを確認する必要があります (注: アップグレードが既にスケジュールされている場合、通知をオフにした場合でも、アップグレードが開始される 15 分前に確認メッセージが表示されます)。
- タスク バーを右クリックし (または押したままにし)、[プロパティ] を選択します。
- タスク バーのタブで、[通知領域] まで下に移動し、[カスタマイズ] を選択します。
- GWX アイコンの [通知領域アイコン] ウィンドウで、[アイコンと通知を非表示にする] を選択します。
とあるからです。ただし、キャンセル操作をせずに非表示にしてしまうとアップグレードされてしまうので注意が必要です。
根本的な対策
今回の変更はKB3095675によるものですがKB3035583と連携して行われます。KB3035583はアンインストールして非表示にしても何度も更新版が配布されるため再インストールされてしまします。最近では2016年5月3日に更新版が再配布されています。KB3095675との連携のための更新だったようです。
既にアップグレードがスケジュールされてしまった場合は、早急にキャンセル処理を行う必要がありますが、まだKB3095675が配布されていない場合は、KB3035583をアンインストールすることで強制アップグレードは回避可能と思われます。
EA契約やSA契約でMicrosoft製品を導入していない企業(Enterpriseエディションを使用していない企業)で、「Windows Update からの Windows 10 への無償アップグレードを管理する方法」を実施してもバルーン表示は継続して行われます。アップグレードは2つの経路で行われるためバルーン対策は企業でも必要です。
まとめ
今回の措置は、変更を知らず表示が変わったことに気付かないと5日後にアップグレードされてしまう、強制アップグレードと呼べるものです。
にもかかわらずブログページに掲載しただけで、それを見つけたメディアの報道により公のものとなりました。
Windows 10アップグレードに対するMicrosoftとの攻防も7月29日で終了すると思っていたのですが、どうも延長するらしいとの噂が流れ始めています。
やはり、どこかのタイミングでWindows 10に移行しなければ永遠に逃れられないのかもしれません。
アップグレードはWindowsが不安定となるためお勧めできません。自分や知り合いにパソコンのスキルがあるならライセンスだけ利用してのクリーンインストール、無いならパソコンの買い替えをお勧めします。
安直ですが、無償アップグレードに煩わされない最善の方法です。
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