最近、2社からWindows Phoneを国内で販売するとの発表がありました。
- freetel、SIMロックフリーのWindows Phoneを2015年夏までに国内発売(ITmedia)
- マウスコンピューター、Windows Phone搭載機の開発に着手――SIMロックフリーの予定(ITmedia)
freetelは既に製品が出来ているのでWindows Phone 8.1、マウスは影も形もない状態なのでWindows 10になるとの予想です。MVNOを利用する人が徐々に増えつつあるので、そこそこ売れるとの見込みがあるのでしょうが、大手キャリア3社が捨てた市場ですので、そう甘くはないと思います。
こちらの記事を書いた頃は、私もWindows Phoneには期待をしていました。
しかし、現在のWindows RTの扱いや、Windows 10 Technical Preview Build 9926を試してみて感じたことは、Windowsストアアプリ(ユニバーサルWindowsアプリ)に未来は無いかなということでした。
Windows 8.1のストアを覗いてみると、新しいアプリが追加されてはいるのですが、使いたいと思えるようなものは未だにありません。
Windows 10におけるWindowsストアアプリの扱いも、ウインドウで使えるようになり、使いやすくなったと言われますが、Windows 7におけるXP Modeの扱いと同じで、Windows 8との互換性維持のために残してあるだけにしか見えません。
スマートフォンが便利なのは、あの大きな画面より、使えるアプリが沢山あることです。それなのに先の見えないWindowsストアアプリしか使えないWindows Phoneは、今となっては、それほど魅力が感じられません。
Modern UIもWindows 8時代ならデスクトップ、タブレット、スマートフォンで統一されていることに意味がありましたが、Windows 8.1ではタッチパネル搭載PCでは初期画面で無くなり、Windows 10に於いては廃止されてしまいました。
Microsoft Officeも、iOS版とAndroid版がリリースされ、更にOffice Onlineによってどのプラットフォームからでも作業が行える状況に対して、Windows Phoneの優位性が見出せないのです。
スマートフォンブームも去り、次の革新的なデバイスの登場を待ち望んでいるユーザーや市場にとっても、Windows Phoneは琴線に触れるものでは無い気がします。
Windows 10は、まだTechnical Previewなので期待できる機能が実装されることも考えられますから、Windows Phoneを買うならfreetel版は止めてマウス版を待った方がよいかもしれません。
2015年3月2日のMobile World Congress 2015において、すべてのWindows Phone 8.1からWindows 10へのアップグレードが約束されたとのことです。
Windows 10が動くというのと、使えるのとでは別の話なので何とも言えませんが、freetelを買っても問題無いかもしれません。またマウスからもWindows Phone 8.1として以外に早く発売される可能性もあります。
残る問題はWindowsストアアプリ(ユニバーサルWindowsアプリ)です。iOSやAndroidの有名どころのアプリが提供されるかどうかで、アプリ開発の波の変化を感じ取れると思いますので、まずはWindows 8.1のストアを眺めて、Windowsストアアプリ市場の変化を見極めるのがよいでしょう。
マウス製のWindows Phoneの詳細が発表されました。
OSはWindows Phone 8.1とのことで、意外と早く発売されるようです。ミドルレンジと言っていますがAndroidと比べても、スペックが貧弱に感じられます。
SIMフリーiPhoneが高額な輸入業者から買えなくなってしまったので、MVNOの利用はAndroid一択となってしまいました。freetel、マウス、AcerのWindows Phone投入は、この状況の改善になるかもしれません。しかし、マウスは法人をターゲットとしていますので、MVNOとのセット販売としても、一般に売れるかどうかわかりません。一般ユーザーが増えなければ、アプリの供給も増えません。
MWCで多くのWindows Phoneが発表された背景についての記事が掲載されました。
- MWCで多数のWindowsスマートフォンが発表されたその背景とは(PC Watch)
- 国内メーカーが相次いでWindows Phoneに参入、日本で再起なるか(ITmedia)
やはり今後の展開は、Windowsストアアプリの供給にかかっているわけですが、この記事の中でWindowsストアは、現状ではPC版とPhone版でストアが分断されているとのことですので、Windows 8.1のストアを見てもWindows Phoneのアプリが増えたのかわかりません。ただ、今後はWindows 10対応のユニバーサルWindowsアプリとして開発されますから、Windows 10でのWindowsストアの統合を待たなくとも、Windowsストアアプリの動向は見えてくると思われます。