Sony Reader

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一度撤退したSONYがReaderで電子書籍市場に再参入とのことで期待していたました。なかなか実機を見れずにいたところ、量販店では公式発売日の前日の2010/12/9に発売になるとともに、実機も展示されました。

厚さ10mmというのも思ったほど気になる厚さではなく、重さも長時間持っても疲れない程度であり、電子書籍リーダーとしては良い出来なのですが、ケースの材質など堅牢性にはやや難ありのようです。光学式タッチパネルもやや反応が遅いように感じました。

表示については、電子ペーパーならではのハッキリした白黒のコントラストは非常に見やすいと思いました。文字サイズは6段階に設定できるので、デモ機にインストールされている小説を文庫本と同じ程度の大きさに見える一番小さい文字のXSに設定したところ、読み辛く感じました。よく見ると明朝体で表示された文字の斜めの部分が擦れたように尖って見えました。

このページでは、Readerの表示について紙と電子ペーパーと液晶とでの違いが説明されています。Readerは16階調の電子ペーパーを搭載しているにもかかわらず文字は2階調でしか表示していないように見えます。最近は斜めの線は中間色を用いたアンチエイリアシング処理で気にならない程度にぼかすのが普通ですが、Readerではその処理はしていないようです。

もう1サイズ大きな文字にすれば気になりませんが、16階調のハードの表現力は使ってもらいたいと感じました。

最近iPod touchで、「ドラッカー 時代を超える言葉ーー洞察力を鍛える160の英知」などというものを買って電子書籍の読みやすさ、使いやすさを見ているのですが、マークをいくらでも付けられ、後で不要になれば簡単に消せ、リストからすぐにマークした場所を表示出来るなど使い勝手は、紙の書籍より格段によいと感じました。また気になる単語を辞書で調べられるのですが、このアプリではネット環境が必要でした。

Readerにも同様の機能があり、マークに加えて手書きでメモを書き入れることが出来るのは便利と思われます。辞書は内蔵されていてネット環境が無くても使えるのですが、英和、英英だけなので、WiKiなどが使える分、やはりネット辞書の方が便利です。

なお、これは電子書籍全般に言えることですが、電子書籍は鎖のように連なった文字列を指定された文字サイズで表示可能な文字数ごとにページに割り当てていきます。そのため、文字サイズによってある文章がちょうどページの区切りにかかり、2ページに分断されることもあります。マークはページを跨いで設定することが出来ないため、文字サイズを変更して1ページに収まるようにしてマークするか、2つのマークに分けなければなりません。

また、ある文章が何ページに表示されるかは文字サイズで変わるため、人に伝える時に従来のように「XXページ」という伝え方は出来ず、「XSサイズでXXページ」などの表現になります。ハードが異なればこの表現も出来なくなり、目的の文章の位置を伝えるのが難しくなります。

これらの点はReaderでも解決されていません。

最後に、日本国内版のReaderは通信機能が全く無く、コンテンツの転送にはPCが必須となります。これは人に勧められたり、車内広告で気になった場合などに、すぐに入手出来ないため、家に着く頃には忘れているなどということになり、電子書籍ストアにとっても機会損失となります。モバイルルーターが普及してきたので、電池の持ちが悪くなっても、せめてWiFiは実装してもらいたかったところです。

表示品質や操作性はファームのアップグレードで改善される可能性もありますが、自炊した電子文書や、既にPDFとなっている文書を読むにしても、表示品質、使い勝手、コンテンツの同期手段、堅牢性、価格などから、今回の製品の購入は保留としました。

特に価格については、小さい方(PRS-350)の価格と、iPod touchの8GBがほぼ同じ価格のため、出来ることから考えると、どうしても高いと感じてしまいます。

表示品質や操作性については、個人的主観が多分に含まれていますので、購入を検討してされている場合は、通販でいきなり購入せず、まず、販売店で実機を見てから検討されることをお勧めします。

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