予定通り、Microsoft Accessの不具合を修正した更新プログラムの配信が始まりましたが、完全には修正されていないようです。
11月更新プログラムでの問題
2019年11月13日(日本時間)に配信されたMicrosoft Officeのセキュリティ更新プログラムには致命的なバグがあり、SQLの書き方次第ではエラーが発生するというものでした。
これは、今まで問題なく動作していた多くの業務用アプリが、定期更新プログラムを適用した直後からエラーが発生して動作しなくなり、調べてみるとこれらのアプリはMicrosoft Accessのデータベースエンジンを利用していることから、その更新プログラムに問題があることがわかりました。
当初、Microsoftは黙秘し、ユーザー側で対象となる更新プログラムをアンインストールしたり、それができないユーザーのためにプログラマーがSQLを書き換えるなどそうとう混乱したようです。
Microsoftの対応
そうしているうちにMicrosoftは対応準備ができたことでこの記事を掲載しました。
- Access エラー: 「クエリは破損しています」(マイクロソフト)
当初は、修正された更新プログラムは12月の定期更新で配信されるとのことでしたが、修正プログラムだけ11月27日に配信を開始しました。
ただし、修正プログラムはWindows Updateでは配信されず、特定のサイトから自分でダウンロードしてインストールする必要があります。
そして、予告通り12月の定期更新に併せて2019年12月11日(日本時間)に修正プログラムが配信されました。
Officeのバージョンと更新プログラムの対応
現時点での対応Officeのバージョンと更新プログラム、修正プログラムの対応は以下となります。
対応Officeの バージョン |
11月の更新 プログラム |
修正プログラム | 12月の更新 プログラム |
2010 | KB4484127 | KB2986256 | KB4484193 |
2013 | KB4484119 | KB2965317 | KB4484186 |
2016 | KB4484113 KB3085368 |
KB4484198 (KB3085368) |
KB4484180 |
バグのある11月の更新プログラムは12月の更新プログラムに置き換えられたため、12月の更新プログラムの配信開始と同時に11月の更新プログラムの配信は停止しています。
Access 2016については別のバグも発生しておりその修正がKB3085368ですが、これが12月の更新プログラムに含まれているかは不明です。
Microsoftはバグを把握し、問題のある更新プログラムの配信を停止し、修正された更新プログラムをWindows Updateで配信しています。
よって、ユーザーが行うべき最善策は12月の更新プログラムを適用することです。
11月の更新プログラムを適用したままの場合や、アンインストールしたり、再インストールをブロックしていたとしても、12月の更新プログラムを適用すれば問題は修正されます。
修正は完全ではない?
12月の更新プログラムの配信でこの問題は終息したはずなのですが、一部のサイトではまだ問題が継続して発生していると告知しています。
- 緊急のお知らせ(郵便局)
ゆうパックプリントRは問い合わせが多い場合に方針を掲載するようで、ユーザーが正しく11月の更新プログラムを12月の更新プログラムで置き換えられていない可能性もあり、本当に12月の更新プログラムにも問題があるのかは明確ではありません。
ここでの指示は12月の更新プログラムを適用しても問題が発生する場合は修正プログラムを適用するようにとのことです。
修正プログラムは前項の表のリンク先からダウンロードできます。
更新プログラムや修正プログラムのOfficeのバージョンとは使用しているOfficeのバージョンではなく、インストールされているAccess Database Engineのバージョンです。
この例ではExcelなどを利用しているのはOffice 2013ですがAccess Database EngineはOffice 2010です。
32ビット/64ビットについては、ほぼすべて32ビットバージョンです。
間違った修正プログラムをインストールしても対象となるAccess Database Engineがインストールされていなければ、エラーとなりインストールされません。
よくわからなければ、修正プログラムをすべて適用してみてもよいでしょう。必要なもの以外はインストールできませんので問題ありません。
まとめ
とりあえず、12月の更新プログラムでこの問題は終息するはずです。
今回の件で一部に無用の仕事を増やした責任は大きいはずですが、Microsoftは何とも思っていないでしょう。メインの顧客は企業であったとしても、サポート契約を結んでいない企業は一般顧客と何ら変わらないのですから。
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