企業のIP電話交換機が乗っ取られ不正に国際電話をかけられ、多額の費用が請求されるという問題が騒がれています。しかし、「ひかり電話」などの家庭向け商品では、現状は影響は無いと考えてよいでしょう。
ただし、これに乗じて紛らわしい情報を流布するサイトもあるので注意が必要です。
問題の原因
専門家が調べても問題の原因はハッキリしないため、IP交換機販売会社、回線業者、国で責任の擦り付け合いが起きています。
- 乗っ取り被害が出たIP電話機のベンダーが見解を発表、運用・製品の欠陥を否定(INTERNET Watch)
- IP電話乗っ取り被害、NTTが対策発表 被害額の一部補てんも(ITmedia)
- 法人のIP電話で不正利用多発、総務省が対策呼び掛け(ケータイWatch)
これは勝手にやっててくれればよいのですが、問題は家庭用のIP電話も被害に遭うことがあるのかということです。
今回の問題は内部犯行ではないため、インターネットから何らかの方法でIP電話交換機が乗っ取られたことによると考えられます。
企業向けのIP電話交換機は遠隔管理のためにインターネットから操作できる仕組みを持っています。
しかし、家庭用の光回線やADSL回線のアダプターは、インターネット側から管理画面にログインできるようになっていません。裏の機能としてはあるかもしれませんが、一般向け製品なのでそのような機能を組み込んでいる可能性は低いと思われます。
また、企業と違い、数十万円もの国際電話料が請求されれば、すぐに気付き問題となります。しかし、今回の問題は2010年頃から起きているとのことですが、家庭用の機器での被害は聞かないので、今のところ起きていないと考えてよいでしょう。
最近は家庭内にネットワーク機器が設置されるのが当たり前となり、下手にいじくられて問題を起こされるよりはと、最低限の機能しかユーザーが操作できないようにする傾向にあるので、危険性は更に減るでしょう。
便乗した引っかけ情報に注意
今回の問題でニュースサイトでは「IP電話」という言葉を使い、家庭用と区別しているように思えます。しかし、こんな記事もあります。
内容に問題は無いのですが、「ひかり電話」という単語を使っていることが問題です。「ひかり電話」は家庭向けIP電話の名称として知られています。IP電話という言葉がわからなくてもひかり電話なら知っているという人も多いでしょう。そのため、このタイトルを見ると「自分も被害に遭うのでは」と心配になってしまします。
完全に「釣り」タイトルなのですが、消費者に動揺を与える好ましくないやり方です。
まとめ
ネットワークの問題は完全に大丈夫とは言えませんが、同様の手口なら問題の原因から言って、現状では家庭用の機器が乗っ取られて被害に遭うことは無いでしょう。
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