今年の春のWindows 10の大型アップデートは例年とは違うようです。
これまでWindows 10の春の大型アップデートでは、大きな機能追加や変更がありました。そのため多くの問題を起こしていましたが、今回はバグ修正と小さな機能追加だけでリリースされるようです。
Windows 10 バージョン21H1
Windows 10はWindows Insider Programの元でテストが行われ、(完成するとではなく)時期が来ると正式版としてリリースされます。
従来はringという区分で、Fast ring(積極的に新機能を追加してテストを行う先端のWindows 10)、Slow ring(ある程度の安定動作が確認されたWindows 10)、Release Preview ring(正式リリース候補のWindows 10)に分けられていました。
現在は、Fast ringはDev チャネルに、Slow ringはベータ チャネルに、Release Preview ringはリリース プレビュー チャネルに名称が変更されました。
詳細についてはこちらに説明があります。
- フライティングの詳細(Microsoft)
そしてWindows 10 バージョン21H1は、現在ベータ チャネルでテストが行われており、現時点ではBuild 19043.906が最新ビルドとなっています。
Windows 10 バージョン21H1では現行のハードウェアで問題なく動作するとMicrosoftは言っていますが、Windows 10 バージョン21H1はマイナーバージョンアップなのですから当然の話です。
- 春頃登場のWindows 10「21H1」は現行のハードウェアで問題なく動作(PC Watch)
Windows 10の機能の実装状況はビルド番号でわかります。最近のWindows 10のバージョン番号とビルド番号の対応はこのようになっています。
Windows 10のバージョン番号 | ビルド番号 |
---|---|
2004 | 19041.XXX |
20H2 | 19042.XXX |
21H1 | 19043.XXX |
次期バージョン | 21XXX.XXXX |
このようにWindows 10 バージョン2004から21H1までは、ビルド番号の整数部が「1」しか変わっていません。すなわちマイナーアップデートであるということです。
Windows 10 バージョン21H1の新機能
Windows 10 バージョン21H1に含まれる新機能についてはこちらで説明されています。
一部を抜粋してGoogle翻訳にかけた結果は以下の様になります。
Windows 10バージョン21H1には、セキュリティ、リモートアクセス、および品質を向上させるスコープ付きの機能セットが含まれます。このアップデートでリリースする機能は、お客様が現在最も信頼していると言っているコアエクスペリエンスに焦点を当てています。 そのため、このリリースを最適化して、お客様の最も差し迫ったニーズをサポートしました。
新機能には、Windows Helloのマルチカメラサポートと、セキュリティ関連のパフォーマンスの向上が含まれます。
- Windows Helloマルチカメラは、外部と内部の両方のWindows Helloカメラが存在する場合に、デフォルトを外部カメラとして設定することをサポートしています。
- ドキュメントを開くシナリオの時間の最適化など、Windows Defender ApplicationGuardのパフォーマンスが向上しました。
- Windows Management Instrumentation(WMI)グループポリシーサービス(GPSVC)は、リモート作業シナリオをサポートするためにパフォーマンスの向上を更新します。
これらはコロナ禍におけるテレワークでの企業側から見た要望と思われる内容なので、一般ユーザーにはあまり関係のある変更ではありません。
ただし、バグ修正報告を見ていると地味に多くの部分で変更を加えているようなので、先日の印刷の問題のようなことが起こる可能性はあります。
- Windows 10最新パッチ適用で、印刷時にクラッシュ(PC Watch)
- Windows 10の印刷時ブルースクリーン問題。Microsoftが回避策公開(PC Watch)
- Windows 10の印刷時クラッシュ問題が解消(PC Watch)
- 「Windows 10の印刷時クラッシュ問題が解消するパッチ」の不具合を解消するパッチ(PC Watch)
Windows 10 バージョン21H1の入手方法
Windows 10 バージョン2004とWindows 10 バージョン20H2では毎月の累積アップデートと同じ仕組みで配信されます。
Windows 10 バージョン2004より古いバージョンではWindows 10をインストールし直す従来通りのバージョンアップ方法となります。
バージョン番号に「月」が含まれなくなったため正確な配信時期の噂はありません。例年通り4月から5月あたりと言われています。
まだ完成していないバージョンは、Windows Insider Programから、またはISOファイルとして入手できます。
Windows Insider PreviewのBuildの進捗状況についてはFlight Hubで確認できます。
- Flight Hub(Microsoft)
ここにはISOファイルの配布状況も掲載されているのですが、Windows 10 バージョン21H1についてはBuild番号に間違いがあるようです。
Windows 10 バージョン21H1のISOファイルはこちらからダウンロードできます。
- Windows Insider Preview Downloads(Microsoft)
ダウンロードするにはWindows Insider Programで利用しているMicrosoftアカウントでサインインする必要があります。
「Select edition」で「Windows 10 Insider Preview (Beta Channel) - Build 19043」を選択してダウンロードします。
Flight Hubでは2021/3/18にBuild 19043.899が登録されたとあります。しかし、このISOファイルでクリーンインストールしてみたところBuild 19043.844でした。
ベータチャネルなのでまだバグはありますが、デスクト/ップ右下のウォーターマーク(評価版であるとの表示)も表示されず、エディション表記にもInsider Previewの表記はありません。
現在は、この状態でWindows Updateを行うとBuild 19043.867まではアップデートできます。
最新ビルドのBuild 19043.906にアップデートするには「設定」アプリの「更新とセキュリティ」「Windows Insider Program」から「Windows Insider Program」の「ベータチャネル」に参加する必要があります。
以前はWindows Insider Programへの参加には、Windows 10へのサインインをMicrosoftアカウントで行う必要がありましたが、今はローカルアカウントのままでもWindows Insider Programに参加できます。
まとめ
この春にリリース予定のWindows 10 バージョン21H1はマイナーアップデートです。そのため大型アップデートは秋に来ることになり、これはメーカー製パソコンにも影響します。
メーカー製パソコンは基本的に販売時点でのバージョンでの動作が保証されています。夏のボーナス商戦で販売されるWindows 10パソコンはバージョン21H1のため、秋の大型アップデートでは不具合が発生する可能性があるということです。
もちろん大手メーカーはしっかりサポートしてくれるでしょうが、ハード的問題でサポート不可能だったり、弱小メーカーではサポートすらしてくれない可能性もあります。
新しいパソコンを買う場合は購入時期をよく考えた方がよいでしょう。
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