Windows 10 バージョン2004以降では回復パーティションの確保方法が変わったことで、回復パーティションの増殖は減ってきていると思います。
Windows 11がリリースされても内部的にはWindows 10を引き継いでいますので大きく変わっていませんが、現状について調べてみました。
回復パーティションの増殖問題
回復パーティションとはその名とおり、Windows 11/10に問題が発生して起動しなくなった場合などに、Windows 11/10を修復するためのツールが使える回復環境を起動させるためのパーティションです。
Windows 11/10に標準搭載されたドライバーに含まれない特殊なドライバーを必要とするデバイスが接続されており、回復環境を起動するためにそのドライバーが必要な場合は、そのドライバーも回復パーティションに追加でコピーされます。
Windows 11/10をバージョンアップしていくと、機能の追加により回復環境が増加することに予め確保しておいた回復パーティションが不足すると、その回復パーティションを捨てて新たな回復パーティションが確保されます。バージョンアップするごとに使われなくなった回復パーティションが増える問題を「回復パーティションの増殖」と呼びます。
もちろん、使われなくなった回復パーティションを解放して再利用するようにパーティション変更ツールを使うことも考えられるのですが、何故かMicrosoftはWindows 10 バージョン1909まではディスクの最初に回復パーティションを確保するように構成したため、回復パーティションの再利用ができませんでした。
Windows 10 バージョン2004以降では、Windows 11/10をクリーンインストールするとイメージを展開した最後の段階で、Windows 11/10がインストールされたパーティションの最後を削る形で回復パーティションを確保するようになりました。
この変更により、パーティション変更ツールで増殖したパーティションの再利用はできるようになりました。
Windows 11/10における回復パーティションのサイズ
仮想環境では余計なハードウェアが無いため、基本的な回復パーティションのサイズを知ることができます。
仮想環境で調べた、おおよそのWindows 11/10の回復パーティションサイズです。未だに回復パーティションサイズの増加は止まっていません。
Windows | バージョン | 回復パーティションサイズ |
---|---|---|
Windows 11 | 23H2 | 794MB |
Windows 11 | 22H2 | 668MB |
Windows 11 | 21H2 | 646MB |
Windows 10 | 22H2 | 572MB |
Windows 10 | 21H2 | 552MB |
Windows 10 | 2004~21H1 | 550MB |
Windows 10 | 1903~1909 | 530MB |
Windows 10 | 1709~1809 | 500MB |
Windows 10 | 1507~1703 | 450MB |
最適なパーティション構成
最適なパーティション構成はWindows 11になっても、Windows 10の場合と違いはありません。
すなわち、この順番です。
システム | 予約 | Windows | 回復 |
回復パーティションのサイズの増加も止まっていませんので、余裕を持ったパーティション構成でクリーンインストールしたい場合は、こちらの記事で説明した方法を使って、Windows 11でもWindows 10と同様に変更できます。パーティションサイズ変更スクリプトの「Windows 11/10用 最適パーティション作成パック Ver.2」もWindows 11で使えます。
不可解な点
今回記事を書くにあたって、今使っているパソコンの回復パーティションサイズを見てみました。
このパソコンはウイルスに感染したのでWindows 11 バージョン21H2をクリーンインストールしたのですが、回復パーティションサイズを1GB(1024MB)確保してインストールしました。その後、Windows 11 バージョン22H2にはバージョンアップで移行したのですが、今見てみると回復パーティションサイズが1.15GB(1175MB)になっていました。
バージョンアップに際し、自動で増やされたのかと思って、仮想環境のWindows 11 バージョン21H2をバージョン22H2にバージョンアップしてみたのですが、646MBから変化はありませんでした。
いろいろ開発系ツールもインストールしているのでその影響かもしれませんが、増えた原因が分かりません。
まとめ
Windows 11は世界中の約半数のパソコンを買い替えさせるために、Microsoftとパソコンメーカーが結託した巨大なキャンペーンです。内部的にはWindows 10からの延長で開発が進められており、大きな違いはありません。
Windows 11に対応していないパソコンにクリーンインストールする場合は、上記で説明したツールで予め回復パーティションを確保したうえで、TPMなどを回避したインストール媒体を使ってインストールしてください。
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