従来、UWPアプリとはWindows 10というコアで動作している環境ならどのマシンでも動作するアプリとされていました。
ところが、Desktop Bridgeで変換されたWin32アプリもUWPアプリに含めることになったそうです。
UWPアプリとは
Windows 8がリリースされたとき、iOSやAndroidの真似をしたのか、Windowsストアから提供される全画面表示のアプリが新しく定義されました。
当時はWindowsストアアプリと呼ばれていました。
ただし、当時のWindowsストアはWindows 8とWindows Mobileで分かれていて、両方のプラットフォームで動作するものと片方のプラットフォームでしか動作しないものがありました。
その後、Windows 10でOne Windowsが提唱され、すべてのWindows 10が動作するプラットフォームで動作するアプリに昇格し、UWPアプリ(ユニバーサルWindowsプラットフォームアプリ)と名称が変わりました。
昨年までは、UWPアプリとはパソコンのWindows 10でもスマホのWindows 10 MobileでもXboxでもHoloLensでも動作するアプリでした。
Desktop Bridgeとは
Windows 10で動作するアプリにはUWPアプリ以外に従来からのWin32 APIや.NET Frameworkで動作するデスクトップアプリがあります。
従来のアプリと違いUWPアプリは隔離された環境で動作し、設定なども含めてパッキングされているためレジストリーなどを汚しません。iOSやAndroidのアプリと似ています。
この特徴を活かすことで安全に安定したシステムを維持することが可能となります。
しかし、従来からのWin32 APIや.NET Frameworkで動作するアプリを切り捨てるわけにもいきません。
そこで、Microsoftはこれら従来のアプリをそのままの動作でUWPアプリのように見せかけるパッキング用のソフトを提供しました。
それがDesktop Bridgeです。
これは、UWPアプリとして根本的にコーディングし直すまでの移行措置との位置付けでした。
ところが、最近、正式なUWPアプリに作り直さなくてもWindowsストアから提供して良いようになったようです。
こちらの記事にはこうあります。
そのため、1年前のセッション内での解説は、5段階あるステップの最後で既存のデスクトップ向けコードを廃した“完全形”のアプリを目指すものとなっている。
しかし、Microsoft内でUWPの定義がひそかに変更され、もともと「PCでもモバイルでもゲーム機でも共通して動作するアプリ」だったものが、現在では「APPXファイルとしてパッケージされたアプリ」となり、Win32コードを含んでいるためにPCでしか実行できないアプリであっても「UWP」と呼ぶようになっている。
先ごろiTunesがWindowsストアで提供されるとの発表がありました。
これもデスクトップ版のiTunesを単にDesktop Bridgeで変換しただけのものになる可能性があります。
この定義の変更によりUWPアプリでもWindows 10 Mobileで動作しないものもでてきます。
ただし、Windows 10 Mobileは殆ど使われていませんので影響は無いでしょう。
いまだにWindows 10 Insider ProgramではWindows 10 Mobileの開発は続いていますが、Creators Update以降BuildナンバーがPC版と大きく離れています。
また、先ほどの記事にはこのようにあります。
だが、今回の2017年版スライドで最も興味深い記述は、Desktop Bridgeがターゲットとするフォームファクタから「モバイル」が除外されている点にある。2016年版では「PC」「Mobile」「Xbox One」「HoloLens」だったものが、2017年版では「My converted app will run on Hololens and Xbox」とのみ記述されているのだ。
Desktop Bridgeで変換したUWPアプリはWindows 10、Windows 10 S、Xbox、HoloLensで動作するとのことです。
もしかするとXboxでiTunesが使えるようになるかもしれません。
まとめ
Windows 10 SはWindowsストア経由でしかアプリをインストールできません。
しかし、UWPアプリの定義が変わったことでDesktop Bridgeで変換してWindowsストアに登録すればWin32アプリであろうとインストールは可能となるのです。
デスクトップ版Microsoft Officeは従来のUWPアプリ版Office Mobileとは違いますが、共にWindowsストア経由で提供されるようになります。
Surface LaptopにはOffice Home and Business 2016が添付されますが、Windowsストア経由でのインストールとなるのでしょう。
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