iPad版　ビューン

iPad版のビューンの正式サービスが開始されました。とりあえずiPadのWiFiだけのサービスですが、お金を払う価値があるかを調べてみました。

ビューンとは雑誌を読むことが出来るだけのサービスと思っていたのですが、DoCoMoのiチャネルのニュースチャネルのようにニュースと日テレNEWS24の動画ニュースが見れるサービスが組み合わされたものでした。

コンテンツ量、内容

まず、コンテンツの配信状況は、2010/7/11に調べた限りでは、以下の表ようなものでした。数字は、配信ページ数／総ページ数です。総ページ数は、配信ページの最終ページや目次の一番大きな数字から引いていますので、少なくともこの数字以上の総ページ数があると見て下さい。

テキストとは、通常ページをタップすると、次の3個のアイコンが表示されますが、

テキストで表示可能なページでは、テキストというアイコンが追加されます。

このアイコンを選択するとテキスト部分だけを読むことが出来る表示に切り替わります。テキスト表示では、右上に、

が表示され、文字サイズと、白地に黒文字か黒地に白文字かを選択出来ます。

テキストの列にOのある雑誌は、テキストで読めるページが１ページでもあればOとしましたので、すべてのページがテキストで読めるわけではありません。

掲載量は変わるとの記述がありますが、ゲキサカ＋のように毎日ページが追加される雑誌をさしていると思われます。バックナンバーを見た限りでは、初回掲載時からページ数の増加は見られませんでした。

提供される情報は量ではなく内容と言われる方もいるかと思いますが、殆どの雑誌で目玉となる特集は、最初の数ページ程度しか提供されていません。したがって、読みたければ雑誌を購入してくださいということなのでしょう。それならば、ネット書店にリンクするなどもう少し使い勝手をよくしてもらいたいです。雑誌も多方面の種類を集めており、一部は明らかに本をスキャンしたのではないかと思われる解像度の低い雑誌も混ざっています。また、小雑誌やDVDなど付録がついている雑誌も多く、当然付録のデータは提供されていません。

iPad専用アプリ

WiFi専用なのにコンテンツのダウンロードに結構時間がかかっています。雑誌の一覧での並びも最後に読んだ雑誌が先頭に表示されるので、中断しなければならなくなった場合は便利ですが、バックナンバーでは、どれを読んでいたのかわからなくなってしまいます。アイコンに表示されるテキストも長い場合はカットされるので何号という部分が見えなくなってしまうので区別がつきません。

テキスト表示は文字を大きくしたり背景と文字の色を変えて見やすく出来るのですが、標準が「中」で、「大」にしてもあまり大きくならずメリットは感じられません。また、次のページに進むと設定がリセットされるため、ページを進めるたびに設定しなければなりません。

ニュースに関しては、動画で見れるメリットもありますが、一覧表示にすると全面が記事を選択するタッチ部分になり、スクロールするつもりが記事を選択したことになり、再度一覧に戻らなければならないなど、画面構成の改善が必要です。

各ニュース記事の下には他の記事の一覧が表示されますが、利用者の意思とは無関係にスクロールしてしまうため、順に記事を見るには適しません。

感想、料金、要望

iPadの重さは欧米人向きに設計されているのでしょう。欧州に長期出張していた知人に聞いた話だと、あちらの方はA4サイズの大きなノートPCを毎日持って出社されるそうです。また通勤も自転車か自動車だそうです。日本人という小柄な人種と電車通勤という環境にはiPadという重さは受け入れがたいものがあります。

そのため今後期待されるターゲットはパソコンなど使わないシニア世代と思われます。シニア世代には、タッチしてすぐに離す動作やフリックなど、長押しに代表される操作の時間差で動作いが変わる仕組みには対応しにくいのです。親にiPhoneを使ってもらっても、すぐにアイコンが震えだし、配置変更モードになってしまいます。反応時間はOSでの規定値であり、設定でも変更できませんので、アプリ側で対応を考えるべきですが、ビューンは全く考えられていません。

雑誌やニュースが勝手に切り替わるというアプリの構成や、目玉記事のさわりの部分しか読めない現状のサービスは、サービスというより雑誌の試し読みや広告の要素が強いです。iPadのWiFi専用にアプリを出した後、バグも取られず、もうすぐ有料サービスに切り替わりますが、これらの点について改善されないなら動画ニュースにお金を払うと考えた方がよさそうです。

今後、動画ニュースをやめて、ターゲットを絞り込んだコースに分けて、コースごとの内容を充実し、ネット書店などと提携して、最後まで読める仕組みを提供してもらいたいと考えます。